需要急増中!“41.6億個”も生産されているモノとは?
41.6億個という数字の正体は、2018年の国内における電池の総生産数です。国内の携帯電話(フィーチャーフォンおよびスマートフォン)の契約数が約1億7,500万台あるので、実にその24倍近くの電池が1年間で生産されています。
この生産量に含まれる充電可能な「二次電池」の割合は近年増加傾向にあり、2006年の28%に対し、10年後の2016年には44%にまで増加しました。
二次電池の爆発的普及の背景には、携帯電話・ノートパソコン・タブレットといった、携帯可能な電子デバイスの普及がありました。その後もハイブリッド自動車や電気自動車、家庭用電池など用途の広がりに伴い、二次電池のニーズは拡大し続けています。
二次電池は、蓄電量やエネルギー交換効率、安全性などの追求に加え、機能面でも発展しています。近年では、二次電池にICや通信機器を備えることで、出力を遠隔制御するIoT技術の導入もみられます。たとえば、二次電池にセンサとインターネット通信を導入することで、太陽光発電で得たデータを基に天候を分析したり、各家庭の電力使用状況を収集して蓄電量・放電量を制御したりするシステムなどが登場しました。
さらに、これまでの二次電池に採用されてきた電解液とセパレータに代わり、無機の固体電解質を使用する「全固体電池(全固体型リチウムイオン電池)」が、次世代の電池として実用化も目前といわれてます。全固体電池は難燃性や熱的・化学的安定性、設計の自由度が高いため、電気自動車(EV)などでの実用化が期待され、国家プロジェクトとしての動きがあります。
また、世界的な環境への取組みから、エンジン車の販売を禁止する動きもあります。イギリス、フランス、東京が2040年にエンジン車の販売を禁止し、またドイツとインドでは2030年にEV車のみ販売することを表明しています。
どこまで実行可能であるかは未知数な部分もありますが、世界中を見渡してもEV車の普及率は高まっていて、市場の動きも活発です。このことからも、今後、リチウムイオン電池をはじめとする二次電池の需要はさらに拡大するのではないでしょうか。
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