CHAPTER 6測定機の課題と解決

三次元測定機の課題と解決

一般的な門型の三次元測定機を用いた測定におけるさまざまな課題と、小型なハンディプローブ三次元測定機「XMシリーズ」の導入による解決例を紹介します。使う場所や人を選ばず、手軽に使える2台目の三次元測定機として、また、別拠点・海外拠点への低コスト導入にも最適です。

三次元測定機の課題解決

測定環境と安定性

課題

三次元測定機で、安定して測定するには温度管理された測定室が必要です。また、精度良く測定するにはウォームアップ時間が必要となります。そのため、急いでいる場合でも、すぐには安定した測定をすることができません。

ハンディプローブ三次元測定機で解決

ハンディプローブ三次元測定機「XMシリーズ」は、カメラヘッドをステージから切り離し、専用ポールや三脚に設置することが可能。ポータブル仕様なので測定室を必要とせず、現場や事務所などさまざまな使用環境で安定した測定が可能です。

ハンディプローブ三次元測定機で解決

測定室不要。小型でさまざまな環境に対応

温度10〜35°C、湿度20〜80%での動作が可能なため、測定室は不要です。小型なため、現場の測定台や加工機の横、事務所や設計室などに置いて使用できます。また、必要に応じて手軽に使用場所を移動することができます。

測定室不要。小型でさまざまな環境に対応
POINT

安定した測定を現場のハードな環境で実現

独自のコンセプトである「どこでも使える三次元測定機」を実現するため、測定部位の材料と機構設計に徹底的にこだわりました。
手で持って使用するハンディプローブは内部に石英ガラスを使用。カメラ部分には独自設計のレンズと鏡筒部を採用しています。

安定した測定を現場のハードな環境で実現

一般的な三次元測定機は測定部(ブリッジ)にホコリや汚れが入らないようクリーンな環境が必要です。そこで、XMシリーズはデリケートなブリッジ部を廃し、最新の光学原理を駆使することで、現場のハードな環境での使用に対応しました。

安定した測定を現場のハードな環境で実現

さまざまな測定への対応

課題

三次元測定機は、一般的に初心者には難解なインターフェース上で、難易度の高いコマンドによるプログラムや操作が必要となります。また、測定部位を変更する度にプローブのキャリブレーション作業が生じます。
多様な対象物や測定箇所、測定内容に対応するには、慣れた担当者に頼らざるを得ません。限られた測定機と人材を確保しなければならないことも大きな課題といえます。

ハンディプローブ三次元測定機で解決

ハンディプローブ三次元測定機「XMシリーズ」は、複雑な設定や専門的なプログラミング不要。わかりやすい測定メニューにより、三次元測定機に不慣れな人でも簡単に測定が可能です。

わかりやすい測定メニュー

要素項目をタブごとに集約。例えば、使用頻度の高い平面・直線・点・円筒・円・円錐・球といった基本的な要素項目は「基本測定」のタブから選べ、各要素には動画による操作フローを確認できます。
ほかにも「補助要素」や「幾何公差」、「簡易測定」、「座標系」のタブから測定要素を選ぶことができるため、目的の測定をスムーズに実行することができます。

基本測定タブの画面
基本測定タブの画面

測定手順の例[円の中心間距離の測定]

STEP1
平面平面
  1. 基準平面を測定
STEP2
円
  1. 「円001」を測定
  2. 「円002」を測定
STEP3
距離距離
  1. 「距離」要素で「円001」と「円002」を選択すると中心間距離を表示
POINT

画像を見ながら当てるだけ。直感的な測定を実現

画像を見ながら当てるだけ。直感的な測定を実現

プローブ先端に搭載した小型カメラと3D画像が連動することで、リアルタイムで測定箇所・要素名・測定結果を表示することができ、撮影画像と3D画像を合成することも可能です。これにより測定箇所や測定結果を一目で把握できます。

プローブカメラ画像
プローブカメラ画像
3D画像
3D画像
合成画像
合成画像

導入と作業効率

課題

門型の三次元測定機を新たに導入するには、測定室の広いスペースと建設費用も要するため、巨額のコストがかかります。また、複数のプロジェクトを同時進行している現場では、測定機と測定できる人材を確保することは容易ではありません。
例えば、製造条件を変更した複数の試作品を小刻みに繰り返し測定したい場合でも、待ち時間が発生してしまうことは珍しくありません。

ハンディプローブ三次元測定機で解決

ハンディプローブ三次元測定機「XMシリーズ」は、測定室を必要としないため、最小限のコストで新規導入や追加導入が可能です。
また、現場での使用にも対応し、専任者でなくても、繰り返し測定を効率よく行うことができます。

繰り返し測定の作業効率を向上する、ナビゲーション測定

モニタに映る合成画像に、測定手順を表示できる「ナビゲーション測定画面」を見ながらプローブの先端を当てるだけで、誰でも「同じ箇所」を「同じ手順」での繰り返し測定が可能です。また、対象物のOK/NGを自動判別できるため、作業効率を大幅に向上することができます。

「ナビゲーション測定画面」の表示例
現在位置の表示(測定中のプローブ先端位置の表示)
測定点の表示(次に測定する点が点滅)
距離インジケータ(次に測定する点と現在地の距離をバーグラフで表示)
測定後の公差判定画面
各測定箇所の測定結果が公差内かどうかを自動判別し、各部分のOK/NGの判定をモニタに表示します。
NG部分とその数値も同時に確認することができます。
POINT

ドキュメントの自動作成で工数を大幅削減

測定時にカメラで撮影画像を活用した、わかりやすい「検査証明書」や「作業手順書」の自動作成機能を標準装備。
測定箇所と測定内容を自動的にレイアウトするため、これまでドキュメント作成にかかっていた工数を大幅にカットします。

ドキュメントの自動作成で工数を大幅削減
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