不具合現象の原因は、作業者?設備?それとも!?
ライン生産での不具合現象の原因を究明するとき、その性質や状況から分類することができます。不具合現象は「突発性」と「慢性」、また「直接的原因」と「管理的原因」にそれぞれ分類して考察することができます。現象を把握し、切り分けることで、原因究明や管理・対策へのヒントとなります。
- この記事でわかること
不具合現象の性質による分類
「突発性」は主に人が原因である場合が多く、「慢性」は原則の崩れが原因である場合が多いといわれています。
A:突発性:人起因の不具合(作業者・材料の管理ミスなど)B:慢性的:原則の崩れが原因(設備の不具合など)
突発性の不具合現象
作業者が、作業標準や作業手順を順守できていたか確認してみましょう。材料の誤りも突発的な不具合現象につながる場合があり、材料受け入れ時や投入時の確認ミスが原因です。これらはいずれも人起因のエラーです。
慢性の不具合現象
原則が崩れている可能性があります。たとえば、ライン設備の装置部品の消耗や熱による変形などで、設備設計当初の原則から徐々に離れつつある可能性が考えられます。それにより、次第に搬送速度やワーク位置などに狂いが生じ、慢性的な不具合現象として現れます。
不具合現象の原因による分類
また、不具合現象の原因は、「直接的原因」と「管理的原因」に分けることができます。
直接的原因
文字通り、直接不具合を起こした原因です。現場や現物(装置・設備、ワークなど)で観察・特定することができます。
管理的原因
設備の点検基準の欠如による、原則の乱れが原因となります。つまり、人起因であるといえます。
多くの場合、直接的原因は、管理的原因によって起こります。直接的原因に対処するだけでは、また再発するなど根本的な解決に至らない場合がほとんどです。
複合的な原因、管理・対策
不具合現象の解決が難しい場合、原因が複合的であるケースが少なくありません。これは複数の人が設備(構造)に携わる場合に発生しやすく、ある原因に連鎖して不具合現象が引き起こされていることが考えられます。
こうした現象に素早く対処するには、原因になり得る変動要素(変更点・改善点・メンテナンス)などの「構造情報」を共有しておくことが重要です。複合的な不具合現象は、設備全体の構造情報をマップ化した「原因構造図」を作成し、更新・共有することで、相互関係から原因を絞り込むことができます。
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