測定室の温度管理(1/4)
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正確な測定には欠かせない、測定室の温度管理
温度が変化すると、物体は膨張や収縮して長さや体積が変化します。同じ物体であっても温度が異なれば、測定結果に差が生じてしまうのです。そこで正確な長さを測るには、測定室の温度管理がとても重要。特に測定精度が要求される物体、また極小部品では誤差は見逃せない問題。そこで今回は、正確な測定には欠かせない温度管理をご紹介したいと思います。

温度変化によって物体が膨張したり、収縮したりすると寸法や体積が変化します。この現象を熱膨張と呼び、1mの物体が1℃上昇した際に長さが伸びる変化率を熱膨張係数と定めています。熱膨張係数には長さの変化を示す線膨張率と体積の変化を示す体積膨張率があり、単位は毎ケルビン[1/K]で表されます。
線膨張率
温度変化による長さの変化率を線膨張率と呼び、物体の長さをL、温度をTとすると、以下の数式が成り立ちます。

線膨張率αは非常に小さく、温度変化にかかわらず一定のため、T℃のときの物体の長さLは以下の数式で表すことができます。
