最近話題の「コネクティッドカー」
製造工程に与える影響は?【パート2】(1/2)
- 分類:
- コネクティッドカー
「最近話題の「コネクティッドカー」製造工程に与える影響は?【パート1 】」では、コネクティッドカーの概要や基礎知識、ネットワークにつながること実現できること、コネクティッドカーが普及することによる製造現場の変化について紹介しました。第2回となる今回は、コネクティッドカーに使われているITやIoTなどの技術的側面と、それによって製造業はどのように変わるのかを紹介したいと思います。
コネクティッドカーの市場予測
富士経済がまとめた「コネクティッドカー関連市場の現状とテレマティクス戦略2018」を見ると、2035年に販売される新車の96.3%がコネクティッドカーになると予測しています。また、その市場規模は、1億1010万台と2016年比5.3倍にまで膨らむ予測。今はまだ目新しいコネクティッドカーですが、2021年には生産台数の半数がコネクティッドカーになると予測していることから、自動車関連の製造業では早急な対応、そして知識の習得が求められます。
あくまで予測ですので、今後どのように推移するかはわかりませんが、多くの自動車メーカーがコネクティッドカーの開発を進め、各国では導入に向けた法整備が整えられています。
コネクティッドカーの定義
コネクティッドカーとは、ICT端末としての機能を有する自動車と定義されます。車両の状態や周囲の道路状況などさまざまなデータをセンサで取得し、ネットワークを介して集積・分析することで価値を生み出す「つながるクルマ」が大前提です。コネクティッドカーと似た自動車の通信としては、「ITS(Intelligent Transport Systems/高度道路交通システム)」「テレマティクス」「IVI(In-Vehicle Infotainment/車載情報通信)」などがあります。
- ITS(Intelligent Transport Systems/高度道路交通システム)
- 情報通信技術などを利用して人と道路と自動車の間で情報の受発信を行い、安全・環境・利便性などの交通社会を改善するシステム。1990年代から利用されはじめ、コネクティッドカーやテレマティックの基礎となっています。身近なところでは、「VICS(道路交通情報通信システム)」や「ETC(電子料金収受システム)」が当てはまります。
- テレマティックス
- テレコミュニケーションとインフォマティクスを組み合わせた造語で、自動車などの移動体に通信システムを組み合わせて、交通情報やナビゲーション、盗難時の自動通報といった情報サービスをリアルタイムで提供する仕組みです。コネクティッドカーのサービスとして「テレマティック保険」があるように、コネクティッドカーの一部がテレマティックと考えてもらえればよいでしょう。
- IVI(In-Vehicle Infotainment/車載情報通信)
- インフォメーション機能とエンターテイメント機能を提供する車載システムのことで、音楽や動画の再生、ニュースなどへのアクセスなどの機能を指します。比較的限定的な機能をIVIと呼んでいます。
「IVI」に関しては、インフィメーション機能とエンターテイメント機能と限定的ですが、「ITS」「テレマティックス」「コネクティッドカー」は概念的な用語で、明確な線引がありません。ITSの技術発展の中で「テレマティックス」「コネクティッドカー」という言葉が生まれたというのが現状です。
また、通信分野の言葉として、「IT(Information Technology)」「ICT(Information and Communication Technology)」「IoT(Internet of Things)」などがあります。コネクティッドカーを理解するうえでは、これらの言葉の理解も重要なので、基礎知識としてまとめてみました。
- IT(Information Technology)
- インターネットや通信インフラの技術を指し、日本語では「情報技術」と言います。コンピュータのハードウェアやソフトウェア、システム、情報通信インフラ、そのほか広義ではインターネットを活用した業務効率化を実現する技術まで含めてITと呼びます。
- ICT(Information and Communication Technology)
- 日本語で「情報伝達技術」と訳され、意味としてはITとほぼ同様です。ただし、ITが技術的側面に焦点を当てていることに対し、ICTは「人と人」「人とモノ」の情報伝達といったコミュニケーションに焦点を当てています。明確な区分けはありませんが、ITはコンピュータ関連の技術、ICTはコンピュータ技術の活用方法のようなイメージです。
- IoT(Internet of Things)
- 日本語では、「モノのインターネット」と訳されます。モノというのは、自動車をはじめ、身の回りにあるモノすべてを指します。非常に幅広いですが、コネクティッドカーやスマート家電などもIoTの一部と言えます。
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