シンガポール編
さまざまな文化が入り混じるシンガポール、ビジネスで注意したい点は?
シンガポールは、人口約554万人のうち、中華系74%、マレー系13%、インド系19%の多種多様な民族で構成されています。(2015年9月データー外務省サイトより)
そのため言語も様々で、国語はマレー語、公用語は英語・中国語・マレー語・タミール語の4か国語。
看板も4か国語で表示され、公共交通機関でのアナウンスも同様です。ラジオは、それぞれの言語ごとに6チャンネル。紙幣にも4つの公用語で「シンガポール」と書かれているので、ぜひ確かめて見てください。
宗教も、仏教、イスラム教、キリスト教、道教、ヒンドゥー教と多様で、祝日も公平に設定されています。
このような多民族国シンガポールにビジネスで滞在する際、気を付けたいことを紹介します。
会社訪問
時間厳守は日本と同じですが、フレックス制を導入している会社や金曜日はイスラム教徒の方々は昼に2時間ほど休憩を取ることも。しっかりとアポイントメントを取ってから訪問しましょう。
商談
それぞれの人種や宗教により名前のパターンが複雑だったり、発音が難しかったりします。中国系の方でもキリスト名やミドルネームの英語名で呼ばれることを好む方も。名刺交換の際には、どう呼べばよいか聞いておきましょう。同様に日本人の姓と名前もわかりにくいので、先に伝えておくことをおすすめします。
歓談の際には、人種や宗教、政治についての話題は避けましょう。
服装
高温多湿のシンガポールでは、ネクタイやジャケットなしの長袖シャツとズボンのスタイルが一般的ですが、イスラム教徒の方々もいるので、女性はノースリーブや短いスカートなど露出の激しい服装は控えましょう。
贈り物
出張中に取引先から接待に招待されることもあるでしょう。シンガポールではお返しをする習慣はありませんが、手土産を持っていくときも、それぞれの文化や宗教を考慮することが必要です。
・中華系
お礼やお祝いに置き時計や傘、扇子を贈ることは避けましょう。
(中国では時計は「終」、傘や扇子は「散」の発音に似ているため)
・マレー系
イスラム教の方には、アルコール、香水(アルコールを含むもの)、豚肉、下着、犬の写真や絵のついたものは避けましょう。食事の持ち寄りに呼ばれたら、「ハラール」(イスラム法で許されたもの)であるものを持っていきましょう。
・インド系
明るい色は幸福を表すので明るい色の包装が喜ばれます。ヒンドゥー教の方には牛肉や革製品は避けましょう。
接待
接待で食事会を主催する場合、イスラム教は豚肉と酒、ヒンドゥー教は牛肉など宗教上、口にできないものがあります。必ず事前に、食事上の制限があるかどうかを聞いておきましょう。
いかがでしたか?
多種多様の民族が共存するシンガポールは、世界の中でも珍しい国です。それも、お互いが相手の宗教や文化を尊重し合っているからこそ成り立つもの。私達も訪れる際には、現地でのマナーや禁止事項をしっかり理解しておきたいですね。