工作機械業界
これまでは工作機械と産業用ロボットの間に明確な違いがありました。旋盤やフライス盤、マシニングセンタなどの工作機械は単一目的の機械として高精度な加工に用いるもの、対するロボットはピック&プレースに代表される単純作業を行うものという考えが一般的でした。しかし、近年ではこの垣根が取り払われ、工作機械メーカーはロボットとの連携に注目しています。
ロボットと工作機械の連携がFA化を加速させる
最先端の産業用ロボットが導入し、完全自動化を目指す自動車業界を中心に、近年注目を集めているのがロボットと工作機械の連携です。自動で切削や穴あけなどの加工を行うNC工作機械は一般的ですが、素材のセット作業や確認は人間の手によって行われていました。このセットする作業(ロード・アンロード)を自動化することで、作業ロスを減らしてタクトタイムの短縮を狙った産業用ロボットと工作機械の協調がトレンドになっています。こちらでは、そのような工作機械業界での導入事例をご紹介します。

事例01 自動車部品加工ライン向け自動化システム
6軸多関節ロボットが金属部品を保持・セット(ロード・アンロード)を行い、NC工作機械で加工を行うシステムです。ロボットと工作機械の同期運転が可能なので、作業の高速化を実現しています。これによってセットする時間のロスを削減でき、タクトタイムの短縮が見込めます。
メリット
- 完全な自動化
- タクトタイムの短縮
- 生産の高速化

事例02 切削加工ロボット
NC工作機械に比べて精度が低いため、なかなか実現しなかったロボットによる切削加工。しかし近年ではロボットの剛性が上がり、制御速度や精度の向上からロボットによる切削加工も可能になりつつあります。こちらのシステムは、NC工作機械のようにCAMデータから切削加工を行うことができます。またNC旋盤やNCフライス盤などは、単一作業しかできませんでしたが、ロボットならハンドエフェクタを変更するだけでさまざまな加工ができることもメリットです。
メリット
- 複数の加工に対応可能
- CAMデータが利用可能
- 人員の削減
