年間取水量“799億m3”は、琵琶湖のほぼ3倍!
約799億m3(立方メートル)は、2015年 日本で使用されたすべての水の量(取水量ベース)を示しています。日本最大の湖である琵琶湖の湖容積が約275億m3 ですから、ほぼ3倍にあたる水を使用していることになります。
水の用途は大きくわけて「生活用水」「農業用水」「工業用水」の3種類です。日本の生活用水設備の漏水率は世界各国の設備と比較して驚異的に低く、農業用水では進んだ治水設備により干拓事業が進んでいるといわれています。
なかでも注目したいのが、工業用水の「回収率」です。ものづくりの現場では切削・研磨、冷却や洗浄をはじめ、さまざまなシーンで水を使用しています。工業用水の使用量は、1965年から2000年にかけ約3倍にまで増加しました。ただし、この水の使用量には使用後に回収し、再利用した水の量も含まれています。
工業用水の回収率は、1965年には36.3%でしたが、1973年ごろから回収・再利用といった水の使用に関する合理化が進歩。その後、水の回収・再利用はさらなる発展を遂げ2015年には77.9%に達しました。これにより、工業用水の淡水補給量(新たに河川や地下水などから取水する量)は減少し続けています。こうして、日本の工業用水の回収率はいまや世界トップレベルといわれるまでになりました。
世界では人口増加や経済・生活の変化により、水の需要が増加の一途といわれています。そんな状況で、高い回収率を誇る日本の工業用水の回収・再利用システムは、海外からも大きな注目を集めているそうです。
水は私たちの生活になくてはならない存在。これからも環境に配慮しつつ、限りある資源を有効に使っていきたいですね。
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