CHAPTER 1

切削工具パラメータ ISO 13399

1990年代にスウェーデンのサンドビック社、米国のケナメタル社が中心になって規格制定を進めてきた、切削工具の表現と交換に関する国際規格です。

ISO13399とは

ISO13399では、切削工具の製品情報やデータベースの構築方法、CADデータの作成に関する規定などを全世界の切削工具に同一のパラメータで定義づけています。

ISO13399の現状

現在、メーカーから提供されている工具の3次元データは規格が統一されていないため、CAD/CAM上で組み合わせる場合、データ変更などの調整が必要です。この作業には多くの工数が必要で、場合によっては調整できないデータも存在します。しかし、ISO13399の規格で統一されれば、各社のデータを同一かつ簡単に扱うことができるようになるため、設計から製造の各工程までシステム間の情報通信をスムースに行うことが可能になります。

ISO13399の今後

ISO13399に準拠したデータが普及することは、これまで高度な加工知識が必要であった工具選定を誰でも簡単にできるようになることを意味します。そして、ISO13399の取り組みが進むことで最も影響を受けるのは、中規模メーカーと試作品から小ロットの加工を担っている小規模工場であることが予想されます。

最近では、CADやCAMなどの社内設備をネットワークに接続し、加工データの蓄積を最重要課題として取り組んでいる中小規模の工場は珍しくありません。

このような状況から、今後は工場の規模を問わずCADやCAMをネットワークで接続したFAシステムを活用していく上で、ISO13399への取り組みに自社の独自のノウハウや職人の知恵をどう反映させるかということが、製造業各社の課題になっていくでしょう。

パラメータの定義(ISO13399の記号集)

すでに、切削工具のカタログ表記やCADデータの表記には、ISO13399に準じた記号に移行している例も見られます。
このような取り組みは、今後一層普及することが予想されます。
ここでは、ISO13399で定義されている記号(パラメータ)とその意味を紹介します。

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