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ジャストインタイムを実現する
リードタイム短縮の新工法(2/2)

分類:
製造工程の効率化

リードタイムの新工法

従来の生産工程では、加工や組み立てのロットサイズやサイクルタイムが異なり、搬送や検査、大きさ、在庫の無駄が発生していました。このような生産工程の無駄を排除する新工法が「ラインの同期一貫化」です。

同期化とは、「必要なものを必要な量、必要なときに、必要な順に供給している状態」を指します。タクト・ロット・時間・シフト・日の同期、そして工程間・ライン間・内外間の同期とレベルがわかれます。タクトの工程間同期に向かって同期化のレベルが上がります。通常、大きな製品は仕掛品が持てないので1個ずつの同期、小さなサイズの製品はロット同期を採用することが多くなっています。

同期生産の種類

同期生産の種類

同期化されたラインは、最初の工程に投入する材料・部品を管理すれば、一貫したラインで製品ができるので生産管理がしやすいというメリットがあります。その中でも流れ作業によるライン生産のタクト動機が最も仕掛りがすくなく、リードタイムが短くなります。ただし、同期一貫化されたラインは、設備の専有面積が大きくなります。

設備の小型化が同期一貫化のポイント!

そこで重要になるのが設備の小型化です。設備を小型化することで専有面積を少なくし、部品加工から組み立てまで同期一貫化し、1個流し生産にすることでサイクルタイムを大幅に短縮できます。また、設備の小型化は、以下のようなメリットも生み出します。

  • ・設備のレイアウト変更が容易になる
  • ・一貫したラインで生産するので輸送コストを抑えられる
  • ・輸送や保管に使うエネルギーが不要になる省エネにつながる
  • ・金型や治具を小さくできるので変更が容易になり、人力でも可能になる
  • ・必要最小限の材料で生産ができるので運搬などの手間を抑えられる
  • ・人力で交換や投入ができる
  • ・段取り変更や材料の投入にかかる時間を減らせる
  • ・中間在庫が減り、工場内のスペースに余裕が生まれる
  • ・空いたスペースに新たな生産ラインを設置できる
設備の小型化が同期一貫化のポイント!

できるところから工程を減らす取り組みを

設備の小型化が同期一貫化で重要ですが、すぐに設備を入れ替えて小型化し、1個流し生産に切り替えることは大変です。そこで、例えば、鍛造→切削と2工程にわかれているものを精密鍛造で1工程にする、ガスケットとネジ締めで結合していたものをシール塗布に変更するなど、できるところから構成をシンプル化することを検討しましょう。各工程の手間と時間を減らすことが、将来的なラインの同期一貫化につながります。

そのためには、各工程の精度も重要です。小ロット生産や1個流し生産では、不良発生時の代替品がないことを想定する必要があるので、徹底的に不良発生の要因を追求し、解決することが大切です。特に人間の経験に依存している工程には注意が必要です。例えば、加工時に変位計などでデータを取得し、データロガーで収集することも対策のひとつです。

キーエンス製品がリードタイム短縮をサポート

ラインの同期一貫化は、各工程の精度が重要です。すべての工程で精度を満たしていなければ、ラインの同期一貫化は不可能です。キーエンスでは、各種センサやデータロガーなどで、自動車製造の品質向上のお手伝いをしています。こちらでは、一例ですが自動車製造業界での導入事例を紹介します。

エンジン部品へのシール材(シーラー・プライマー)塗布の3次元形状検査

エンジン部品へのシール材(シーラー・プライマー)塗布の3次元形状検査

Oリングやパッキンといった固形のシーリング部品を、液体ガスケット・シール材(シーラー・プライマー)の自動塗布に変更することで生産効率向上とコスト削減が実現します。しかし、高粘度なシール材の自動塗布は、連続した高アスペクト比のビード状に安定的に塗布する必要があります。ビードに欠けなどの形状不良があった場合、オイルや水漏れの原因となり、製品の品質劣化や安全性低下の原因にもつながります。

そこでディスペンサに追随したシール材塗布直後の形状検査に超高速インラインプロファイル測定器「LJ-V7000シリーズ」が効果的です。不良流出防止や品質向上に効果を発揮します。

プレスストロークの測定

プレスストロークの測定

ストローク動作を測定することで、不均衡な位置決めによるプレス不良の検出を実現します。プレスストロークの測定と合わせて、制御装置で他の様々なデータ(例えばパンチ材質、クリアランス、カム角度など)を一緒に扱うと、打ち抜きエネルギーなど細かな計算も可能になるため、改善をより簡単に実現できます。

また、品種切り換え時の設定変更も自動化できて、時間の短縮につながります。キーエンス製品であれば、高速・高精度レーザ変位計「LK-G3000シリーズ」を使うことで、大型プレスにも対応した長いストロークを高精度に測定可能です。

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