FNA Magazine Thailandの特集「タイの“工場進化論”」で、キーエンスタイランドが紹介されました。


1998年にタイへ拠点を構えた同社。これまでの変遷を振り返って、MDの島野氏は感慨深げだ。自動車産業がタイで隆盛を究める2005年に赴任してから9年目となる。
「ちょうど、FAがメンテナンスから現地調達化へシフトする時期に駐在となりました。タイでも提案型のダイレクトセールスが求められる時期と重なったわけです」
すでに、日系自動車メーカーはタイ進出をしてから数十年を経ており、いわゆる現調化が進行していた。同社の急務は、客先の急速な現地化推進に追従すること。現場へ通い、交流を深め、生きた情報を集めていった。
最初に着手したのは、タイ語のカタログ。もちろん、業界初の試みであり、専門用語をわかりやすいタイ語へ翻訳する作業には、時間と費用を費やし試行錯誤を繰り返す中、社内では疑問視する声もあがったが、現場の高いニーズを裏切ることはしなかった。
2005年、初めてタイ語版の分厚いカタログが各メーカーの工場、デスクに置かれ、その後も様々な商品カタログのタイ語化を展開。そして2011年、ついに業界初の日本語-タイ語-英語を含む6か国語による「FA用語辞典」を発刊した。通常の辞書には載っていないFA用語を集めた翻訳冊子、いわゆる“使える用語集”を誕生させたのだ。
それまで、現場のコミュニケーションに困っていた日本人MGRとタイ人現地スタッフの橋渡し役となり、現場に、「キーエンスありの起点となった。その後もWeb版FA用語辞典など、さらに利便性の高いものへと進化をつづけている。

Opportunityは隠れている。現場で、当たり前になっていることを、別の視点から掘り下げる。それを実践できるのが、キーエンスのセールスエンジニアだ。同社の強みといわれる、付加価値の提案ができる所以といえる。
例えば、予知保全。タイの現場ではまだ馴染みのない概念であっても、その意味と重要性を現場へ伝えることができるのは、キーエンスをおいて他にない。「問題が起こってから対処するのではなく、それらを未然に防ぐ。そういった発想をもとにしたご提案は、多くの現場を知り、数々の問題を解決してきた実績があってこそできるものです」
今でも、現場へ足を運び、現地の生きた声に耳を傾ける島野氏ならではのコメントだ。
製品マニュアルのタイ語化も数十機種以上にわたっているが、それらも、転ばぬ先の杖を顧客へ渡したいという思いの表れだろう。

現調化はさらに進み、最近では、タイ装置メーカー紹介ニーズも高まっている。タイ人が責任者として製品を選定し導入に至るケースも増えているという。ただ、過渡期でもあるため、最終判断を日本人が行う場合も。当然、多言語・異文化の入り混じる合同ミーティング開催となる。
「我々が、言語と技術の翻訳者として一役買うこともあります。タイ人と日本人の文化の違いや、立場による見解の差を埋めるような役目ですね」
意外な障害が内部にあったり、足元だからこそ見えにくい課題をキーエンスはキャッチし、外部ファシリテーターあるいはコミュニケーターとして貢献しているようだ。
いかに、タイ・日本における顧客との信頼関係が築かれているかを伺い知る事例といえる。

郷に入っては郷に従え。徹底した現場主義は、諺に通じる。タイ人の仕事様式、仕事文化にあわせたサービスを心がけ、日本式を押し付けることはない。現場のクリティカルな問題が浮上しにくい背景も理解したうえで、対応できるサポート体制を整えている。
「日本でも通常はできない様な対応をする場合もあります。緊急の場合、数時間での納品もありますし、在庫切れでも、互換性のある商品で提案対処など解決力には自信があります」
タイでのビジネスに、予測不能はつきもの。様々な局面を乗り切ってきた同社だが、なかでも象徴的なのは2011年に起こった洪水後の動き。
「現地に向かえるタイミングで、普段のスーツを脱ぎ捨て作業着と長靴で駆けつけました。被害を目の当たりにしながら、できうる限りのことを行い、お客様とともに復興へ向かったんです。あの時は、わずかな判断ミスやタイムロスも許されなかった。対策室をすぐに設け、在庫も異例の二倍にしたんですよ。お蔭で復興を目指される沢山のお客様のご要望通りの納期で商品の納入と迅速な保険書類等のサポートを可能にし、感謝状をいただいた事もありました」
キーエンスの現場主義、その真髄を見る歴史だ。

「キーエンスに入れば、成長できる」。タイで就職活動を行う学生や転職を考える人の間で最近ささやかれる評判。特に今年に入ってからの採用で、高い志を持った候補者と純粋なキーエンスタイへの志望者が増えた事に非常に手ごたえを感じているという。
驚異の高収益企業として注目され、分析される同社でもあるが、他社には模倣できない芯にある強みが「人」と「こだわり」だとされる。表層やアウトプットを真似できたとしても、決して真似されることのない部分が同社の付加価値であり、それこそが人とこだわりなのだろう。
Key of Science の種は、タイという国に蒔かれ、タイ人の中で萌芽の時を迎えているようだ。
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