温度計測用語集
温度計測で使われる用語について説明します。
黒体
可視光線に限らず、あらゆる波長の電磁波を反射することなく完全に吸収し、また熱放射できる物体。完全放射体ともいう。
ゼーベック効果
物体の温度差が電圧に直接変換される現象で、熱電効果の一種。この電圧は温度差1Kあたり数μV程度の大きさである。
測温抵抗体
金属の電気抵抗率が温度に比例して変わることを利用した温度センサーのこと。金属では1K温度が上昇すると約0.3%程度抵抗が増加する。
熱電対
異なる材質の2本の金属線を接続して1つの回路をつくり、ふたつの接点に温度差を与えると電圧が発生し一定の方向に電流が流れる。ゼーベック効果を利用した温度センサである。
比較法
所定の一定かつ均一な温度に保った恒温槽、電気炉などの比較装置を用いる方法。この方法では、必要とする精度で既に校正されている温度の標準器を用いて比較装置の温度を決定し、この値を基準温度とする。
分解能
器械・装置などで、物理量を識別できる能力。最小の読み取り可能な差の事で、温度計測の場合、測定対象物が異なる温度と判別できる最小の読み取り可能な温度差を言う。
放射温度計
物体から放射される赤外線や可視光線の強度を測定して、物体の温度を測定する温度計。黒体放射によって生じる熱放射(赤外線、可視光線など)に対して、温度と放出エネルギ―の関係から物体の温度を算出する。
放射率
放射率は物体の材質、表面の形状、粗さ、酸化の有無、測定温度、測定波長などで定まる値で、同温の黒体が放出する光のエネルギーを1としたときに、物体が熱放射で放出する光のエネルギーとの比である。
ペルチェ効果
異なる金属を接合し、一定温度のもとで電圧をかけると、接合点で熱の吸収・放出が起こる効果。電流の向きを逆にすると発熱、吸熱が逆になる。
補償導線
熱電対(温度計)と計器の間をつなぐ専用のリード線。定められた温度範囲で熱電対と近似した熱起電力特性を持つ。熱電対の種類に適合した種類があり、JISで規格化されている。