配管と流量計の設置位置

正確な流量管理を行うための配管テクニック

流量計・流量センサを使用するには、配管や設置位置などのちょっとした気配り大切です。製品によっては、設置位置によって測定精度が向上したり、トラブルのリスクが抑えられたりするケースもあるのでご確認ください。

十分な直管部を設ける

流量計・流量センサを設置する場合、十分な直管部を設けて不均一な流速分布や振動の影響を抑えることが重要です。流体は曲がりや絞りなどがあると流れが乱れ、偏流が発生して流量計測に誤差が生じることがあります。一般的に流量計上流側は、呼口の口径Dの5倍以上の直管部が必要とされています。呼口径Dの5倍以上の直管部を設けることで、不均一な流量分布を収め、流量計測に適した均一な流れを作ることができます。詳しくは、トラブル要因と対策 不均一な「流速分布」をご確認ください。

流量計測に適した層流を作るために必要な直管部の長さ(目安)
L(直管部の長さ)=5 × D(呼口径)
流量計・流量センサの種類によって変化します。
90°ベント
十分な直管部を設ける 90°ベント
拡大管
十分な直管部を設ける 拡大管
ティ
十分な直管部を設ける ティ
仕切り弁全開
十分な直管部を設ける 仕切り弁全開

流体を下方から上方へ流す

流量計・流量センサは、基本的に流路が満たされた状態(満水状態)で計測を行います。液体は、一般的に重力で下方に溜まるので、上方から下方に流すと気泡が滞留しやすくなります。そこで流量計を設置する場合は、必ず下方から上方に液体が流れるように取り付けてください。

流体を下方から上方へ流す

配管よりも低い位置に設置する

流体を下方から上方に流すでも説明しましたが、流路が満水でないと不均一な流速分布や気泡が発生しやすくなり、安定した検出ができません。そこで地面と水平な配管は、配管よりも低い位置に流量計を設置し、常に満水になるようにしましょう。気泡は高い位置に集まるので、低い位置に流量計を設置することで気泡の混入を防ぐことができます。気泡が含まれていない流体であっても、ライン圧(配管の圧力)が低下するとキャビテーションが発生・拡大するので、できるだけ低い位置で、なおかつライン圧の高い場所に流量計を設置することも重要です。

配管よりも低い位置に設置する
配管よりも低い位置に設置する

バイパスラインを設置する

流量計に詰まりや故障が発生しても、流路が確保できるようにバイパスラインを設置しましょう。メンテナンス性の向上はもちろん、トラブル発生時に流路を切り替えて生産を続けられるので、生産ストップによる機会損失を防ぐことができます。

バイパスラインを設置する

振動やノイズにも配慮する

流量計によっては、振動やノイズの影響を受けるものもあるので、設置環境にも気をつけましょう。例えば、浮き子式やコリオリ式の流量計は振動の影響を受けやすいといった特性があります。流量計ごとによくあるトラブルとその対策方法については流量計別のトラブルと対策をご覧ください。

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