セーフティドアスイッチ / セーフティドアセンサ
セーフティドアスイッチ / セーフティドアセンサは、安全柵のドアに取り付け、作業者の侵入を検知する安全機器です。スプリングロック方式やソレノイドロック方式に加え、扉ズレに強いフラット”マグネット”ロックタイプや、発塵の防止と摩耗粉の発生リスクがない非接触タイプもラインナップ。危険源の種類や設置条件に応じたアプリケーションに幅広く対応します。
商品ラインナップ
生産終了品
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GS-M シリーズ
フラットな電磁石とアクチュエーターにより「挿さずに」しっかりロックを実現。小型で扉ズレの影響を吸収する機構の為、簡単に設置が可能です。どこからでも見える大型表示灯で、ドアの状態が一目でわかるので、トラブル時の復旧時間が早まり、生産性を落としません。GS-Mシリーズにはヒンジ扉用 (GS-M50/90シリーズ) とスライド扉用 (GS-ML50シリーズ) があります。ヒンジ扉用には標準タイプ GS-M50シリーズ (保持力500N) と高保持力タイプ GS-M90シリーズ (保持力900N) があります。設置する扉によって選べるラインナップをご用意しています。
「電磁力」で簡単&確実にロック
従来
扉がズレるとキーが挿さらず閉まらない!
BeforeGS-Mシリーズ
「挿さずに」ロックするから“閉まらない”を解決!
After電磁力で強力ロック
キーレスのシンプル構造ながら電磁力のパワーで確実にロック。扉ズレにも大幅に強くなりました。
詳しくは、カタログ(PDF)をダウンロードしてご覧ください。 -
GS シリーズ
セーフティドアセンサ/ドアスイッチは、安全柵の扉やカバーなど可動式ガードの開閉確認に使用される安全装置です。セーフティドアセンサ「GSシリーズ」には、ロックタイプ(GS-50/70シリーズ)と非接触タイプ(GS-10シリーズ)があり、ロックタイプには、スプリングロック方式(GS-50シリーズ)とソレノイドロック方式(GS-70シリーズ)があります。いずれのタイプも堅牢かつ水や油が飛散する環境の中でも使用できる保護構造(IP-65/67/69K)でありながらスリムなボディ構造を実現しました。製造現場が求める使いやすさと生産性を落とさない信頼性に加えて最高の安全水準を実現したドアセンサです。
30mmのアルミフレームからはみ出さない“小型サイズ”
ロックタイプ・非接触タイプともアルミフレームにぴったりと収まる30×30 mm サイズのスリムなボディ。
詳しくは、カタログ(PDF)をダウンロードしてご覧ください。
レイアウトの自由度が高く、狭いスペースへの設置が可能です。
ロックタイプの取り付けは、本体にある取付穴を使って直接取り付けることができ、金具の製作や本体の設置・取付時間などを短縮することができます。また、ロックボルトのジョグ構造と金属ヘッド側の誘い込み構造により立ち上げ後に発生する扉ズレにも対応。耐水・耐油・耐衝撃。高い堅牢性を実現
一般的なIP67以外に、IP65/69Kもクリアした保護構造を実現。
詳しくは、カタログ(PDF)をダウンロードしてご覧ください。
またロックタイプでは、本体保持を一体機構とし、ヘッドに加わる衝撃をフレームに流すことで、耐衝撃性を向上。
非接触タイプでは、メタルボディを採用することで、耐衝撃性や取付強度が高くなりました。
セーフティドアスイッチ / セーフティドアセンサは、扉やガードが開いている状態、つまり安全が確保されていない状態では装置の動作や起動を許可しないインターロック装置として使用されます。さらに装置が稼働中に扉やガードを開けたくない場合は、ロック機能付きを選択します。
セーフティドアスイッチ / セーフティドアセンサ(インターロック装置)は機械安全を実現するための重要な要素であるため、関連する安全規格が多数存在します。代表的なものとしてISO14119やISO13849などがあり、これらに対応できる安全性能が要求されます。
セーフティドアスイッチ / セーフティドアセンサのメリット1:安全性と作業性を両立
セーフティドアスイッチ / セーフティドアセンサは、危険源と作業者を物理的に隔離することで安全を確保する安全柵やガードに使用されます。そのため、信頼性の高い安全対策が実現可能です。
装置のメンテナンスやトラブル対応など、危険源に接近しなければならない作業も存在します。そのため、扉や可動式ガードを用いて安全性と作業性を両立させるためのインターロック装置としてセーフティドアスイッチ / セーフティドアセンサが必要となります。
さらに、ロックタイプを使用すれば、装置稼働中に扉をロックすることで、リスクを低減したり不必要な装置停止を防止したりすることが可能です。
セーフティドアスイッチ / セーフティドアセンサのメリット2:用途に応じて使い分けできる2種の方式
ロックタイプのセーフティドアスイッチ / セーフティドアセンサには、スプリングロック方式とソレノイドロック方式の2種類があります。それぞれ用途や危険源の種類に応じて使い分けることができます。
スプリングロック方式は、スプリングの力によってロックをするため電源切断時にもロック状態を保持します。そのため大型ロボットや回転体など惰性によって即停止できない危険源からの保護に向いています。一方、ソレノイドロック方式はソレノイドの力でロックを行うため電源切断と同時にロックが解除されます。電源切断後、即停止できる危険源での人体保護や、人体保護ではなく製造プロセスの保護のためにロックが必要な用途に適しています。
このように、危険源の動作や特徴、種類に応じて使い分けることができ、目的とする安全対策を実施することができます。
セーフティドアスイッチ / セーフティドアセンサのメリット3:発塵防止と摩耗粉が出ない非接触タイプ
製品への異物混入を避けるため、発塵を防止したい場所では非接触タイプのセーフティドアスイッチ / セーフティドアセンサを使用します。このタイプは本体とアクチュエータが非接触でドアの開閉を検知できるため発塵のリスクはありません。
非接触タイプは、ロック機構がないため摩耗粉が出ません。このため、清浄な製造環境が要求されるクリーンルーム内の設備や食品業界などに向いています。表面に凹凸が少ないため、スイッチ本体やアクチュエータ部に異物が付着・堆積しにくいのも特長です。さらに、高い保護構造(IP-65/67/69K)で設備の洗浄にも対応可能です。
セーフティドアスイッチ / セーフティドアセンサの業界別導入事例
加工機の安全対策
加工機の安全対策では、加工部への侵入に注意が必要です。動作中の加工部に手を入れるなど、作業者のすばやい行動に対する応答が求められるため、加工機にはドアロックなどの対策が必要です。また、加工部に手を入れているときは、加工機の動作を低速にするなどの追加の安全対策も重要です。
加工機の扉に、スプリングロック方式のセーフティドアセンサ(GS-50シリーズ)を設置します。加工機を完全に停止すると、ロック解除信号が出力され、セーフティドアセンサが扉のロックを解除します。スプリングロック方式のセーフティドアセンサは、電源切断時にもロック状態を維持します。これにより、惰性で動き続ける加工機の安全が確保されるまで、作業者は侵入できません。作業者が扉を閉じると、加工機を再起動できるようになります。
スカラロボット(水平多関節ロボット)の安全対策
スカラロボットは、省スペース・高速動作を強みとし、組み立て工程など多くの分野で活躍しています。しかし、ケース内など狭いスペースに設置されるため、作業者がケース内で作業しているときに、ロボットが動作すると大変危険です。また、装置間搬送部への作業者の侵入も同様に危険です。
そこで扉の開閉は、セーフティドアセンサ(GSシリーズ)が監視。扉を開けるとロボットが停止し、インターロック状態になります。作業者がケースの外に出て、扉を閉じると、ロボットの起動が可能になります。装置間搬送部にはセーフティライトカーテンを設置すると、装置間搬送部に作業者が侵入している間、OSSDをOFFにします。ケース内での作業中、ロボットの起動操作は無効にできます。
カスケード接続によるメンテナンスコストの削減と時間の短縮
大きな装置で扉の数が多くなると、安全機器の個別配線はコントローラまでケーブルを個別に用意する必要があるため配線が複雑になります。また、トラブル時の診断方法に限度があるために不必要なダウンタイムが生じ、メンテナンスおよび修復のコストが増大するなどのデメリットがあります。
キーエンスのセーフティドアセンサ(GSシリーズ)は、有接点の非常停止スイッチとセーフティドアセンサをカスケード接続することが可能です。これにより、安全出力を一本化し入力点数を削減、省配線ができます。さらにカスケード接続していてもCategory4、PLe(ISO13849 1)などの安全規格に対応できます。(非接触30台、ロックタイプ25台まで)
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Q.セーフティドアスイッチ / セーフティドアセンサは、どのように使いますか?
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A.セーフティドアスイッチ / セーフティドアセンサは、装置の安全性を高め、リスク低減するための安全対策として用いられます。基本的な安全対策は、装置を柵などで囲うこと(隔離による安全)です。しかし、トラブル原因の除去やメンテナンスなどで装置に近づく場合は、扉の開閉を確認して装置を停止させ、柵内への侵入を許可します(停止による安全)。このとき、扉の開閉を確認するためにセーフティドアスイッチ / セーフティドアセンサを使用します。
たとえば、セーフティドアスイッチ / セーフティドアセンサは、装置が動作していると扉を開けることができないようにロックしますので、作業者が装置の電源を切らずに扉を開けて柵内に侵入するという誤操作による危険を防止するために使用することができます。 -
Q.ソレノイドロックとスプリングロック方式の使い分けは?
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A.ソレノイドロック方式は電源切断時にロックを解除、スプリングロック方式は電源切断時にもロック状態を維持します。したがって、ソレノイドロック方式は扉を開けると機械がすぐに止まるような惰性のない装置や、安全距離を確保できる場合に使用します。一方、スプリングロック方式は電源切断後もバネの力でロック状態を維持するので、ロール機など惰性のある機械で人の安全を確保する場合に使用します。また、ソレノイドロック方式は故障するとソレノイドに電力が供給されなくなるため、ロックがただちに解除されます。スプリングロック方式は電源が切れていてもロック状態を維持します。このため、スプリングロック方式は停電時の安全対策にも使用できます。
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Q.コード化レベルとは?
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A.ISO14119は「機械類の安全性-ガードと共同するインタロック装置-設計および選択のための原則」で、ドアスイッチなどのインターロック機器の設計や選定に関する規格です。その中で、コード化アクチュエータの区分(レベル)は以下のように定義されています。
・Lowレベル:コードパターン=1~9種類
・Mediumレベル:コードパターン=10~1000種類
・Highレベル:コードパターン=1001種類以上
GSシリーズは、特定のアクチュエータをティーチングすることでコード化レベル「Highレベル」に対応しているので、1000種類を越えるパターンを持つことができ、設計上の制約を最低限に使用していただくことが可能です。
機械設備の安全規格やリスク管理に関するサイト。国際規格ISOや産業用ロボットの安全対策、安全機器の機能や選び方についても学べます。
危険源への「侵入の検知」と危険区域の「存在の検知」を中心に、安全機器を用いた安全対策の事例を紹介します。
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安全規格全般からリスクアセスメントやパフォーマンスレベルといったISO・JISが定める安全について説明しています。安全機器を導入する前に、まずこの資料をお読みになり、安全に対する社会の動向を把握されることをお勧めします。
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省配線・省スペース化や安全機器の状態の見える化などを実現したGCシリーズ。そのメリットをコンパクトにまとめました。多くのコントローラの中から「GCシリーズ」が強く支持され信頼される理由を紹介します。
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産業用ロボットの普及を促進した「80W規制の緩和」と、安全対策の関係を紹介しています。80W規制の緩和でできるようになったこと、ロボットとの協働を実現するにあたり採るべき安全対策などを学ぶことができます。
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事故が発生する要因として多い、人が柵の中にいる状態で設備を起動(再起動)。大きな設備になると死角が増え、そこに人がいることに気づけない場合があります。このような柵内居残りを検知する安全対策の紹介です。
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今や製造現場に欠かせない産業用ロボット。一方で産業用ロボットによる人身事故は絶えません。この冊子は、その原因を追究し対策を考える考察系技術資料です。製造現場の安全対策ご担当の方は、ぜひ、ご一読ください。