3つの「R」で約5,833億本に歯止めをかける
世界中で年間消費されているペットボトル容器の数は、年を追うごとに増加傾向にあり、2021年には「約5,833億本」に達するという予測データがあります。こうしたペットボトルの需要拡大によるプラスチックゴミの増加は地球温暖化と同様に深刻な環境問題を引き起こすと、有識者や各環境保護団体は警鐘をならしています。
拡大するプラスチックゴミを減らすための代表的な活動に「3R」というのがあります。3RとはReduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の頭文字から取った言葉で、限りある地球の資源を有効に使う「循環型社会」を作るための取り組みです。
現在、世界では年に500万から1,300万トンもの使用・投棄されたペットボトルが、ゴミとして海中に流入し、魚や海鳥などの生態系を脅かしているといわれます。このままでは、2050年には、海水中に含まれるプラスチックゴミの重量が、なんと海に生息するすべての魚の重量よりも重くなると推計されています。

こうした問題の背景を知ることで、3R活動が果たす役割の重要性を実感することができるのではないでしょうか。
それでは実際にペットボトルのリサイクルどの程度できているのでしょうか?PETボトルリサイクル推進協議会2017年分の統計によると欧州が41.8%、米国が20.9%であるのに対し、日本ではなんと84.8%(回収率は92.2%)という世界最高水準を実現しています。
日本は石油など合成樹脂の原料を国内で賄うことができません。そうした状況があったからこそペットボトルの回収やリサイクルのシステム、ノウハウを世界最高水準にまで高めることができました。世界規模での環境汚染対策や資源の再利用が急務となった現代、日本が培ってきた回収やリサイクルの技術やノウハウが、いま世界に必要とされているのではないでしょうか。
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- 出典:PETボトルリサイクル推進協議会「日米欧のリサイクル状況比較」:公益財団法人 廃棄物・3R研究財団「3R活動推進フォーラム」