PL(パフォーマンスレベル)
ISO13849-1:2006によって定められたPL(パフォーマンスレベル)の定義や、その評価基準となるPLr(要求パフォーマンスレベル)の3つパラメータを評価例とともに解説します。
PLrとPL(ISO13849-1:2006より)
機械の安全機能(Safety Function)を実行する部分を「制御システムの安全関連部」と呼び、この安全関連部の能力を規定するために用いられる区分レベルを「パフォーマンスレベル(PL)」と呼びます。安全関連制御システムのPLは、常に要求パフォーマンスレベル(PLr)と同等かそれ以上であることが求められます。手順としてはまず、評価の基準となる要求パフォーマンスレベル(PLr)を決定します。続いて4つのパラメータ((1)カテゴリ (2)MTTFd (3)DCavg (4)CCF)から実際の安全関連制御システムのPLを決定します。
パフォーマンスレベル (PL) |
単位時間当たりの危険側 故障発生確率(PFHd)1/h |
---|---|
a | 10-5以上10-4未満 〈0.001%~0.01%〉 |
b | 3×10-6以上10-5未満 〈0.0003%~0.001%〉 |
c | 10-6以上3×10-6未満 〈0.0001%~0.0003%〉 |
d | 10-7以上10-6未満 〈0.00001%~0.0001%〉 |
e | 10-8以上10-7未満 〈0.000001%~0.00001%〉 |
PLrの求め方
まず評価基準の要求パフォーマンスレベル「PLr」を決定します。これは「S」「F」「P」3つのパラメータから決定されます。
- 傷害のひどさ(Severity of Injury)
- S1:軽症
S2:重傷(回復不能、死亡など) - 危険源への暴露の頻度及び/または時間(Frequency and/or Exposure to Hazard)
- F1:まれ~低頻度、さらされる時間が短い
F2:高頻度~連続、さらされる時間が長い - 危険回避または危害の制限の可能性(Possibility of Avoiding Hazard or Limiting Harm)
- P1:特定の条件で可能
P2:ほとんど不可能
評価例
傷害が重傷(S2)で、頻度がまれ(F1)、回避することが可能(P1)であれば、PLrは、“c”となります。