成形品の形状欠陥・不良
樹脂(プラスチック)成形品の形状欠陥・不良は、成形品の寸法精度が設計と異なる、凹凸やそり・樹脂のはみ出しなど多種多様です。これらの現象にはそれぞれ原因があります。
バリ
- [現象]
- 成形品の分割線(パーティングライン)から樹脂がはみ出している。
- [原因]
- 金型を使った成形で、分割線から樹脂がはみ出しています。射出圧力が高い・型締め力が不足している・樹脂の量が多いなどのほか、金型がひずんでいる可能性があります。
ヒケ(シンクマーク)
- [現象]
- 成形品の表面がくぼんでいる。
- [原因]
- 溶融樹脂は、金型内で冷却・固化する際に収縮します。そのため、金型内の樹脂の絶対量が不足します。なお、「ヒケ」が成形品の内部に現れる現象は、「気泡(ボイド)」または「内ヒケ」と呼ばれます。
ショートショット
- [現象]
- 成形品の一部が欠けて不完全な形状になる。
- [原因]
- 樹脂が金型のキャビティの末端部まで到達するまでに、冷却・固化した状態です。その主な原因として、樹脂の量・射出圧力の不足、また、樹脂の金型内への流入がスムーズでないことが挙げられます。
そり
- [現象]
- 成形品が一方向に歪んでいる。
- [原因]
- 成形品を金型から無理に取り出すなど、離型時に加わった外力により変形します。ほかに、流動方向による溶融樹脂の収縮率の違いも原因となります。
ゲート残り
- [現象]
- 切断後、成形品のゲート部分に固化した樹脂が残る。
- [原因]
- ゲート部分が固化していない場合、ゲートの切断位置が不安定になります。それにより、切り取り後の成形品のゲート部分に、固化した樹脂が残ります。対処方法として、射出時間や型開き速度の調整などがあります。