CHAPTER 3測定機の種類と特徴

ノギス/ハイトゲージ(デプスゲージ)

概要

ノギスは、長さ(外形)の測定をはじめ、内径や段差などを測ることができる測定器です。取り扱いが簡単で比較的精度の高い測定が可能であることから、物づくりの現場で広く普及しています。最近はデジタル式のノギスを目にする機会が増えています。
一般に使用されているノギスは、M型ノギスと呼ばれるもので、これに対して大物を測るのにBC型ノギスがあります。

用途と測定方法

  • 長さ(外形)の測定…測定対象をジョーではさんで、メインスケールとバーニアスケールの値を読みます。
  • 内径の測定…測定対象の間にクチバシを差し込み、隙間ができないように広げて測定します。
  • 段差の測定…デプスバーもしくはステップを用いて、穴や段差に差し込んで測ります。

ノギスの主な使い方

  1. 測定時はメインスケールの部分を握りながら、親指でスライダーを動かし、ジョーの両端で対象物をはさみます。このとき、スライダーを強く押しすぎると、ジョーが傾いて正確に測定できません。また、円筒形を測定する際はジョーの平行面でしっかりはさみます。
  2. ノギスの目盛りは、メインスケールとバーニアスケールの組み合わせで読み取ります。バーニアスケールはメインスケールの一目盛りを20分割したもので、0.05mm単位まで測定できるのが一般的です。
  3. バーニアスケールは、左から見ていって、メインスケールの目盛りと重なっている箇所で読み取ります。

取り扱いの注意点

  • 測定時、スライダーに必要以上の力を加えすぎると、ジョーがたわむことで誤差が生じる恐れがあります。
  • 目盛りがゼロの状態で、ジョーの合わせ目から光が漏れない状態が正常です。
  • 特にクチバシやデプスは取り扱いが乱暴だと変形などを生じやすいので、注意が必要です。
  • 定期的に測定精度が合っているかの確認をしましょう。簡単な方法としては、ブロックゲージで測るのが便利です。
  • ノギスおよびハイトゲージ、デプスゲージの校正周期は、6か月~2年です。

ハイトゲージとデプスゲージ

ハイトゲージおよびデプスゲージは、ノギスの仲間といえます。ハイトゲージは、ダイヤルゲージと組み合わせることで高さの測定を行うことができます。一方、デプスゲージは段差の測定に用います。

ハイトゲージ
ハイトゲージ
デプスゲージ
デプスゲージ

接触式測定器具の課題と解決

測定の安定性
ノギスなどは人の力加減やスキルの違いなど、人によるバラつきが生じる。
測定値に影響する対象物のバリやゴミ付着は、目視で確認が必要。
対応力
ゴムや樹脂など柔らかい素材の場合、接触式では対象物が変形してしまい、測定精度に影響してしまう。
狭小、微少な箇所は測定器具の接触子を当てにくく、測定できない場合がある。
工数・コスト
測定箇所ごとに、接触させて測定する必要があるため、時間がかかる。また、人の経験やスキルよって作業時間が異なる。
接触式測定器具の多くは、測定箇所ごとに数値を紙やパソコンに転記する必要があるため、記録に時間がかかる。

接触式測定器具の課題解決

ノギスやハイトゲージなど接触式測定器具におけるこれらの課題を解決するには、「画像寸法測定器」の使用が最適です。
ステージに対象物を置いてボタン押すだけで、対象物を判別し、非接触で瞬時に測定可能なため、人によるバラつきをなくすと同時に、工数を大幅に削減することができます。

測定器ナビ トップへ戻る

設備の挙動を数値化・監視が可能