キーエンスの除電器(イオナイザ)の特長

キーエンスの除電器(イオナイザ)は、高速かつ強力な除電性能はもちろん、見えない静電気の状態の「見える化」や基本性能の持続性、メンテナンス性、初期設置や段取り替えでの設定の簡易さなど、「現場目線」で開発された機能が数多く盛り込まれています。
ここでは、そんなキーエンスの除電器(イオナイザ)ならではの特長を解説します。

特長1:独自方式による高速除電・最適状態の維持

静電気測定器ではプラスかマイナス、どちらの極性に帯電しているかを大まかに測定できますが、電気が流れない絶縁体を含む表面の場合、正確に測ることができません。実際には、対象物の部分ごとに異なる極性・帯電圧の静電気が混在しています。

キーエンスだけの「I.C.C.方式(Ion Current Control)」とは
A
対象物の静電気をチェック
(内蔵センサで帯電状況をセンシング)
B
反対の極性のイオンを発生させて中和
(帯電状況に応じたイオンを最適量供給)

図の「A」の状態を静電気測定器で測定すると、プラスの静電気のほうがより多いため、測定結果は「プラス」になります。しかし、厳密にセンシングするとプラスだけでなく、マイナスに帯電している部分も混在していることがわかります。

キーエンス独自の「I.C.C.方式」は、対象物の帯電状況を正確にセンシングし、図の「B」のように、帯電状況に最適なイオンを最適量作り出すよう自動制御(I.C.C.制御)することで、効率良く確実に対象物の静電気を中和することができます。

キーエンス独自の「I.C.C.方式」がもたらす、代表的なメリットを3つ紹介します。

メリット1:除電スピードが速い

対象物のセンシングと自動制御により、マイナスに帯電している部分にはプラスイオンの割合を多く、プラスに帯電している部分にはマイナスイオンの割合を多く供給します。無駄のない高速除電により、フィルムやシートといった高速に流れる対象物に対しても、オンラインで高速かつ正確に除電することができます。

メリット2:イオンバランスの初期調整が不要

通常、除電器(イオナイザ)を設置・使用する際、イオンバランスの調整が必要です。設置する距離や供給するエアの量、イオン極性を切り換える周波数によって、対象物に届くイオンのバランスが左右されるためです。

パルスAC+I.C.C.制御
イオンバランスの初期調整が不要

パルスAC方式の電圧印加と、独自の「I.C.C.制御」を組み合わせたキーエンスの除電器(イオナイザ)は、一度対象物の帯電を0 V(中和状態)にすれば、プラスイオンとマイナスイオンの比率を自動でコントロールし、中和状態を維持します。初期設置時の測定や調整が不要なため、初期導入や段取り替えの際、すぐに最適なイオンバランスでの除電が可能です。

メリット3:最適な状態をそのまま保つ

除電器(イオナイザ)は使用するにつれ基本性能が劣化します。「I.C.C.制御」は、対象物の帯電状態のみならす、電極針の先端の汚れなどの状態も考慮し、無調整で対象物のイオンバランスを0 V(中和状態)に維持します。

特長2:見えない静電気を「見える化」

一般的に、帯電状態(帯電の極性や量)を測定するには、静電気測定器が必要です。しかし、対象物のすべての箇所に静電気測定器を配置し、状態監視することは現実的ではありません。
キーエンスの除電器(イオナイザ)には帯電状況や、供給しているイオンの量やイオンバランスを「見える化」するためのモニタが搭載されています。つまり、除電器(イオナイザ)を設置した箇所は、別途測定器を使用することなく、本体あるいはリモコンで対象物の帯電状態や除電状況をひとめで確認することができます。

通常運転時
通常運転時
見えない静電気を「見える化」
例 : 対象物がプラスに帯電時

特長3:メンテナンス工数を削減

ブロア(ファン・扇風機)タイプを除き、キーエンスの除電器(イオナイザ)の除電針は、クリーンで乾燥したエアを供給することで除電針の針先が空気のバリアで覆われ、ゴミやガスを含む外気から保護する構造です。この構造により針先への「異物付着=汚れ」を極限まで低減します。これにより、従来から課題となっていたメンテナンス工数とそれにかかるコストが大幅に削減できます。

メンテナンス工数を削減

SJ-Eシリーズ」の電極針は、キーエンスが開発した「Supersonic構造」を採用しています。超音速エアの衝撃波による針先の保護はもちろん、音速を超えるイオンと極小流量で世界最速除電を実現しています。

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