N.A.
デジタル顕微鏡ズームレンズの性能 ― 開口数(N.A.)
開口数(N.A.)とは、Numerical Apertureといい、N.A.と略されています。
N.A.は、光学系の明るさや解像力を表す数値です。
光軸上の物体が入射するレンズの有効系θとした定義を示します。
(N:物体周囲の媒体の屈折率/空気の場合は1)
N.A.=Nsinθ
光には、波のように拡がる現象があり、回折といいます。
このことにより、収差のない高性能レンズを使用していても、像は1点に集めることができず、円盤状に拡がります。開口(N.A.)は、収差のない場合の集光限界を表しているのですが、これは、光が波の性質を持つことによるとされ、この限界値を回折限界といいます。
また、この円盤状の波のことをエアリーディスクといいます。エアリーディスクの半径(波幅)rは、以下の数式で表されます。
(λ:光の波長/N.A.:開口数/0.61:定数)
r =0.61 λ/N.A.
この数式によって割り出された値を「分解能」といいます。この数式によると、開口数(N.A.)が大きいほど、エアリーディスクの半径が小さく、つまり、開口数(N.A.)が大きいほど像はシャープに再現されることになります。
これらは、レンズを評価する上での共通の値となっています。