電荷とクーロンの法則

電気を起こす基となる電荷について、少し掘り下げてみていきましょう。ここでは、電荷とは何か?といった基礎知識から、クーロンの法則を使った電荷量の求め方まで、詳しく解説します。

電荷とは

電荷とは帯電したものが持っている電気の量のことをいいます。陽子に比べて電子が多いと-、電子が少ないと+となります。記号はQ、単位はC(クーロン)で表します。2つの電荷量をQ1、Q2、距離をr[m]、両電荷間に働く力をF[N]とすると、クーロンの法則は次の式で表されます。

数式

一般の媒質中では、以下となります。(但し、εsは媒質の比誘電率。)

数式

クーロンの法則

帯電した物体同士が近づくと、同じ極性の静電気は反発し合い、違う極性の静電気は引き付け合うというような力が働きます。
この時に発生する電気的な力を「クーロン力」(単位は[N])といい、その電荷量と力の関係が「クーロンの法則」により示されています。

数式

大きさが測定できないような極めて小さな物体に帯電している電荷を点電荷といい、真空中に電荷量Q[C]の点電荷Aに電荷量Q’[C]の点電荷Bが接近し、その距離をr[m]としたときに、クーロンの法則で静電気力Fを計算すると、BとAの距離r[m]の2乗に反比例し、Aの電荷量とBの電荷量の積に比例することになります。

比例定数で、ε0は真空の誘電率(8.85×10-12[F/m]:ファラッドパーメートル)とよばれる定数です。
このクーロン力は、2つの電荷が同極性の場合は反発力、違う極性は吸引力となり、これを重力の加速度9.8[m/s2]で割ると[kg]になります。

【例】

2つの点電荷1[C]とー1[C]、その距離が1[m]のときの静電気力(F)は、式の通りになります。

これによると、約100万トン重の作用力となり、つまり、100万トンの重量物を持ち上げる力に相当します。この1クーロン[C]という単位はあまりに大きすぎるもので、現実的には、1[m]4方の高分子フィルムを摩擦帯電させたときの帯電量、約10-5[C]程度が用いられることになります。

【クーロンの法則】

クーロンの法則の発見は、ギリシャ時代の哲学者タレス(Thales BC.640-546年)だといわれているが、この説を正式に法則化したのが、クーロン(1739-1806年)であり、1785年に発表されている。

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