金属加工業界
溶けた金属を型に流し込んで成型する鋳造をはじめ、機械加工後に機械的性質を向上させる焼入れ・焼もどし、防錆や塗装の焼付処理など、金属加工の現場でも熱処理が積極的に活用されています。こちらでは、金属加工業界の熱処理工程における温度管理の事例について、キーエンス商品を活用したソリューションを交えてご紹介します。
鋳造品の均質保持炉(HO炉)の温度管理
鋳造品は、鉄やアルミなどを溶解炉で溶かし、溶湯の成分を保持炉(均質保持炉)で整えてから型に入れて成型します。保持炉では、脱ガスや介在物の除去、鋳造に最適な温度への調整などが行われますが、溶湯中に水素ガスなどが残っていると鋳造時にピンホールが発生して品質低下を招く恐れがあります。そこで保持炉の温度管理は欠かせません。また、保持炉の温度管理データは、品質を保証する証拠として常に記録しておく必要があり、紙媒体での記録および提出が義務付けられているケースも多くなっています。
キーエンスのプリンタ搭載タッチ型パネルレコーダ「TR-Hシリーズ」は、デジタルデータとチャート紙の両方に対応しており、2重にバックアップできるので紙詰まり・紙切れ・インク切れによる記録漏れのリスクが低減できます。もし紙切れになってしまっても、追いかけ打点機能を使えば後からチャート紙に記録することも可能。記録漏れによって品質が保証できずに起こるロットアウト、再熱処理による手間とコストを未然に防ぐことができます。
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加熱炉の温度記録
切削や研磨などの金属加工後に機械的性質を改善するために多種多様な加熱処理を行います。その際に使用される加熱炉は、炉内温度のほかに冷却水の水温や流量、雰囲気ガスの圧力や流量などを監視する必要があります。
キーエンスのタッチ型パネルレコーダ「TR-Wシリーズ」は、炉内温度の波形と同時に各種温度や流量、圧力などを1台で収集・記録できます。もし不良が発生しても、そのときの炉内温度や冷却水の水温や流量、雰囲気ガスの流量を記録しているので、データ提出や解析がスムーズに実施できます。プリンタ搭載タッチ型パネルレコーダ「TR-Hシリーズ」であればリアルタイムでの打点はもちろん、必要なところをあとからチャート紙に打点できるので効率的です。