静電気対策用品
その他の静電気対策を紹介します。いずれも電気を通しにくい絶縁体に対し、電気を通しやすい条件を与える手法です。それにより、静電気の発生や悪影響を防止します。
帯電防止スプレー
帯電防止スプレーの原理
対象物にスプレーを吹き付けて使用します。
スプレーには界面活性剤という成分が含まれています。界面活性剤は水分と対象物をなじませやすくするはたらきがあります。
スプレーすると界面活性剤のはたらきにより、対象物が周囲の空気中にある水分を吸収し、表面に電気が流れやすい状態を作ります。これにより静電気が発生しにくい状態になるのです。
帯電防止スプレーの事例
手軽に使うことができるので、製品ラックに置いた製品が帯電しないように吹きかけたり、パーツフィーダの横に置いて部品が詰まったときに吹きかけて詰まり解消に使用したりします。
- 【特長】
- 手軽に簡単に静電気対策ができる。
- 【注意点】
- 効果が長続きしない。
対象物の表面状態を変えるおそれがある。
導電体が練りこまれた絶縁体(導電化)
導電化の原理
本来は絶縁体である物体に、製造工程でカーボンや金属などの導電体を練り込み、製品に電気を通す性質を持たせます。
- 絶縁体の場合
- 導電体を練りこむと・・・
導電化の事例
主に、電子回路の基板や電子部品を入れる保存袋に用いられます。
絶縁体であるプラスチック製の袋は、そのままでは静電気をためこんでしまう性質があります。しかしここに導電体であるカーボンを練りこむことで、袋自体が静電気を逃がす役割を担い、ホコリの吸着など、静電気による悪影響を防止します。
- 【特長】
- 導電体と同じようにアースを接地することで静電気対策が可能。
- 【注意点】
- 製品に練り込むため、製品仕様が変わってしまうおそれがある。
通常品に比べコストが上がる。