最近話題の「コネクティッドカー」
製造工程に与える影響は?【パート1】(1/2)
- 分類:
- コネクティッドカー
通信技術の進歩は、いつでも、どこでもインターネットに接続できる快適な生活をもたらしました。次世代移動通信となる5G回線の整備も進められ、工場内など限定されたエリアで運用もはじまっています。そして、通信技術の進化は自動車にも広がっています。それが最近よく耳にする「コネクティッドカー」です。そこでコネクティッドカーの基礎知識に加え、製造工程への影響などを2回に分けて紹介します。第1回は、コネクティッドカーの基礎知識と製造工程で変わること、その対策についてです。
コネクティッドカーとは?
その特徴と実現できることについて
コネクティッドカーによる実現例:事故発生時の緊急通報
事故発生を検知すると、自動車の位置や情報を自動的に緊急通報。オペレーターが確認し、救急サービスを派遣します。これにより迅速な救助を実現します。
コネクティッドカー最大の特徴は、自動車に通信端末を備え、24時間365日、常時インターネット回線に接続することです。最近では、家電とインターネットを接続して、家の外からでも操作できる「IoT家電」「スマート家電」が増えています。コネクティッドカーも同様で、IoT家電やスマート家電の自動車版と言えます。では、自動車がオンラインにつながると、どのような恩恵があるのでしょうか?以下では実際に運用されているサービスを紹介します。あくまで一般的な例ですが、自動車メーカーによってさまざまなサービスが展開されています。
事故などの万が一のときに迅速に対応できる
事故を起こしたり、急病で身動きがとれなくなったりしたときに、インターネットに接続していればスムーズに対応できます。オンライン状態なら位置情報も特定できるので、救急車などを呼ぶときに「場所がわからない」という事態を防げます。ロードサービス・警察・消防、そして販売店や修理工場と連携でき、安心してドライブに出かけることができます。また、車両盗難や車両荒らしなどが発生した際に緊急通報を自動車自身が発信できるなど、さまざまなメリットがあります。
自動車の情報をスマホやパソコンで確認できる
スマホやパソコンから接続できることもコネクティッドカーのメリットです。例えば、ガソリンの残量をスマホで確認したり、明日の行き先をカーナビに送信したり、ドアやウインドウの閉め忘れを確認したり、車から離れていても情報を得ることができます。
オペレーターサービスなどを利用できる
車載通信機を搭載したコネクティッドカーの多くは、自動車メーカーが提供しているオペレーターサービスを利用できます。運転中などにオペレーターに接続してカーナビを設定してもらったり、行き先の天気を教えてもらったり、周辺のレストランやショッピング施設などを探してもらったりと、自動車メーカー各社はさまざまなサービスを提供。対話型の自動車になります。
テレマティック保険に加入できる
コネクティッドカーは、自動車メーカーと相互通信を行っているので、「走行距離」「加減速やブレーキの回数」「速度」などの情報などをすべて記録し、ドライバーの安全運転を見守っています。このデータを活用して保険料を個別に設定するのが「テレマティックス保険」です。テレマティックス保険は、ブレーキやアクセルの操作が緩やかで安全運転を心がけている、年間の走行距離が少ないなどの情報から事故のリスクを判断して、保険料の割引を行うというものです。また、テレマティックス保険のほかにも運転情報を活用したさまざまなサービスが研究されています。
コネクティッドカーと自動運転の違い
コネクティッドカーと自動運転は、現状では別物です。コネクティッドサービスは、自動車とサービスセンターで相互通信を行い、さまざまなサービスを提供するものです。対する自動運転は、センサやカメラの情報から道路状況を判断し、アクセル・ブレーキ・ステアリング操作をサポートするものです。すでに自動ブレーキやレーンアシストなどは多くの自動車に搭載されています。
しかし、今後はセンサやカメラに加えて、インターネット接続を活用し、より高度な自動運転が可能になっていくでしょう。そうなれば、コネクティッドカーと自動運転との垣根はなくなっていくと推測します。ただし、自動運転には高度なセンサや高速なインターネット通信が不可欠です。そこで注目を集めているのが「LiDER」と呼ばれるセンサと、次世代通信システム「5G回線」です。コネクティッドカーから少し話が脱線してしまいましたが、自動運転やLiDER、5G回線については別の機会に紹介します。現状では、コネクティッドカーと自動運転は別物と覚えてもらえれば大丈夫です。
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