電子デバイス業界

パソコンやスマートフォンが普及し、家電や自動車もデジタル化している現代において需要が拡大している電子デバイス業界。その特徴は、多様化・製品サイクルの短縮などの理由により、多品種変量生産のセル生産が主流になっていることです。従来の産業用ロボットは、量産に適したライン生産に特化していました。しかし、電子デバイス業界ではセル生産の自動化が課題となっています。その解決策としてロボットビジョンシステムに注目が集まっています。こちらでは、電子デバイス業界におけるロボットビジョンシステムの具体的な活用事例、従来の課題と導入のメリットなどをご紹介します。

スイッチ部品の組立工程

ハンドリング、ピック&プレース、ネジ締めなどの単純作業が得意な産業用ロボット。しかし、人間のように部品を認識しながら作業をすることができず、座標制御による単純作業に使用が限定されていました。例えばスイッチのような複数の異なる部品を組み立てるセル生産方式には不向きでした。

ロボットビジョンシステムを導入すれば、人間の目のように部品を認識し、パレットから必要な部品を選択して指定位置にネジで固定するといった組立工程も自動化できます。自由度の高い垂直多関節ロボットに多機能ハンド(マルチハンド、電動ハンド)を組み合わせることで形状・サイズの異なるワークにも対応でき、省スペースで多品種部品を扱うことができます。これにより大幅な省人化・タクト短縮・高速化が可能になり、生産効率アップにつながります。

キーエンスのロボットビッジョンシステムは、ロボットメーカー各社の標準コントローラに直接接続できるので、既存設備を利用しながら最小限のコストで導入が可能。動作フローを指定するだけで自動的にロボットサンプルプログラムを作成する機能があるため、設定工数を削減でき、オートキャリブレーション機能によりティーチングの手間も大幅に削減できます。

基盤のはんだ付け

基盤のはんだ付け

電子デバイスの小型化・高密度化が進み、はんだ付けの品質が重要になっています。はんだ付け工程を自動化している工場も多くありますが、製品ごとに治具を用意し、送りの速度や温度などの条件を設定するなどの手間がありました。
しかし、ロボットビジョンシステムを活用することで、治具不要で最適な位置と条件によるはんだ付けが可能です。例えば、ロボットビジョンシステムとこて先チェンジャーなどをスカラロボットと組み合わせることで、「QRコードを読み取り品種を自動判別する」「品種に合わせて最適なこて先に自動交換する」「品種に最適な条件ではんだ付けをする」など、このような工程の自動化を実現できます。

キーエンスのロボットビジョンシステムは、各メーカーの産業用ロボットと直接接続できるので、スカラロボットに限らず、垂直多関節ロボットやパラレルリンクロボットなど、現在使用しているロボットを有効活用してはんだ付け工程を自動化することが可能です。

ICチップのロボットピッキング

ICチップのロボットピッキング

産業用ロボットは、ピッキングなどの単純作業を得意としていますが、位置ずれがあると正しくピッキングできないといった問題点がありました。例えば、ICチップのロボットピッキングでは、トレイ内で位置ずれがあると正確にピック&プレースができず、品質がばらつく原因にもなります。

ロボットビジョンシステムを利用すれば、撮像したデータから位置ずれを補正してロボットピッキングを行うので品質の安定化が図れます。キーエンスのロボットビジョンシステムは、各メーカーのロボットに対応しているので、既存の生産ラインに追加することもでき導入の手間・費用も最小限に抑えられます。

セル生産の組立ロボット

近年は多品種・少量生産のニーズが高まり、電子デバイス業界ではセル生産が主流になっています。セル生産に代表される多品種変量生産は、従来は人間の手に頼る割合が高く、時間と手間がかかる工程でした。しかし、近年は産業用ロボットやロボットビジョンシステムの進化により自動化が可能になっています。

例えば、ピッキング用に水平多関節ロボット(スカラロボット)、組立・搬送・検査に垂直多関節ロボットを使い、複数ロボットを導入することで複雑なセル生産にも対応可能。ロボットビジョンシステムを導入すれば、複数の部品を判別し、ピッキング・整列・組立・検査・完成品の払い出しなどの作業を自動化することができます。

キーエンスのロボットビジョンシステムは、31〜6400万画素まで豊富なカメラのラインナップがあり、ロボットメーカー各社に対応しているので自由度の高いセル生産システムを構築することができます。

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