流速とは

工場内で原料や潤滑、冷却などに使われる液体や気体は、配管を通って移動し供給されます。これらを適切な流量にコントロールし、安全に使用するにはその管理が必要です。そして、流量は流速と強く関係していて、流量の測定に流速は欠かせない要素です。ここでは、配管を流れる液体や気体の流速について、その特徴や関係を説明します。

流速とは

「流速」とは、文字通り「流れる速さ」のことで、1秒間に流れる距離を指し、配管の太さ(断面積)や流量によって決まります。
流速は、配管の「流量÷断面積」です。たとえば、流量が同じなら配管が太い部分では流速が遅くなり、細い部分では流速が速くなります。
つまり、配管の断面積が変わると流速が変わり、流速が変わっても流量は変わらないということです。

流速と流量の関係
流速と流量の関係
  1. 矢印:流量
  2. α1、α2:断面積
  3. v1、v2:流速
流速(v1):遅い=流量/配管断面積𝑎1
流速(v2):速い=流量/配管断面積𝑎2

流速と流量

流速と流量は異なる値で、流量が「1秒間に流れる量」なのに対し、「流速」は「1秒間に、どれくらいの距離を流れているか」の値で、単位は「m/s」(メートル毎秒)で表します。
流速と流量は、単に値が示す対象が異なるだけでなく、この2つの値は綿密な関係性を持っています。ここでは、流速と流量の関係について説明します。

平均流速と体積流量

「平均流速」は、単位時間当たりに、ある面が移動する速度です。また、「体積流量」は、単位時間あたりに、ある面を通過する体積から割り出した流量です。
通過する配管の直径(断面積)が一定の場合、平均流速と体積流量の関係は以下になります。

平均流速v[m/s] = 体積流量Q[m3/s]/ 断面積A[m2

例:体積流量が0.03m3/s、断面積0.1m2の場合の平均流速
v=0.03/0.1
v=0.3(m/s)

これは「体積=断面積×移動距離」であり、「1秒間の流量=断面積×1秒間の移動距離」となり、「体積流量(m3/s)=断面積(m2)×平均流速(m/s)」であるためです。

平均流速と体積流量
  1. A:流れが通過する面
  2. B:面に垂直な流れの平均流速

平均流速=体積流量/断面積

平均流速と質量流量

「質量流量」は、単位時間あたりに、ある面を通過する質量から割り出した流量です。質量は、体積と密度の積です。したがって、質量流量と体積流量は以下になります。

質量流量 {\dot m} [kg/s] = 体積流量Q[m3/s] × 密度ρ[kg/m3]
質量流量 {\dot m} [kg/s] = 断面積A[m2] × 平均流速v[m/s] × 密度ρ[kg/m3]

そして平均流速は以下の式で求められます。

平均流速v[m/s] = 質量流量 {\dot m} [kg/s] / 断面積A[m2] × 密度ρ[kg/m3]

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