化学・材料・素材業界
ナノファイバーのデジタルマイクロスコープでの観察・測定
ナノファイバーは、直径100nm未満の超極細繊維です。繊維をナノオーダーにすることで、抗菌性、超微粒子補足性、スリップフロー効果(通気性の向上)などの新しい機能を付加することができます。ここでは、ナノファイバーのデジタルマイクロスコープでの観察事例を紹介します。
ナノファイバーの定義
ナノファイバーは、直径が1nmから100nm、長さが直径の100倍以上の繊維状物質と定義されています。
ナノファイバーの材質と種類
ナノファイバーは材質によってさまざまな種類があり、それぞれの性質を活かして多様な用途で使用されています。
主なナノファイバーの種類
種類 | 材質 |
---|---|
高分子ナノファイバー |
ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート |
バイオナノファイバー |
セルロース、キチン |
カーボンナノファイバー |
カーボンナノチューブ |
金属ナノファイバー |
金属(鉄、アルミニウム、銅、ニッケル、銀など) |
セラミックナノファイバー |
シリカ |
ナノファイバーの効果
- スリップフロー効果で、圧力損失の低い高性能フィルターの製造が可能。
- 比表面積が大きいため、吸着性能が高い。
- 吸音、断熱効果が高い。
- 軽くても高強度で金属材料への置き換えも可能。
CNF(セルロースナノファイバー)とは
CNF(セルロースナノファイバー)は、植物繊維のセルロースを1ミクロンの数百分の一以下のナノオーダーまで微細化したバイオマス素材です。植物繊維由来であることから、生産・廃棄における環境負荷が小さく、軽量・高強度・耐膨張性に優れていることが特徴で、自動車・家電・建材などに幅広く活用されています。
デジタルマイクロスコープによるナノファイバーの観察事例
キーエンスの4Kデジタルマイクロスコープ「VHXシリーズ」を用いたナノファイバーの観察について、最新事例を紹介します。
SEMでは難しい色味の評価が可能です。
VH-Z500 2000x 同軸落射照明
左:深度合成有り 右:深度合成無し
深度合成機能で、奥行きのある繊維にもピントの合った撮影が可能です。