“外観”を測定する(2/3)
- 分類:
- 難易度の高い寸法測定
ISO 25178で規定された表面形状のパラメータ一覧がこちらです。ISO 25178では、「高さパラメータ」「空間パラメータ」「複合パラメータ」「機能パラメータ」「機能(体積)パラメータ」「形態パラメータ」の6つのカテゴリーにパラメータを分類することができます。
カテゴリー | パラメータ | 名称 |
---|---|---|
高さパラメータ | Sq | 二乗平均平方根高さ |
Ssk | スキューネス(偏り度) | |
Sku | クルトシス(尖り度) | |
Sp | 最大山高さ | |
Sz | 最大高さ | |
Sa | 算術平均高さ | |
空間パラメータ | Sal | 最小自己相関長さ |
Str | 表面形状のアスペクト比 | |
Std ※ | 表面形状の方向 | |
複合パラメータ | Sdq | 二乗平均平方根傾斜 |
Sdr | 界面の展開面積比 | |
機能パラメータ | Smr(c) | 負荷面積率 |
Smc(mr) | コア部のレベル差 | |
Spk | 突出山部高さ | |
Svk | 突出谷部高さ | |
Smr 1 | 突出山部とコア部を分離する負荷面積率 | |
Smr 2 | 突出谷部とコア部を分離する負荷面積率 | |
Svq | 谷領域に当てはめられた回帰直線の傾斜 | |
Spq | プラトー領域に当てはめられた回帰直線の傾斜 | |
Smq | プラトー領域に当てはめられた回帰直線と谷領域に当てはめられた回帰直線との交点における負荷面積率 | |
Sxp | 極点高さ | |
機能(体積)パラメータ | Vw | 谷部の空隙容積 |
Vvc | コア部の空隙容積 | |
Vmp | 山部の実体体積 | |
Vmc | コア部の実体体積 | |
形態パラメータ | Spd | 山の頂点密度 |
Spc | 山頂点の算術平均曲 | |
S10z | 10点領域高さ | |
S5p | 5点山領域高さ | |
S5v | 5点谷領域深さ | |
Sda(c) | 平均谷領域面積 | |
Sha(c) | 平均山領域面積 | |
Sdv(c) | 平均谷領域目容積 | |
Shv(c) | 平均山領域体積 |
※表面形状の方向Stdは、表面形状パラメータでは、その他のパラメータに分類されます。
表面粗さには多くのパラメータが存在しますが、「Sa(面の算術平均高さ)」「Str(表面形状のアスペクト比)」「Sdr(界面の展開面積比)」「Svk(面の突出谷部深さ)」などが代表的なパラメータになります。その中でも外観評価に適したパラメータが「Str(表面形状のアスペクト比)」です。
最大 | 0.045 |
---|---|
最小 | 0.011 |
平均 | 0.023 |
標準偏差 | 0.013 |
最大 | 0.894 |
---|---|
最小 | 0.740 |
平均 | 0.843 |
標準偏差 | 0.061 |
RaやSaなどは算術的平均のため、凹凸の大きさや規則性などは考慮されません。そのため、プレートAとプレートBのような見た目の異なるプレートでも、パラメータ上ではさほど差が現れません。一方でStrは、表面の等方性、違方性を表すため、筋目の方向などが判断可能です。測定結果は0~1となり、0に近いほど等方性がある「筋目のある状態」、1に近くなれば方向性がないことが分かります。
このStrのパラメータを活用すれば、加工痕の状況、光の反射具合、筋目の有無などを数値化することが可能。人間の目に頼らざるを得なかった外観の違いを数値化できます。
外観の“違い”を瞬時に定量化できる測定器
線粗さ(JIS B 0601-2001)/面粗さ(ISO 25178)の双方に対応しているので、さまざまなものづくりの現場でご利用いただけます。そんな
の詳細な情報、また資料のダウンロードは以下をご覧ください。