柵レス6軸ロボットの安全対策

産業用ロボットは、80W規制の緩和により、条件によっては安全柵などで作業者と分離する必要がなくなりました。同時にロボットユーザーには、国際安全規格に準じた適切な安全対策を講じることが求められています。
安全柵がない環境で稼働するロボットの可動範囲に作業者が入ることは大変危険です。産業用ロボットの有効利用には、省スペースと作業性を確保しつつも妥協のない安全対策が必要です。

安全対策のポイント

ロボット可動範囲の安全確保
作業者がロボットに近づく(OSSD1/2)→ロボットの動作が遅くなる。
ロボットの可動範囲内に入る(OSSD3/4)→ロボットが停止し、インターロック。
ロボットの可動範囲内での作業中→ロボット起動不可。
A:セーフティレーザスキャナ(SZ-Vシリーズ)
A:セーフティレーザスキャナ(SZ-Vシリーズ)

キーエンスからのご提案

1台で2つのエリアを同時制御
セーフティレーザスキャナは、1台でOSSD1/2とOSSD3/4という2つの保護領域を設定することができます。この機能を使うと、保護領域のOSSD1/2でロボットの動作が遅くなり、OSSD3/4でロボットが停止という制御が可能です。
さらに、作業者が保護領域の外に出るまで、ロボットの起動を停止するという制御も可能です。
活用のヒント
セーフティレーザスキャナの「ミューティング機能」を設定すると、一時的に安全機能を無効化できます。これは、メンテナンスなどで保護領域に作業者がいる場合、ロボットを作動するときに便利な機能です。また、「ロボット制御ユニット(SC-R21)」と「タッチパネルディスプレイ(VTシリーズ)」を使うと、ロボットのティーチング作業も安全に行えます。
※注意:マルチOSSD機能とミューティング機能は併用できません。

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セーフティコントローラの役割り
一般に、汎用PLCなどプログラム可能な制御機器は、メモリやCPUに異常などが発生すると安全な制御ができなくなります。安全機器にセーフティライトカーテンやセーフティドアセンサ、セーフティレーザスキャナなどを使っていても、汎用PLCで制御していたのでは十分な安全対策にはなりません。また、汎用リレーでインターロックを構成しても、汎用リレーが溶着故障すると危険な状態に陥ります。
「セーフティコントローラ(SCシリーズ)」は複数の安全機器を安全かつ簡単に接続でき、統合して監視する、安全機器の中枢をなす制御機器です。安全入力、安全出力はもちろん、オフディレイを設定したり、イネーブルスイッチを利用した、ロボットのティーチングモード機能の使用も可能です。

[部分停止のイメージ]

非常停止スイッチを押すと、装置Aから装置Cまで、すべての装置が停止します。
前面のカバーまたは背面のカバーを開けると、該当する装置だけが停止します。
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