クリスマス・ツリー染色による精子の検査

精子検査におけるクリスマス・ツリー染色とは

性犯罪の事実を立証するうえで、犯罪現場の遺留物や被害者の体液等から精液が検出されるか否かは非常に大きな意味を持ちます。
精液と判断する直接的な指標となる精子の同定については、まず顕微鏡検査により行われることが一般的です。顕微鏡検査のための検体調整手法は様々ですが、検体に含まれる精子の全体数は非常に微量であることが多く、精子以外の体細胞が多数混在していることも多いことから、多くの場合精子の探索は非常に困難な作業となります。また、そのような状況下での検査は作業者に対して非常に大きな負担を強いることになります。
事件の解決を目指すうえでも、顕微鏡検査の正確さおよび効率の向上は、法医学や鑑識分野においての命題と言えます。

クリスマス・ツリー染色は顕微鏡検査のための染色法のひとつですが、精子の頭部と尾部を特徴的に染色することができ、非常に信頼性が高く、比較的識別しやすい方法として知られています。具体的には、ヌクレアファストレッド染色液(Nuclear Fast Red)により精子の頭部が赤色に、先端部の先体帽と呼ばれる部分がピンク色に染色されます。また、ピクロインジゴカルミン染色液(Picro Indigo Carmine)により尾部が青色と緑色に染色されます。

クリスマス・ツリー染色による検査を効率化する顕微鏡

キーエンスのオールインワン蛍光顕微鏡BZ-X800では、クリスマス・ツリー染色により赤色に染色された頭部をターゲットとして、画像内の精子を瞬時に検出し、数をカウントすることが可能です。さらにスライド全域を自動的に連続撮影することもできます。
自動撮影と自動検出の組み合わせにより、高効率な顕微鏡検査が可能となります。

  1. 元画像(x20)

    元画像(x20)
  2. 精子頭部を自動抽出

    精子頭部を自動抽出

検体の自動”撮影”が可能

キーエンスのオールインワン蛍光顕微鏡BZ-X800では、一度の撮影でスライド3枚まで全域を自動撮影できます。撮影範囲の任意指定も可能で、不要な部分を除いて撮影することで時間を短縮することもできます。
また、クリスマス・ツリー染色やパパニコロウ染色など明視野で観察すべき検体と、蛍光で観察すべき蛍光染色検体のスライドが混在している場合も、撮影視野ごとに条件を変えることができるため、一度の撮影で同時にデータを取得できます。撮影条件は蛍光・明視野以外に、倍率、明るさ、Z位置なども自在に変えられるため、検体の状態に合わせた最適な手法を取ることができます。

組織マイクロアレイ
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組織マイクロアレイ

検体の自動”検出”が可能

ハイブリッドセルカウントやイメージサイトメーター機能など、豊富に用意されている定量解析機能を利用することで、設定した特徴をもとに自動的に検体を検出し、数をカウントしたり、面積測定をおこなったりすることができます。また、マクロ機能により同一条件で数百枚もの多数の画像に対して自動計測を行うことも可能。目視によるカウント方法や、人の手で測定領域を指定する従来の方法に比べ、より正確で、客観的なデータを素早く取得することができます。

オールインワン蛍光顕微鏡 BZ-X800を導入すれば