画像処理による粒度分布・粒子解析
これまで、粒子や粒度の解析はレーザー散乱式の粒子解析機や顕微鏡で行っていました。これに加え近年では、CMOS撮像素子やレンズ精度、照明技術や画像処理技術の向上によって、高性能なデジタルマイクロスコープも用いられるようになりました。
最新のデジタルマイクロスコープは、高画質であるばかりではなく、画像2値化による粒子の抽出や定量化、測定条件の再現など、さまざまな要求に対応できる豊富な機能を搭載しています。
ここでは、最新の4Kデジタルマイクロスコープによる粒度分布や粒子の解析の課題解決事例を紹介します。
画像処理による粒度分布・粒子解析とは
「画像2値化」とは、階調のある画像を白と黒に変換する処理です。任意のしきい値(閾値)を設定して各画素の値を比較し、しきい値より大きければ黒、小さければ白に変換します。また、2値化する範囲を指定することもできます。
画像を2値化すると、必要な部分から黒または白の情報だけを取り出すといった処理が可能になるため、粒子解析が容易かつ高速になります。
最新の4Kデジタルマイクロスコープによる粒度分布・粒子解析の事例
従来のレーザー回折・散乱法*は、実際の粒子を観察することができません。また、顕微鏡による観察は習熟が必要で、撮影条件の再現は困難。さらに、取得したデータの解析は、別のソフトで行っていました。
4Kデジタルマイクロスコープ「VHXシリーズ」による粒度分布や粒子の解析は、実際の粒子を観察しながら、さまざまな計測が可能です。そして、画像の2値化による自動面積計測、撮影設定の再現やキャリブレーションは、検査員の習熟度を問わない容易な操作で行えます。
レーザー回折・散乱法
レーザー照射による粒度分布・粒子解析のこと。散乱光の強さが粒子個数に比例するという規則性や粒子の大きさと光の散乱回折のパターンの関係性を利用した測定・解析法。
自動面積計測
指定した範囲における対象物の面積計測やカウントが簡単に行えます。画像の輝度や色を使用して2値化し、面積・最大径・最小径などのパラメーターの算出や、不要な対象物の除外や重なり合う対象物の分離も可能です。また、過去に計測した画像データを用いて、同じ条件で解析することができます。
さらに、測定値は表・ヒストグラムに出力することができるので、粒度分布の特徴を定量的に把握することができます。
撮影設定再現とキャリブレーション
顕微鏡による観察では、前回の撮影条件(照明・シャッタースピード・ホワイトバランスなど)の再現、さらに2値化時の画像処理やキャリブレーションなど測定条件の再現が、大変困難でした。
4Kデジタルマイクロスコープ「VHXシリーズ」なら、保存した画像をアルバムから選ぶだけで、過去の撮影設定を再現することができます。検査員が代わっても月日が経っても、前回と同じ撮影条件での観察が可能です。
また、従来は正確な位置にピントスケールを置いて合わせる必要があったキャリブレーションは、専用スケールを設置してワンクリックするだけの「1PUSHキャリブレーション」で完了。照明条件やシャッタースピード、ホワイトバランスなど、レンズに必要な補正値を読み込み、X・Y・Z軸を電動制御して自動で位置とピントを合わせます。
- A.高分解能HRレンズ
- B.電動レボルバ
さらに、レンズ交換なしに20~6000倍まで倍率変更できるシームレスズームを実現する高分解能HRレンズと電動レボルバなど、粒子解析の負担を軽減する機能が満載。そして、すべての操作が簡単なので、機器の取り扱いが苦手という方でも素早く正確な観察・解析ができます。
観る・録る・測るが、これ1台
高精細4Kデジタルマイクロスコープ「VHXシリーズ」を用いることで、従来の顕微鏡に比べ圧倒的な効率化や、人による誤差の解消と正確な粒度分布・粒子解析が実現します。
また、最先端の光学・画像処理・自動化技術で実現した高精細4K画像により、簡単な操作で粒度分布・粒子解析ができるため、より高度な解析結果を素早く得ることができます。
撮影・測定したデータは、「レポート機能」により設定した定型フォームで簡単にレポート化できるほか、社内サーバなどでデータ共有することで、工業規格などへの適合や品質保証だけでなく、問題発生時には原因究明や工程改善などにも活用することができます。
他にも最先端の機能を数多く搭載した
「VHXシリーズ」は、粒度分布・粒子解析の強力なパートナーとなります。詳細に関しては、以下のボタンよりカタログをダウンロード、または、お気軽にご相談・お問い合わせください。