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食品容器・食品包装のデジタルマイクロスコープでの観察・測定
食品容器・食品包装は、スーパーを代表とする小売業の規模拡大、コンビニエンスストアの店舗数増加に伴って多様化が進みました。ここでは、食品容器・食品包装の概要とデジタルマイクロスコープでの観察事例を紹介します。
食品容器・食品包装の目的
食品容器・食品包装は次のような目的で使用されています。
- 腐敗防止
- 食品が酸素に触れないように密閉することで腐敗を防止します。
- 流通の利便性
- 遮熱性や強度を高めることで変質や破損を防ぎ流通の利便性を高めます。
- 安全・衛生
- 異物混入を防止し、消費者が直接手に触れても安全で衛生的。
- 使用時の利便性
- 消費者が取り出しやすい形状や、内容物がこぼれにくいように安定性を高めます。
- 環境への配慮
- リサイクルに適した材質で環境に配慮。
- 情報伝達
- 食品に対する情報の表示・伝達。販売促進のための広告効果を高めます。
食品容器の代表的な材質と特徴
食品容器の代表的な材質と特徴、用途は以下になります。
- ポリスチレン
- 剛性に優れ成形性が良い素材で、常温用として使用されています。
- 耐熱温度:80℃
- 発泡ポリスチレン
- 剛性に優れ成形性も良く、保湿性・断熱性を有した常温使用の容器です。
- 耐熱温度:80℃
- ポリプロピレン
- 油や熱に強く、電子レンジが使用できます。
- 耐熱温度:110℃
- 発泡ポリプロピレン
- 発泡させてあるため、断熱性があり、温かい食品でも手で持つことができます。
- 耐熱温度:130℃
- フィラー入りポリプロピレン
- 油や熱に強く、電子レンジが使用できます。
- 耐熱温度:130℃
- 非結晶ポリエチレンテレフタレート
- 熱には弱いですが、透明で油に強くサラダやおそうざいの容器などに使用されています。
- 耐熱温度:60℃
- ポリ乳酸
- 植物から作られる生分解性プラスチックで、CO2を抑制し、環境に優しい素材です。使用後、微生物により水と二酸化炭素に分解されます。透明性に優れ、サラダやカットフルーツの容器に使用されています。
- 耐熱温度:50℃
食品包装の代表的な種類と特徴・用途
食品包装にはさまざまな種類があります。食品包装の代表的な種類と特徴、用途は以下になります。
- ピロー包装
- 「ピロー」は枕を意味します。フィルムを筒状にしてシールし、底部を溶着して切断します。不活性ガスとして窒素や二酸化炭素や、これらの混合ガスなどを封入します。
- 用途:スナック菓子
- 真空包装
- 包装内部を真空に近い状態で密封し、好気性菌の発生や酸化を防止します。
- 用途:ハム・ベーコン・ソーセージ
- 深絞り包装
- ボトム材を容器状に加熱成形し、内容物を入れ、トップ材を熱圧着する過程で中の空気を抜き真空シールします。
- 用途:ハム・ベーコン・ソーセージ
- スキンパック
- 内容物と台紙の間をすき間なく熱で圧着し真空包装します。完全密封なので、食品から出る水分(ドリップ)が抑制でき、賞味期限の延長が可能です。
- 用途:干物・肉
- トップシール
- 容器の蓋の役割をしているフィルムです。トップシールに熱を加えることで容器と圧着します。
- 用途:ゼリー・プリン・豆腐
- シュリンク包装
- 熱収縮フィルムを使用し、商品の形状に合わせタイトに包装します。
- 用途:冷凍ピザ、ヨーグルト類の集積包装、カップ麺、酒パック
デジタルマイクロスコープによる食品容器・食品包装の観察事例
キーエンスの4Kデジタルマイクロスコープ「VHXシリーズ」を用いた食品容器・食品包装の観察・測定の最新事例を紹介します。