測定の基礎
変位計(変位センサ)・寸法測定器とは
ここでは、変位計(変位センサ)・寸法測定器の原理や特徴についてご説明します。
変位計(変位センサ)とは
変位計(変位センサ)とは、物体がある位置から他の位置へ移動したとき、その移動量を測定するものです。移動量だけでなく、物体の高さ/厚み/幅など、寸法測定にも使用され、用途や必要精度、使用環境に応じて、最適な機器を選定する必要があります。
変位計の測定方式は、光や磁界/音波などを用いた「非接触式」と、対象に直接触れて測定する「接触式」の2つに大きく分類されます。
各方式の原理と特徴は以下のとおりです。
項目 | 非接触式 | 接触式 | |||
---|---|---|---|---|---|
光学式 | 渦電流式 | 超音波式 | レーザ フォー力ス式 |
||
検出対象物体 | ほとんどの 物体 |
金属 | ほとんどの 物体 |
ほとんどの 物体 |
固体 |
測定距離 | 普通 | 短い | 長い | 短い | 短い |
精度 | 高い | 高い | 低い | 高い | 高い |
応答速度 | 速い | 速い | 遅い | 普通 | 遅い |
ほこり、水、油など | 普通 | 強い | 普通 | 普通 | 強い |
測定面 | 小さい | 普通 | 大きい | 小さい | 小さい |
寸法測定器とは
寸法測定器とは、円柱物体の外径や、物体の高さ、幅、厚みなどを測定するものです。その測定対象は、寸法値だけではなく、振れ幅や位置決めなどの情報を得るためにも利用されています。
測定方式として、レーザ光を走査し物体によってできる影の時間から演算するレーザスキャン方式と、平行光を物体に照射し物体によってできる影の部分を、CCDイメージセンサでとらえる方式があります。
さまざまな用途
変位計(変位センサ)と寸法測定器は、様々な目的で使用されています。以下はその一例です。
目的 | 例 |
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厚みの確認 | 圧延した鋼板の厚みが均一になっているか、貼り合わせたガラスの厚みが規格に収まっているかなどを測定します。 |
高さや段差の確認 | 整列された基板の高さが均一になっているか、基板に組み付けられたチップに特異な段差が生じていないかを測定します。 |
外径の確認 | 量産された円柱状の部品の外径を測定して、それぞれの部品が合格品であるか不合格品であるかを判定します。 |
反り・平坦度 | ガラス基板が反っていないか、研磨した金属部品が平坦であるかなどを測定します。 |
ストローク・位置決め | カメラモジュールのストローク量や対象物が加工設備内で正しい位置に来たなどを測定します。 |
三次元形状 | 部品の反りを確認するうえで、1ラインだけではなく、平面上全ての高さ方向の反りを確認するときの測定に用います。 |
反射型
光電・近接スイッチ | 変位計 |
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透過型
光電・近接スイッチ | 変位計 |
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