応力とひずみの関係
例えば、金属の試験片を引っ張った場合、ひずみが小さい間は引っ張ることをやめると試験片は元の形状に戻ります(弾性)。このとき、応力とひずみは比例関係になります※1。そして、この応力とひずみの比例の法則を「フックの法則」といいます。
ここでは、フックの法則やヤング率・応力ひずみ曲線について説明します。
- 材料によっては比例しない場合もあります。
フックの法則とヤング率
フックの法則が成り立つ区間を「弾性域」といいます。弾性域における線の傾きを「ヤング率」※2といい、「E」で表します。この傾きが緩やかであるほど、柔らかい材質であるといえます。ヤング率は材質によって決まった定数であり、フックの法則は以下の式で表されます。
- 「縦弾性係数」「弾性率」ともいいます。
フックの法則σ=E×ε
σ:応力
E:ヤング率
ε:ひずみ
応力ひずみ曲線
試験の開始から破断に至るまでの、応力とひずみの関係を表したグラフを「応力ひずみ曲線」といいます。
金属の試験片を引っ張って、ひずみが大きくなると、元の形状に戻らなくなります。元の形状に戻らなくなる点(限界点)を「降伏点」 (A)といい、以降フックの法則は成立しなくなります。
また、降伏点を超えた領域を「塑性域」 (B)といいます。
降伏点を超えて、さらにひずみを増やしていくと、応力は下がります。この点を「下降伏点」 (C)といいます 。下降伏点を超えてひずみを増やしていくと、応力が最大(最大応力)になります (D)。この点を「引張強度」 (E)といい 、やがて試験片は破断(F)します。
- A:降伏点
- B:塑性域
- C:下降伏点
- D:最大応力
- E:引張強度
- F:破断