プラントや工場の大口径管液体管理(屋外・大流量)
屋外環境や大口径管における液体の流量管理
プラントにおけるプロセスオートメーション(PA)設備や、製造現場におけるファクトリオートメーション(FA)の大動脈といえる給水・排水管など、屋外設置が条件となる配管設備。これらの管理に必要となる流量計には、厳しい屋外環境における防塵・防水性能、そして高精度な計測を長期的に維持する性能が求められます。
また、プラントの設備や工場内のライン・設備の「元配管」においても、大口径・高圧・高温液体、管内の汚れによる変化やノイズなど、さまざまな計測条件をクリアする必要があります。
大口径・大流量の配管に電磁式流量計を用いる場合、管を切って設置または交換を行うため、プラントや工場の操業に影響を与えかねません。ここでは、施設の操業や設備の稼働を止めずに簡単に設置でき、厳しい環境下でも高精度計測が可能なクランプオン式流量計の導入事例をご紹介します。
屋外配管の流量管理(プラント設備 / 工場屋外の給水・排水配管)
屋外配管の流量管理は、炎天や酷寒、雨や風、粉塵の飛来などの厳しい環境下で行われます。電磁式の流量計は設置や交換時、配管を切り作業する必要があるため、操業が制限されたり停止を余儀なくされる場合があります。さらに、1本の配管の停止が他の管内の圧力や流量の測定結果に影響を与えることも懸念されます。
厳しい屋外環境に対応するFD-Rシリーズは、配管を切らずにクランプオンで取り付け可能。配管の切断や水抜きなどの作業が不要なので、装置停止による操業への影響がありません。導入から運用、メンテナンスまで、コストを大幅に削減することができます。
製造ラインの元配管の流量管理
FAの製造ラインにおける元配管は、大口径で高圧・大流量。大きな配管口径は超音波の受信強度の妨げになり、高圧・大流量はわずかな測定誤差が大きな問題の原因なります。また、配管内での超音波の共振はノイズとなって、計測結果に影響を与えます。さらに、長期間使い続けた配管の内部には汚れが付着し、汚れは超音波の受信強度の低下につながります。これらの条件は、計測精度にとって大きな障壁です。
従来の超音波流量計では、さまざまなノイズ成分の影響により高精度な計測が困難でした。FD-Rシリーズなら超音波の高出力化とノイズ低減アルゴリズム、超音波出力の自動調整機能の採用で、高精度かつ安定した流量計測を実現します。
設備の元配管の流量管理
工場内のさまざまな機械・設備の元配管や、屋外のプラント設備の配管は、高圧・大流量で、高温・低温のさまざまな液体が流れるため、その素材もさまざま。そこで使われる流量計には、多くの配管素材に適合し、高温・低温のさまざまな液体の流量や温度を測定できる機能が必要です。また、測定した値を記録したりモニタできる機能も欠かせません。
FD-Rシリーズは、超音波を伝達する材質であれば、どのような配管にも対応します。また、クランプオン式なので機械の稼働を止めずに取り付けが可能です。
水や純水はもちろん、高圧・高温の液体であっても流量や温度を測定することができます。また、測定データは、接続されたパソコンなどで確認・蓄積することができるほか、本体のディスプレイやLEDで状態を確認したり、一定期間の大切なデータを本体で記録しておくこともできます。