人権方針

基本的な考え方

キーエンスグループは、事業活動を支える全ての人々に対する人権尊重は、企業を永続させ、社会的責任を果たし続けるために不可欠であると認識しております。創業以来、互いに人間性を尊重し、働きがいのある職場づくりを目指してきましたが、国際規範に基づく人権対応への社会的要請を踏まえて、2021年12月6日に代表取締役名で「キーエンス人権方針」を定めました。2022年6月10日には、国連「ビジネスに関する指導原則」等の支持を含めた内容に改訂し、人権尊重の取り組みを実践してきました。キーエンスグループは、今後も人権尊重の取り組みを推進していきます。

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行動規範

キーエンスグループでは、グループの行動規範を定めており、その内容はウェブサイトで開示しています。行動規範の中で、人権の尊重や児童労働・強制労働の禁止を表明しており、キーエンスグループの全ての役員・従業員が、事業活動において行動規範を理解し遵守することを明確にしております。また、当社の仕入先様(業務委託含む)と協力企業様についても行動規範の遵守を要請しております。

キーエンスグループ行動規範(PDF)

人権への取り組み・推進体制

サステナビリティに統括責任を持つ取締役経営情報室長が管轄する経営情報室が主管部署となり、人事・法務・資材・生産管理部門などと連携して人権リスクを防止・低減するための取り組みを実施しています。(1)人権方針の策定・見直し(2)人権リスクの特定・評価(3)適切な対策の検討・実施(4)モニタリング(5)情報開示・サプライヤーエンゲージメントを行っていきます。また、必要に応じて外部の専門家のアドバイスも参考にしていきます。

マネジメントレビュー

人権課題を含めたサステナビリティに関する取り組みの内容は、毎年サステナビリティ担当役員である取締役経営情報室長が執行会議や取締役会に報告を行う体制となっております。当該取締役経営情報室長が関与しながら、資材管理部門の責任者の責任において全社的なサプライチェーン方針を策定しており、資材管理部門の責任者が調達ガイドラインの実施を担っています。

人権デューデリジェンスの実施

国連「ビジネスと人権に関する指導原則」を尊重し、当社及びサプライチェーンを含む事業活動上の人権への負の影響の特定・評価を行い、顕著な人権リスクの特定を行っています。人権影響評価については、深刻度や影響が生じる可能性を考慮した上で、(1)セルフアセスメント(2)リスクアセスメント(3)インパクトアセスメントの手順でアセスメントを実施。人権リスク評価にあたり、外部の国・地域別のリスク情報(政府、NGOの他、人権の専門家による資料)を参照し、当社の事業活動とこれらの情報を照らし合わせて、潜在的な人権リスクを特定しています。

(1) 人権リスクの特定・評価

当社の事業活動において発生する可能性がある人権リスクのうち、顕著な人権リスクとして特定した項目は「強制、奴隷、債務労働」及び「児童労働」です。当社だけでなく、サプライヤーの皆様と当社の考え方を共有する目的から、サプライチェーンを対象としたガイドライン等を定め、人権の尊重、強制的・奴隷的な労働や差別的処遇の排除など、人間性を最大限に尊重した環境づくりを要請しております。

(2) 適切な対策の検討・実施

協力工場への訪問調査に加えて、サプライチェーンにおいても、そこで働いている方々の人権を考慮した職場環境づくりを実行していくため、2023年度は重要な仕入先企業様に対して強制労働・児童労働の禁止を含む調達ガイドラインの遵守状況を確認しており、重大な人権リスクへの違反がないことを確認しています。継続的にサプライチェーン上の人権リスクについても把握に努めていきます。

(3) モニタリング

状況把握

当社の調達・生産ガイドラインに対する遵守状況の確認を継続して行う。

調査頻度

リスク評価の結果、人権リスクの懸念がある取引先様には毎年、それ以外の重要な取引先様には少なくとも3年に1回実施。

(4) 情報開示

当社のWebサイトや毎年作成するサステナビリティ資料等で人権の取り組みを報告。

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是正・措置の構築

救済メカニズム

  • サプライヤーホットライン設置
  • 社内での相談・連絡窓口の設置

社内での周知浸透/教育

当社では人間性を尊重し、働きがいのある職場づくりを目指し、上下関係を意識しない風土を大切にしてきました。社員への行動規範を示したビジネスガイドラインを制定し、人種・性別・国籍・信条・年齢・障害の有無・性的指向・性自認などによる差別・中傷やハラスメント、役割や立場の違いを利用した言動などがないよう徹底しています。

また、行動規範はすべての従業員に配布したうえで、サステナビリティの担当役員である取締役経営情報室長や調達担当者を含むすべての従業員に対して定期的にケーススタディを用いたトレーニングを行いながら、行動規範の意味合いを再確認することでコンプライアンス意識の向上および理解促進に努めています。海外の現地法人においても、さらなる行動規範の浸透を図るため、行動規範を翻訳し、日本国内と同様、この規範を全員が確認する仕組みを構築しております。

ハラスメント防止への取り組み

セクシュアルハラスメント、パワーハラスメントなどのハラスメントを未然に防止するために、社内研修や社内イントラネットへの情報掲載を通じて、意識向上のための活動を行っています。

新任の責任者に対する研修では、ハラスメントの未然防止及び事案が発生した際の適切な対応について教育を行っているほか、職場単位でハラスメントについて注意すべき点を話し合う機会を設けています。

また、従業員がハラスメントについて安心して相談ができるよう、連絡・相談手段は面談の他、メールや電話、社内イントラネットからの連絡窓口を設置しています。相談を受けた場合には、相談者・行為者のプライバシーを保護するために必要な措置を講じるとともに、相談者及び事実関係の確認に協力した社員に不利益な取り扱いが行われないことを保証し、プライバシー厳守を徹底しています。

The UK Modern Slavery Act 2015(英国現代奴隷法)への対応

株式会社キーエンスは、The UK Modern Slavery Act 2015(英国現代奴隷法)第54条の規定に基づき、本声明を公表しています。

働きがいのある職場の実現

高い付加価値を生み出すのは人材です。
人間性を尊重する職場づくりにも力を入れ、主体性を持って仕事に取り組める環境を整えています。

人間性を尊重する職場づくり

人間性を尊重し、働きがいのある職場づくりを目指すことを方針とし、物質的にも精神的にも仕事がしやすい職場環境づくりを目指しています。法令遵守はもちろんのこと、人種・性別・国籍・信条・年齢・障がいの有無などで差別や中傷をしない、無意識に人を傷つけない、役割や立場の違いを利用しないなど、高い倫理観を持ち、企業活動に取り組んでいます。

オープンに議論できる職場環境

「誰が言ったか」ではなく、「何を言ったか」ということを大切にし、誰もが自分の意見を自由に発言できる環境づくりに取り組んでいます。たとえば、上下関係を意識しないようにするため、役職名で呼ぶことはせず、社員全員がお互いの名前を「さん」付けで呼び合う、会議の席順は決めず、入った順番に座るなど、役職・年齢・キャリア・性別に関係なく、主体性を持って自由に発言できる風土を構築しています。

また、グループ間の隔たりをなくすため、できる限りオフィス空間に間仕切りをなくすなど、オープンに議論ができる環境を整えています。このような風土や環境により、たとえ新入社員であっても、自分が正しいと思うことを気兼ねなく主張できる風土を維持しています。

公平・公正

企業活動を適正に行うためには、公平・公正であることが欠かせません。役員・社員の3親等以内の方の入社をお断りしていることや、取引上で接待や贈物を受けたり行ったりすることを禁止していることも、公平・公正であるためには必要なルールだと考えております。

また、役割や立場の違いによるメリットを享受することも役得と考え、公平・公正の観点から禁止しています。

公私峻別

ビジネスに関係のない利害を判断基準に持ち込むことや、業務上で私的な恩恵を受ける行為、会社資産である会社の設備、社用車、携帯電話、什器、備品、機械・器具、事務用品の私的利用は勿論のこと、電子メール、インターネットなども仕事のみに使用し、私的利用などは一切禁止されています。

相談窓口の設置

全ての従業員がアクセス可能な相談窓口を設置し、職場における不快な言動や職場環境を不適切にする行為があれば、直接の相談を受け付けています。相談があれば、プライバシーに十分配慮し、ただちに調査を行い対応します。

社員の健康管理

健康診断・人間ドック費用補助

事業所ごとに社員が定期健康診断を受診しやすい環境を整え、法令に則り定期健康診断を毎年受診しています。35歳以上の社員とその配偶者が外部の医療機関で人間ドックを受診した場合、毎年健康保険組合による全額補助を受けることができます。また、治療や生活習慣の改善が必要な対象者には、個別に適切なフォローを行っています。

労働安全確保

  • 生産設備のリスクアセスメントや定期監査に基づく安全対策の実施
  • 作業者の負担軽減、安全を目的とした自動化設備の導入
  • 危険作業をおこなう際の生産現場でのゴーグル着用、溶剤作業現場でのマスク着用の要請

休日休暇

2023年度は年間休日が128日。GW・夏季・冬季は各7~11連休で、心身ともにリフレッシュした状態でメリハリのある働き方を実現できるようにサポートしています。

従業員満足度

当社では、エンゲージメントサーベイの肯定的回答率を指標として設定し、継続的に70%以上とすることを目標としています。2023年度は70%以上のスコアになっています。

人材の育成

育成に関する基本的な考え方

各社員が互いに人間性を尊重し、働きがいのある職場作りを目指しながら企業の永続的な付加価値向上に貢献する社員の育成に取り組みます。

育成に関する基本方針

  • 積極的に「仕事を任せる」
  • 育成の基礎となるOJT
  • 「研修」で総合的な能力開発を促す

OJTによる育成

営業

同行

  • 先輩社員の営業に同行して営業手法を学ぶ。
  • 先輩に同行してもらい営業アドバイスをしてもらう。

開発

プロジェクト担当

入社2か月で開発プロジェクトに参加。実際に商品開発の一部を任せることで成長を促進します。

OJTを促進するための制度

パーソナルコーチ制度

新入社員に対して、先輩社員がマンツーマンで仕事全般のアドバイスを受け持ち、成長を促進する仕組みです。

メンター制度

パーソナルコーチとは別に、新入社員が抱える疑問や不安を、若手先輩社員がメンターとしてフォローする制度です。

能力開発のための研修制度

実務スキル教育に加え、多様な研修プログラムを企画開発し、必要なタイミングで受講できるように各種制度を整備しています。

キャリア別教育

  1. 新入社員研修
    • 入社後フォロー研修
    • 新入社員研修
  2. 若手社員
    • 実践スキル研修
  3. 中堅社員
    • マネジメント研修
    • コーチング研修
  4. 経営リーダー
    • 責任者研修

育成制度

MDP

Management Development Program

一定期間にわたって責任者としての業務を任せ、次期リーダーを養成する研修制度。この制度を通じて、対象者本人の成長だけでなく、リーダー候補の層が厚くなり、活性化された組織を維持するうえでも効果を発揮しています。

CDP

Career Development Program

所属籍はそのまま、一定期間他のセクションに移って業務を経験する制度です。専門外の多彩な仕事を体験することで、広い視野の養成と新たな能力開発を促進します。

マルチアセスメント

責任者のマネジメントカ開発を促進するために、メンバーの視点で評価(サーベイ)をおこない、結果を責任者にフィードバックする仕組みです。定期的に責任者自身のマネジメントにおける強みと課題を共有し、マネジメントカ向上に役立てることが目的です。

実務教育

実務スキル研修

実務をおこなう上で各部門で求められるスキルの習得。

新任責任者研修

労務管理、社内規程など、責任者として必要な知識の習得。

社外教育

語学レッスン

自己啓発の一環として、語学レッスンを法人契約による割引料金で受講可能。

e-ラーニング・通信教育

仕事に役立つ度合いが高く、その講座を所定の期間内に修了した場合に、受講料の全額を会社が補助。

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