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電気自動車(EV)シフトで変わる製造業【パート2】 トレーサビリティの重要性

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電気自動車(EV)シフトで変わる製造業【パート2 】トレーサビリティの重要性

電気自動車(EV)シフトで大きく変わることとしてトレーサビリティが挙げられます。車の動力源がガソリンから電気に変わることで、車の構成パーツも「電気を制御する機構」が主役となりました。それに伴い、トレーサビリティの印字が求められる部品や用途も変化しています。こちらでは、電気自動車(EV)シフトで変わる製造業【パート2】と題して、トレーサビリティの重要性と、電気自動車(EV)に搭載される主要部品への用途事例を紹介します。以下の関連コラムも併せてご覧ください。

トレーサビリティとは

トレーサビリティ(Traceability)とは、「その製品がいつ、どこで、だれによって作られたのか」を明らかにすべく、原材料の調達から生産、そして消費または廃棄まで追跡可能な状態にすることです。トレース(Trace:追跡)とアビリティ(Ability:能力)を組み合わせた造語で、日本語では「追跡可能性」と訳されます。トレーサビリティにはさまざまな捉え方がありますが、大きく「チェーントレーサビリティ」と「内部トレーサビリティ」の2つに分類することができます。

チェーントレーサビリティとは主に企業間のモノの流れが把握できている状態を指し、内部トレーサビリティとは企業内の製造工程の履歴が把握できている状態を指します。トレーサビリティの基礎知識については、以下ページも併せてご覧ください。

電気自動車(EV)時代のトレーサビリティ実例

電気自動車(EV)にシフトするために求められる、トレーサビリティのための印字用途を紹介します。

電池(電極・絶縁体・セパレータ)

電池は充電時もしくは減速時の回生によって得た電気を効率よく蓄えるための機構で、電気自動車・ハイブリッド車の動力源となります。現在では、大容量かつ小型軽量化が可能なリチウムイオンバッテリーが多く利用されています。電池は、筐体・電極・絶縁体・セパレータ等の部品で構成され、それぞれの製造工程および組み付け効率化のため、2Dコード/品番の印字が求められます。

A:電池カバーへ2Dコード/品番印字

電池は筐体とフタに分かれており、それぞれの製造工程及び組み付け効率化のため、トレーサビリティ印字がされています。

B:電池フタの表面粗し加工

B:電池フタの表面粗し加工

電池カバーと筐体の接着面をレーザ光で粗し、接着力を向上させます。

C:電極へ2Dコード印字

電池ケースだけでなく、電極自体への2Dコード印字が増えています。銅材質のため、ダメージレス印字が求められます。

DC/DCコンバータ

DC/DCコンバータは、ヘッドライト・ワイパー・オーディオ等各種電装部品を駆動するために、バッテリーに蓄えられた高電圧を低圧の直流に変換するための装置です。現代の自動車は、電装品の必要とする電力が増加しており、電力容量の増加と小型化が求められています。電気自動車(EV)は、すべての機器の動作をバッテリー電力に頼っているので、DC/DCコンバータは重要な役割を担っています。製造時の品質管理においては、基板への2Dコード/文字列印字やケースカバーへの品番印字が必要です。

A:車載機器(ワイパー、ヘッドライト、オーディオ)
B:DC/DCコンバータ C:バッテリー

A:基板へ2Dコード/文字列印字

ガラエポ基板への印字です。レジスト部を剥離した際の異物発生を抑制するダメージレス印字が求められます。

B:ケースカバーへ品番印字

従来はラベルを貼るケースが一般的でしたが、コストダウン・デザイン変更の容易化を背景にレーザ印字が広がっています。

インバータ

バッテリーに蓄えた電気を直流から交流に変換し、交流同期モーターに供給する装置です。電気自動車(EV)は幅広い回転域でモーターが駆動するため、供給する電気をきめ細かくコントロールしており、耐久性に優れた交流同期モーターを制御する上で必要不可欠な装置となります。インバータにおいても各構成部品へ2Dコードや文字列の印字が施されます。

A:バッテリー B:モーター C:インバータ

A:基板へ2Dコード/文字列印字

ガラエポ基板への印字です。レジスト部を剥離した際の異物発生を抑制するダメージレス印字が求められます。

B:冷却装置へ2Dコード印字

インバータに搭載される冷却装置にも2Dコードを印字することで、どんな仕様の冷却装置が搭載されたかをインバータ本体の情報に紐づけて管理しています。

C:ケースカバーへ品番印字

従来はラベルを貼るケースが一般的でしたが、コストダウン・デザイン変更の容易化を背景にレーザ印字が広がっています。

D:アルミ鋳造部へ2Dコード/文字列印字

アルミ鋳造されたケースは製品公差によってサイズが数ミリ異なる場合があります。ハンディリーダでの読取りが必要とされるケースが多く、焦点ズレによる印字不良がないレーザ印字が求められます。

ECU(エンジンコントロールユニット)

ECU(エンジンコントロールユニット)は、ドライバーのアクセル・ブレーキ・ステアリング操作、そのほか各種センサからの信号を受け取り、駆動や操舵、車体の安定化などの制御を行う装置です。ECUの開発が進み、制御のレベルも日々進歩しています。

A:充電制御ECU B:エアバッグ制御ECU C:パワーステアリング制御ECU
D:スタート&ストップ制御ECU E:トランスミッション制御ECU F:エンジン制御ECU

A:ケースカバーへ品番印字

従来はラベルを貼るケースが一般的でしたが、コストダウン・デザイン変更の容易化を背景にレーザ印字が広がっています。

B:コネクタへの識別用2Dコード印字

B:コネクタへの識別用2Dコード印字

ECUのコネクタは、レーザ印字の発色が難しいクリーム系・グレー系の樹脂が多いため、高発色印字が可能なUVレーザが有効です。

今回は電池やDC/DCコンバータ、インバータ、ECUなど、電気自動車(EV)にシフトすることで求められるトレーサビリティの印字用途やレーザマーカについて詳しくご覧いただける資料をご用意しました。電気自動車(EV)やハイブリッド車の製造に関わる方は、是非ご覧ください。

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レーザマーカ
電気自動車(EV) アプリケーション 【電池・ECU、コンバータ、インバータ編】

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