LIBS(レーザ誘起ブレークダウン分光法)によるデジタルマイクロスコープでの元素分析
LIBS(レーザ誘起ブレークダウン分光法)は、パルスレーザを使用して元素成分を特定する元素分析手法です。ここでは、 LIBSの概要とデジタルマイクロスコープでの元素分析事例を紹介します。
LIBS(レーザ誘起ブレークダウン分光法)とは
LIBSは、Laser Induced Breakdown Spectroscopyの略で、パルスレーザをサンプルに照射し、発生するプラズマの波長を分光器で分解して、波長ごとの光強度を分析することで含有する元素成分を特定する元素分析手法です。
NASAの火星探査でも使用されている分析手法で、大気中で元素分析が可能です。
- パルスレーザをサンプルに照射します。
- サンプル表面がプラズマ発光します。
- プラズマ発光した光を分光器にて波長ごとに分解します。
- 波長ごとの強度を検出器で検出します。
- 得られた強度データからスペクトルを取得し、入っている元素の割合を計算します。
LIBSを使用するメリット
LIBSには、次のようなメリットがあります。
- 水素(H)、リチウム(Li)などの軽元素から検出可能です。
- 真空引きが不要です。
- 切断・研磨・導電性処理などの前処理が不要です。
- 大気中で使用できるため、試料サイズの制約がありません。
- スポット径が約10ミクロンで微小なサンプルの分析が可能です。
- 液体の分析が可能です。
- パルスを複数回連続照射することで、深さ方向の元素分析が可能です。(ドリリング機能)
デジタルマイクロスコープによる元素分析事例
キーエンスの4Kデジタルマイクロスコープ「VHXシリーズ」とレーザ元素分析ヘッド「EA-300シリーズ」を用いた元素分析の最新事例を紹介します。
バッテリー業界導入用途事例
メッキ業界導入用途事例
食品・製薬業界導入用途事例
電子部品・半導体業界導入用途事例
自動車業界導入用途事例
化学業界導入用途事例
金属業界導入用途事例
フィルム・シート業界導入用途事例
キーエンス元素分析ヘッドEA-300シリーズの特長
マイクロスコープで観察しながら気になる箇所をそのまま元素分析
超高速LIBS解析
ステージの上に置くだけで観察しながら、大気中で元素分析可能。対象物の破壊や導電性処理、真空引きも不要です。
レーザ誘起ブレークダウン分光法を採用し、安全性が高いクラス1のレーザを使用。レーザにより対象物表面をプラズマ化し、発光色を広帯域(深紫外線~近赤外線)・高分解能の分光器で検出。マイクロスコープ観察系を同軸に入れることで、狙った場所の元素を検出できます。
AI-サジェスト世界初
元素分析後の物質を、誰でも適切に判断できます。
数千種類の元素パターンを内部データベースに保有しているため、検出した元素だけでなく、その物質名まで瞬時に示唆します。物質データは階層的に構成されており、固有の名称から総称、さらにはその説明まで簡単に確認できます。また、自社での分析結果を蓄積することで、過去に同様の異物が検出された事例を検索することも可能です。誰でも簡単に、専門知識不要で物質を瞬時に判断できます。