7つの習慣で生産性アップ!
1日5分のルーチン作り

製造業の現場で、日々の忙しさに追われる中で「もっと効率よく作業を進めたい」と感じることはありませんか?しかし、改善を試みても「結局続かない」「どこから手をつければいいかわからない」といった壁にぶつかることも少なくありません。
実は、生産性を高める鍵は、意外にも「小さな習慣」にあります。毎日の行動を少しずつ見直し、それを無理なく習慣化させることで、作業がスムーズになり、意識せずとも効率化が進みます。
たとえば、作業後の道具を定位置に戻すことを習慣化するだけで、探し物の時間が減り、次の工程へスムーズに移行できます。一人ひとりの小さな積み重ねが、最終的には現場全体のパフォーマンス向上につながるのです。
本記事では、製造現場で役立つ具体的な習慣や、それを無理なく定着させる方法を紹介します。今日から実践できる内容をまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください!
- この記事でわかること
今日からできる!生産性アップの具体的な7つの習慣
「大きな成功は、毎日の小さな行動から生まれる。」
これは決して使い古された格言ではなく、製造現場の生産性向上にもそのまま当てはまる真実です。毎日の業務にほんの少しの工夫を加えるだけでも、後に大きな効果を実感できるでしょう。
ここでは、すぐにでも始められる生産性向上につながる習慣の例を7つご紹介します。
- 業務に取り掛かる前にタスク整理をする
- 各タスクごとの目標を設定する
- デスクまわりや作業場の整理整頓をする
- 仕事仲間やお客様に笑顔であいさつする
- わからないことは遠慮せず人に聞く
- 毎朝5分学びの時間を確保する
- 一日の振り返りを行う
今日からでも実践できる内容ばかりなので、ぜひ日々の業務に取り入れてみてください。
業務に取り掛かる前にタスク整理をする
忙しい現場では、つい目の前の作業から手を付けがちですが、最初にタスクの全体像を明確にして、優先順位をつけましょう。その際に各タスクで必要な準備物まで洗い出せるとベストです。やみくもに作業をはじめると、途中で必要な道具や材料が揃わず、手戻りが発生するかもしれません。また、手戻りに焦って新たなトラブルを生むなど、余計に時間がかかる可能性もあります。
一方で、タスクを整理してから行動すれば段取りがスムーズになり、不要な作業や無駄な動きを減らせます。さらに、時間に余裕を持った計画を立てれば、突発的なトラブルが発生しても落ち着いた判断ができるでしょう。このように作業前のタスク整理を徹底すれば、忙しい現場でも効率的に安定した成果が期待できます。
各タスクごとの目標を設定する
作業に取り組む際、ただ漠然と目の前のタスクをこなすのではなく、あらかじめ目標を設定するとやる気と効率がアップします。
たとえば製品のチェック作業にて、「1時間に50個以上チェックする」といった数値目標を立てれば、自然と集中力が高まり作業スピードが上がるでしょう。ただし、チェックの品質が低下しないように注意は必要です。
また、目標達成したときにコーヒーブレイクなどの小さなご褒美を決めておけば、疲れをリセットしながら次のタスクへのモチベーションもキープできます。このように、各タスクごとに目標を決めて作業に取り組めば、達成感を得る機会も増え前向きに作業できるようになります。また、併せてチーム目標も決めることで、チームメンバー間で一体感を持って作業に取り組めるようになるでしょう。
デスクまわりや作業場の整理整頓をする
「物の乱れは心の乱れ」と言われるように、作業場でも周囲に物が散らかっていると、集中力が削がれ生産性低下の原因となります。また、散らかっているせいで必要な工具や書類が見つからないと、想定外の時間ロスにも繋がります。そのような無駄を減らすために、まずは身の回りを整理整頓してきれいに保つことが大切です。たとえば、
- 使い終わった道具はすぐ元の場所に戻す
- 必要最小限のものだけ作業スペースに置く
のようにあらかじめルール決めしておくのがおすすめです。
これを習慣化すれば都度探し物をする手間が減り、スムーズに作業を進められます。翌朝気持ちよく業務に入れるよう、帰社前に5分間だけでも整理整頓の時間を設けるのがおすすめです。整理整頓された環境では自然と気持ちが落ち着き集中できるので、結果的に作業効率のアップが期待できるでしょう。
仕事仲間やお客様に笑顔であいさつする
一見すると生産性とは無関係に思える「笑顔であいさつ」ですが、現場の良い雰囲気づくりのための大切なポイントです。明るいあいさつが交わされる現場では、自然とコミュニケーションが活発になり、情報共有がスムーズになります。また、お互いフォローし合う雰囲気になりやすく、チーム全体の作業効率もアップするでしょう。
さらに、お客様への対応でも、笑顔であいさつすれば好印象となり、信頼関係が築きやすくなります。ちょっとした会話が生まれることで相手との距離が縮まり、トラブルを未然に防いだり、提案が通りやすくなったりするメリットがあります。ぜひ毎日のあいさつを大切にして、笑顔があふれる現場づくりを意識してみましょう。
わからないことは遠慮せず人に聞く
忙しい現場では、「こんなこと聞いたら怒られるのでは?」と質問するのを遠慮しがちです。しかし、疑問や不安をそのまま放置するほうが、かえってミスや遅れを招く恐れがあります。たとえ基本的なことでも早めに質問して解決すれば、業務がスムーズに進み生産性が向上するでしょう。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」というように、わからないことがあれば積極的に尋ねる姿勢が大切です。どうしてもその場で聞きにくい場合は、わからないことを一覧にまとめて渡したり、相手の都合の良い時間をアポ取りしたりと、相手に手間をかけさせない工夫も必要です。チーム全体で互いに遠慮せずに聞き合える雰囲気を作れれば、全員が集中して効率よく作業に取り組めるでしょう。
学びの時間を確保する
現場の生産性を高めるためには、企業全体としての取り組みも必要ですが、作業者一人ひとりが自らの知識やスキルを向上させることも大切です。1日わずか5分だけでもインプットの時間を確保すれば、一年間で20時間以上にも積み上がります。
たとえば、技術書を読んで新たな知識を吸収したり、資格取得のための学習に充てたりするのも良いでしょう。学んだことをすぐ現場で実践できれば、最高のアウトプットの場になります。このように「学ぶ習慣」を身につければ、個人の知識やスキルが向上し、やがてチーム全体の生産性アップに繋がります。 個々のインプットの時間を大切にして、メンバー一人ひとりが活躍する現場を目指しましょう。
一日の振り返りを実施する
現場の生産性を高めるために、一日の終わりに業務を振り返る習慣を持つことも大切です。
振り返りは、単に「何が上手くいかなかったか」を反省するだけでなく、「明日からどのように改善するか」まで具体的に考えましょう。具体的には、
- 今日の製品検査は目標数を達成できたか?
- 達成できなかった場合は何が原因か?
- 目標達成のために明日以降どうするのか?
などを振り返ります。また、一人で振り返るだけでなくチームでディスカッションするのも有効です。それにより、現場全体が抱える課題や成功事例をチームで共有できます。ぜひ一日の振り返りの時間を設けて、明日からの業務に生かしていきましょう。
知っておきたい!習慣を定着させる3つのポイント
習慣化しようとせっかく始めた取り組みも、三日坊主にならないようにしっかりと定着させる必要があります。ここでは、習慣を定着させるための以下の3つのポイントを紹介します。
- まずは小さな習慣からはじめる
- トリガーを設定する
- 習慣のスタッキング
習慣を定着させるために、ぜひご自身に合ったスタイルを見つけてみてください。
まずは小さな習慣からはじめる
新しい習慣を取り入れる際、いきなりハードルの高い目標に取り組むと途中で挫折しやすくなります。だからこそ、まずは小さな習慣からスタートするのがおすすめです。
「作業を始める前に机まわりを整理する」「週に1回は技術書を読む」などの小さな習慣でも、続けていけば大きな効果を生み出します。そして、徐々に慣れてきたら段階的に目標を引き上げましょう。そうすれば、さらに高い成果が得られるようになります。
このような小さな行動の積み重ねは、現場全体の生産性を底上げするだけでなく、小さな成功体験を積み重ねることで自信を育みます。それが継続のモチベーションとなり、さらに大きな成果へとつながっていきます。まずは1日5分以内でできる小さな習慣から始めてみましょう。
トリガーを設定する
習慣を定着させるために、「トリガー」と呼ばれる行動のきっかけを決めることも効果的です。たとえば、朝のミーティングが終わったら、そのまま装置の点検に入るというルールを決めておきます。そうすれば、「そろそろ装置の点検をしなければ」と意識する必要がなくなります。
決められた順番で自然と次の行動に移れるため、自動的にルーチンがスタートし、滞りなく作業が進められます。トリガーを設定しておけば、頭で考えずとも身体が動いてくれるので、「やる気」に関わらずタスクを実行できます。
習慣のスタッキング
新しい習慣を取り入れるとき、ゼロから始めるのは難しく感じるものです。そこで効果的なのが、「習慣のスタッキング」という方法です。これは、すでに定着している習慣に新しい習慣を組み合わせて、自然に実行できるようにする仕組みです。ゼロからの習慣化に比べて、スムーズに新しい行動を定着させることができます。
習慣のスタッキングを実践するためには、以下の手順を試してみましょう。
手順1. 既存の習慣をリストアップする
まず、自分が日常的に行っている習慣を洗い出します。たとえば、「朝コーヒーを飲む」「昼休憩後に席に戻る」「退勤前にデスクを片付ける」など、無意識に行っている行動をリスト化します。
手順2. 新たに習慣化したい行動を考える
次に、自分が新たに取り入れたい習慣を具体的に書き出します。たとえば、「一日のタスクを確認する」「作業後に道具を整理する」「業務終了後に振り返りを行う」などです。
手順3. 既存の習慣と新しい行動を組み合わせる
最後に、リストアップした既存の習慣に、新しい行動を付け加えられないかを考えます。たとえば、「朝コーヒーを飲むタイミングで一日のタスクを確認する」「昼休憩後に席に戻ったらデスク周りを整理する」といった具合に、既存の習慣をトリガーとして活用します。
このように、すでに身についている行動に新しい習慣を付け加えることで、無理なく自然に新しい行動を取り入れることができます。ほんの僅かな新しい習慣でもそれを既存の習慣に積み上げて、繋いでいけば、大きな習慣を形成することが出来るでしょう。
現場の生産性改善のための習慣化に取り組もう
今回は、現場の生産性をアップさせるための習慣化について紹介しました。
現場では、個人やチームが効率よく作業したり、トラブルによる時間のロスを防いだりするために様々な「習慣化」が効果的です。
習慣化には、身の回りの整理整頓や、笑顔であいさつするなど、すぐにでも始められるものも多くあります。また、習慣はしっかりと定着させることが重要であるため、無理なく小さな習慣から始めてみたり、トリガーを設定して頭で考えなくとも動ける工夫が大切です。
日々の業務に習慣化を取り入れて、効率的に作業を実施できるようにしましょう。