液面測定による省エネ対策なら「レベルセンサ」
製造業では、容器内の内容量を測る方法としてレベルセンサが用いられます。例えば、クーラントタンクやパイプ内の液面測定から内容量を判断します。流量や圧力と同様に液面も適切に管理することで液量の見える化につながり、省エネ対策に活用できます。こちらでは、液面測定による省エネ対策と、レベルセンサの基礎知識を説明します。
レベルセンサとは
レベルセンサの「レベル」とは、容器やパイプに入っている液体や粉などの高さのことです。例えば、タンク内の水が「8分目まで入っている」「半分ぐらい入っている」のように使います。工場では、タンクに振られた目盛りで液量を判断することがありますが、これがレベルです。レベルセンサは、液面の高さなどを検出するセンサを指します。
- 例)液体用レベルセンサ
-
- 例)粉体用レベルセンサ
-
また、レベルセンサには、FA(Factory Automation)用とPA(Process Automation)用があります。FA用(屋内用)は、マシニングセンタのクーラントタンクのレベル監視、油圧装置の作動油タンクのレベル監視など、空焚きやオーバーフロー防止に使います。一方PA用(屋外用)は、原油貯蔵タンクや穀物用サイロなどの残量を測定します。タンクやサイロ内の残量を連続的に測定して使用します。
分類 | FA用(屋内) | PA用(屋外) |
---|---|---|
目的 | 上下限制御 | 連続モニタ |
出力/測定 | 接点出力 | アナログ電流/電圧、通信機能 |
距離 | 〜2m | 60m以下 |
仕様 | DC電源 | 2線式 |
防爆 | なし | あり |
レベルセンサの種類や使い方については、以下の学習サイトをご覧ください。
生産設備の液面管理
クーラント液の量
製造業で一番多いレベルセンサの活用例がクーラント液の量など、タンク内に入った液体の液面測定です。そのほか作動油や潤滑油など、油脂類の液面測定でも用いられます。タンク内の液量は、透明のタンクなら液量を目盛りで確認できますが、不透明のタンクだと量の判断が難しく、透明なタンクでも汚れて見にくいということがありますのでレベルセンサでの液面測定が有効です。クーラント液や作動油などの液量を適切に保つことで設備を効率的に使え、トラブルを未然に発見しやすく、省エネ対策にもつながります。
従来のレベルセンサは汚れや泡立ち、結露などにより誤検知が起こっていました。
キーエンスのガイドパルス式レベルセンサ「FLシリーズ」は、液体の状態による誤検知がなく、常に安定した液面測定が可能です。切削粉が混入するような状況でも正確に検知し、水・油どちらでも使用でき、粘度に影響を受けることなくレベル測定ができます。
洗浄に使う薬液(洗浄液)の量
工場の洗浄工程では、さまざまな薬品を用います。この洗浄に用いられる薬液(洗浄液)の量を知るためにレベルセンサが用いられています。液面測定を行うことで薬液(洗浄液)の残量や使用量を正確に管理できます。従来のレベルセンサは金属製のものが多く、薬液には使用できませんでした。
キーエンスのガイドパルス式レベルセンサ「FLシリーズ」は、塩酸をはじめ、硫酸やフッ化水素など、あらゆる薬液に対応しています。薬液のほか、腐食液や粘性のある液体にも対応しているので、薬液(洗浄液)の種類を問わず安心して使用できます。