静的試験と動的試験

材料試験には、一定荷重あるいは一定変形ごとに加力を止め、材料(試験片)のひずみや変形の度合いを測定する「静的試験」と、実際に材料が受けると想定される力を材料に加える「動的試験」に分類されます。
材料の性質には機械的性質の他、電気的性質や化学的性質など多くの種類があり、材料試験にはこれらの試験も含まれますが、単に材料試験という場合は機械的性質の試験を指すことが一般的です。
ここでは、材料試験を大きな分類である「静的試験」と「動的試験」、それぞれに属する材料試験の種類について説明します。

静的試験

静的試験は、材料に対してゆっくりと力を加えていき、一定変形ごとに加力を止め各部のひずみや変形の度合いといった機械的性質を測定する試験方法です。
時間や加力速度の影響を受けないことを前提としているため、遅い速度で加力することが一般的です。試験法には、引張・圧縮・せん断・ねじり試験やクリープ・リラクセーション試験などがあります。

動的試験

動的試験は、加力時間や速度・周波数などの差による影響を考慮し、実際に材料が受けると想定される力によるひずみや変形の量などの動的性質を測定します。
静的試験に比べて速い速度で繰り返し力を加え、疲労や衝撃による破壊を測定することが一般的です。試験法には、衝撃・疲労や摩擦・摩耗・発熱試験などがあります。

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