数グラムのパーツも集まると“320万7,572トン”に!
320万7,572トンという数字は2017年に日本で生産されたボルト、ナット、リベット、ワッシャ(座金)、木ネジ、小ネジ、押しネジなどの重量合計です。
他の産業と同じく、2008年に起こったリーマンショックの影響を受けて、年間生産量が100万トン近く減った時期もありました。約10年を経た現在では、リーマンショック前の水準近くにまで、総生産量は戻っています。
ネジやボルト、ワッシャ、ナットなど(以下略:ネジ・ボルト類)は大小さまざまあり、重さも軽いものから人の手では持ち上げられないものまであります。
一般的なイメージでいえば、わずか数グラム程度というイメージがあり、ここまでの重量になるというのは、簡単には想像がつかないのではないでしょうか。
しかし、「締結」・「接合」をするには、ネジ・ボルト類が必要となりさまざまな工業で欠かすことはできません。
たとえば、小型自動車1台につき約3,000点、ジャンボジェット機になると1機につき約300万点ものネジ・ボルト類が使用されると言われており、しかも、それら1点1点に高い精度や安全性が求められます。また、精密機器用途では、より緻密な精度が要求されます。
機器類以外だけでなく、建築やインフラ設備などの用途でも、ネジ・ボルト類には大きな需要と高い品質要求があります。また、こうした製品・設備の製造に使用する装置・設備もまた、多数のネジ・ボルト類によって支えられています。
日本国内の生産者は、ネジ・ボルト類の高耐食性や高強度、緩み止め、軽量化などのニーズに応えるべく改良や開発を積み重ねてきました。深海の水圧にも耐える防水性能、振動の多い環境でも緩みにくい防振性能、盗難や改造防止のためのセキュリティ機能を持つものなど、実に多種多様な機能を備えた製品が存在します。さらに、精度や安全性においても、日本の製品は信頼性が高いと言われています。
わたしたちの日常を支えるネジ・ボルト類。そう考えると、手元のスマートフォンや眼鏡などの小さなネジも、愛おしく思えてくるのではないでしょうか。
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- 出典:一般社団法人 日本ねじ工業協会