成形条件管理:

装置の状態確認と予知保全

樹脂(プラスチック)成形機は、各工程を実行する複数の機構で構成されています。成形品の品質を維持するには、装置のメンテナンスが欠かせませんが、点検・保守の対象箇所は多岐に渡ります。

課題:装置のメンテナンスを効率化したい

樹脂成形機には、スクリューの安定回転に欠かせないモータ、成形材料の可塑化に欠かせないヒーターや加熱シリンダ、型締めに負荷がかかる油圧シリンダなど、重要な保守対象箇所が複数あります。そのため、定期メンテナンスでは、多岐に渡る項目の点検・保守により、本来不必要だった工数や装置停止時間が生じることが課題でした。

解決:データロガーで複数データを記録・分析し、予知保全にも活用

たとえば、重要な機構の1つであるスクリューの回転数が、加熱シリンダー内の摩擦抵抗によって減少すると、モータに負荷がかかり電流値が上昇します。その電流値を測定することで、スクリューの回転抵抗が確認できます。また、装置の状態確認にはモータの温度計測も重要です。
こうしたデータの収集・分析には、マルチ入力データ収集システム「NRシリーズ」の導入が有効です。豊富なラインナップの「計測ユニット」と組み合わせることで、型締め機構の油圧シリンダーや金型の温度など、複数の計測データを同時に記録可能です。
NRシリーズ」で収集したデータをパソコンに送ることで、データ分析が可能です。これにより、装置の状態確認のほか、蓄積したデータを予知保全に活用することもできます。従来の定期メンテナンスと異なり、必要なタイミングで必要な箇所を効率的に保全できるため、メンテナンス工数の削減と品質維持の両方が実現します。

データロガーを用いた、複数データの記録・分析例

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