樹脂・フィルム業界
樹脂製品は、成形後に残留応力の除去や物理的・科学的な安定化などを目的とした「アニーリング(アニール処理)」、硬化の促進や寸法精度安定を目的とした「アフターベーキング」などの熱処理を行います。また、樹脂を原料としたフィルム製品も同様です。そのほか射出成形や押出成形などの際に溶解した樹脂を取り扱うので温度管理は欠かせません。こちらでは、そんな樹脂・フィルム業界の熱処理工程における温度管理の事例について、キーエンス商品を活用したソリューションを交えてご紹介します。
粉末成形品の焼成炉の温度管理
樹脂製品の製造では射出成形が一般的ですが、フッ素樹脂など一部の樹脂製品は圧縮成形後に焼結を行うケースもあります。このような粉末成形品の焼成工程において、温度管理は経時変化の把握、異常の早期発見など品質を保つうえで重要な要素です。この焼成炉の温度管理は、樹脂製品に限らず、粉末冶金から製造される金属部品、セラミックなどでも重要です。
そのため品質を保証する温度データの記録は必須となっており、製品によっては紙での記録・保管が義務付けられるケースも多く、多品種を製造するラインでは管理に手間がかかっていました。
キーエンスのプリンタ搭載タッチ型パネルレコーダ「TR-Hシリーズ」は、デジタルデータと紙の両方で記録を残せ、必要なデータのみ印字できるので、多品種を生産するラインでも無駄なく記録が残せます。例えば、紙での記録が義務付けられている製品は印刷、紙での記録が義務付けられていない製品はデジタルデータのみで保管のように、簡単に印字切り換えができるのでインク・紙の無駄を削減でき、コストダウンにつながります。さらに後からでも任意のデータを印刷できるので紙への記録漏れも防げます。
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ゴム製品の熱処理工程データ取り
ゴム製品の熱処理工程には、「二次加硫」という工程があります。主にシリコンゴムの成形品で行われる熱処理で、他のゴム製品(フッ素ゴム、アクリルゴムなど)でも必要な場合があります。
ゴム成形品は、成形後に電気接点障害を引き起こす可能性がある「低分子量シロキサン」という成分が残留してしまいます。その低分子量シロキサンを除去する方法が「二次加硫」という工程です。低分子量シロキサンは揮発性なので、通常は200〜220°Cの高温で1〜4時間、製品によっては24時間以上加熱することで除去できます。
低分子量シロキサンの残留量が多いと電気接点障害の原因になるため、製品に応じた精度の高い温度管理が必要です。キーエンスのプリンタ搭載タッチ型パネルレコーダ「TR-Hシリーズ」は、温度をデジタルデータとして一括管理でき、分析が簡単にできることがメリットです。管理PCやネットワークに接続して監視・解析したり、必要な箇所を記録紙に印刷して保存したりすることも可能です。製品に応じて最適な温度管理と品質管理が実施できます。
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