トレース作業の自動化(1/3)
- 分類:
- 難易度の高い寸法測定

投影機からトレースする手間を省いて図面化するには?
製品や部品からCADデータ化するリバースエンジニアリングでは、正確な測定がカギを握っています。たとえば、ある程度の大きさがあり、シンプルな形状の部品なら、ノギスやマイクロメータなどで直接測定すれば良いでしょう。しかし、小さな電子パーツであったり、ネジピッチまで正確に測定したりしようとすると大変。そこで投影機や測定顕微鏡などを使い、対象物を拡大して測定する必要があります。
ただし、上記の方法では図面化に時間がかかってしまうということがデメリットです。特に投影機のトレース作業を手間に感じている方も多いのではないでしょうか? そこで今回はトレース作業の自動化について考えたいと思います。
投影機とは

投影機とはステージ上に対象物を載せ、下から光を当てて対象物の輪郭をスクリーンに投影する装置です。原理は光学顕微鏡に似ており、対象物を拡大して輪郭の確認ができることが特長です。拡大像が写し出されたスクリーンにものさし(スケール)を当てれば寸法を測ることができ、各部の長さはもちろん、周囲長も手軽に知ることができます。また、拡大することで曲面の公差を示す輪郭度なども計測可能です。
もともとは対象物の輪郭を検査するために開発され、その後に測定機能などが追加された投影機。大型のものは、スクリーンの直径が1mを超えるものもあります。そのほか顕微鏡のように覗き込む必要がなく、複数人でスクリーンを同時に見られることもメリットでしょう。非接触測定なので、ノギスのように圧力による誤差が発生することなく、正確な形状と数値を知ることができます。