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安全意識の高まりから急速に普及する
センサ・カメラ・レーダーなどの安全装備
自動車製造から見る品質管理の方法論

分類:
次世代安全技術
安全意識の高まりから急速に普及するセンサ・カメラ・レーダーなどの安全装備 自動車製造から見る品質管理の方法論

昨今は、アクセルとブレーキの踏み間違いによる重大事故がニュースを騒がせ、自動車の安全性に注目が集まっています。さらに日本や欧州を含む40の国と地域で自動ブレーキの義務化が合意され、より高いレベルでの安全装備が求められています。そんな自動車の安全性向上のため、需要が増えているのがセンサやカメラ、レーダーなどです。

今回のクルマづくりコラムでは、「安全意識の高まりから急速に普及するセンサ・カメラ・レーダーなどの安全装備 自動車製造から見る品質管理の方法論」と題して、自動車用センサの種類や製造工程における注意点について解説します。

自動車の安全装備について

自動車は便利な移動方法ですが、一歩間違えばドライバーや搭乗者はもちろん、周囲の歩行者やクルマを巻き込み、重大な事故を引き起こす可能性があります。そこで日々安全性を高める研究が行われ、新たな技術が投入されています。例えば、今では当たり前になっているバックカメラやソナーセンサ(コーナーセンサ)などです。そのほかにも前方の歩行者や対向車を検知する「ミリ波レーダー」「前方カメラ」も普及しています。自動車メーカー各社は、バックカメラやソナーセンサ(コーナーセンサ)、ミリ波レーダー、前方カメラを統合制御し、より安心安全なクルマづくりに力を入れていることはご存知のとおりです。

これらの安全装備は、交通事故の防止および被害軽減に加え、今後の自動運転実現にも欠かせないデバイスです。すでにミリ波レーダーと前方カメラを利用して先行車両を検知して追従運転する「追従型オートクルーズコントロール」、道路の白線を検知して車線をキープする「レーンアシスト機能」など、各自動車メーカーが市販化しています。そのほか、さらなる安全性向上と自動運転実現のために自動運転用センサ「LiDAR」、各種センサの情報を活用する「ダイナミックマップ」の開発競争も激化しています。少し脱線しましたが、自動運転については関連コラムでも紹介しているので併せてご覧ください。

ここで覚えておきたいことは、自動車には動力性能や乗り心地などの向上を目的とした各種センサ以外に、安全性を高める多くのセンサ・カメラ・レーダーなどが搭載されているということです。今後は、安全・安心なモビリティ社会実現のために、各種センサの重要度は増していくでしょう。

製造現場には高い品質管理が求められる

これらの安全機能部品は多数の電子デバイスから構成され、製造工程の管理・品種の識別・製品出荷後のトレーサビリティなどのために印字が必要になります。
近年では部品の小型化や材質の多様化が進んでおり、求められる要求レベルを満たすための印字手法として、レーザマーカによるダイレクトマーキングが普及しています。
トレーサビリティについては、以下の関連ページおよび関連コラムでも解説しているので併せてご覧ください。

レーザマーカによるトレーサビリティ事例

レーザマーカを利用した安全機能部品のトレーサビリティ事例を紹介します。キーエンスでは、金属や樹脂、セラミックなど幅広い素材に印字可能な各種レーザマーカをラインナップし、さまざまな用途に合わせて最適な機種のご提案をしています。

ソナーセンサ(コーナーセンサ)

ソナーセンサ(コーナーセンサ)とは、至近距離の障害物を検知するセンサです。主に前後バンパー内に搭載され、駐車時や車両接近時の警告に利用します。ソナーセンサ(コーナーセンサ)自体は、以前から駐車時のサポートシステムとして利用されていますが、近年では歩行者やクルマの接近を知らせるためなど、利用範囲が拡大しています。

A:ソナーセンサ

A:筐体に識別用印字

ソナーセンサは1台の車に搭載される箇所が多いため、識別用に印字がされます。

B:センサ部品に2Dコード印字

車の塗装色に合わせて、センサ部品の色も変わるため、様々な色に対して鮮明に発色するレーザ印字が求められます。

B:センサ部品に2Dコード印字

ミリ波レーダー

ミリ波レーダーは、100m以上先の広範囲にわたって障害物を検知できるセンサです。主に先行車両との車間距離測定や歩行者検知に利用されます。そのほかドライバーの死角になりやすい後方や側方の車両・歩行者検知、交差点での出会い頭の事故回避のため前方および側方の検知などにも使われます。また、前方カメラと併用して使用されることも多くなっています。

A:前方監視 B:前側方監視 C:後側方監視

A:ケースに規格マーク印字

ミリ波レーダーのように電波を発する機器は輸出する国ごとの規格認証を得る必要があります。この規格認証マークは輸出対象国が増えるたびに追加されるため、デザイン変更の容易なレーザ印字が主流となっています。

前方カメラ

ミリ波レーダーは、検知できる距離が長く、速度域の高い状況で正確に障害物を検知できることが特徴です。対する前方カメラは、比較的近距離の対象物検知が得意で、物体の形や大きさを識別できることが特徴です。前方カメラは、車両・歩行者・交通標識などを認識してドライバーに注意や警告を促すために用いられます。そのほか白線認識、横断歩道認識、制限速度標識認識など、さまざまな検知が可能です。近年のクルマでは、特性の異なるミリ波レーダーと前方カメラという2つのセンサを使い、安全性の高いシステム構築を進めています。

A:カメラ

A:レンズユニットに識別印字

レンズを嵌めるリング部分に識別用の印字をおこないます。

A:レンズユニットに識別印字

B:カチオン塗装部へ文字列/2Dコード印字

カメラ土台のカチオン塗装部への印字です。サビ防止の観点から塗装を完全に剥離しない印字が必要です。

B:カチオン塗装部へ文字列/2Dコード印字

バックカメラ

クルマの後方を映し出すカメラです。車庫入れや後退時に後方の映像をカーナビ画面に映し出し、主に後方の安全確認に使用します。バックカメラは、後方の広い範囲を撮影でき、暗所に強いことが重要です。また、ボディ外板に装着されるので高い耐候性が求められます。そこで多くのバックカメラでは、CMDレンズが採用されています。バックカメラは、新車時に装着するディーラーオプションのほか、カーナビメーカー、そのほか単体装着用など、広く普及しています。

A:カメラ筐体に品番印字

搭載車種や仕様を判別するための識別印字をおこないます。

B:レンズにロット番号印字

組み付けする筐体を判別するためレンズ自体にも識別印字をおこないます。

B:レンズにロット番号印字

安全機能部品の品質と管理の精度を高めるために

今回ご紹介したソナーセンサ(コーナーセンサ)やミリ波レーダー、前方カメラ、バックカメラなどの安全機能部品は、高い品質や管理体制が求められます。自動車の安全性向上や、その先にある自動運転実現のため、自動車に搭載される安全機能部品はさらに増えていくでしょう。

今回ご紹介したレーザマーカによる安全機能部品への印字用途の手引きとして、各種ダウンロード資料も用意しておりますので、是非ご活用ください。

詳しく知りたい方へ、資料ダウンロードはこちら

レーザマーカ
電気自動車(EV) アプリケーション 【安全機能部品編】

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AI搭載コードリーダ
電気自動車(EV)アプリケーション

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