レーザスキャナの設置と安全距離

ここでは、レーザスキャナの設置と安全距離について説明します。

セーフティレーザスキャナSZを使用する国または地域の規格、規制、法律、および本書の規定に従った正確な安全距離を算出し、その安全距離が確保できるように保護領域を設定しなければなりません。

安全距離の計算方法

存在検知の例(保護領域に水平に侵入する場合)

  • 上方から機械を見たとき
    上方から機械を見たとき
  • 側面から機械を見たとき
    側面から機械を見たとき

S=K×T+C+A<ISO13855およびIEC61496-3より>

  • S:安全距離(mm)
  • K:身体または身体の一部の接近速度(mm/秒)
  • T:全応答時間(t1+t2)(秒)
  • t1:SZの応答時間(秒)
  • t2:SZのOSSD信号を受けて機械が停止するまでにかかる最大停止時間(秒)
  • C:SZの保護領域に侵入する前に身体の一部が危険区域に接近する距離(mm)
  • 1200-0.4×H ただし、850mm以上であること
  • H:床などの基準面から検出面までの高さ(mm) 1000≧H≧15×(d-50)
  • d:SZの最小検出体(mm)
  • A:保護領域追加距離(mm)

P1、P2、P3:SZの保護領域として設定する距離
W1、W2:危険区域の幅
B:危険区域の端からSZの検出領域原点までの距離
D:検知できない隙

危険

  • SZが検出できない隙間(D)から機械の危険区域に侵入できないようにするため、この隙間(D)が最小検出体サイズ未満となるようにSZを設置してください。SZにより検出されずに最小検出体が保護領域と周辺の構造物との隙間(D)を通過できる場合、追加の安全防護策が必要です。
  • 床から検出面までの高さHが300mm(非産業用途の場合には200mm)を超える場合、検出面より下に存在する空間(隙間)を通過して危険区域に侵入できるリスクがあります。SZを設置される際に実施されるリスクアセスメントの際は、この点を必ず考慮に入れ、必要に応じた追加の対策をしてください。
  • 150mmの最小検出体サイズを選択すると、基準面から検出面までの高さHが1,000mmを越えてしまいます。存在検知用途(保護領域に水平に侵入する場合)でSZを使用する場合、最小検出体サイズは必ず70mm以下の設定としてください。

安全距離の計算方法

  • K=1600mm/s 身体または身体の一部の接近速度(一定)
  • T=t1+t2=0.59秒 全応答時間
  • t1=0.09秒 SZの応答時間(変更可能)
  • t2=0.5秒 SZのOSSD信号を受けて機械が停止するまでにかかる最大停止時間
  • C=1200-0.4×H=1080mm
  • H=300mm 床から検出面までの高さ。H≧15×(d-50)を満足しなければなりません。
  • d=70mm 最小検出体サイズ(変更可能)
  • A=100mm SZの保護領域追加距離
  • B=59mm 危険区域の端からSZの検出領域原点までの距離W1=W2=1000mm 危険区域の幅

安全距離

S=K×T+C+A
=1600×0.59+1080+100=2124mm

保護領域として設定する距離

P1=S-B=2065mm
P2=S+W1=3124mm
P3=S+W2=3124mm

上記の保護領域を設定したときに、保護領域の境界から1.5m以内に高反射率背景が存在する場合は、P1、P2、P3の値に追加安全距離としてさらに200mm足してください。設定した保護領域が周囲から確認できるように、床などに保護領域を示すマーキングをおこなうことを推奨します。

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