用語集
英数
1φ[いちふぁい]
- 分類
- 電気信号の状態の名称
- 内容
- 単相交流のことです。 ⇒「単相交流」を参照してください。
- 対象機種
- NR-HV04
3φ[さんふぁい]
- 分類
- 電気信号の状態の名称
- 内容
- 三相交流のことです。 ⇒「三相交流」を参照してください。
4-20mA出力[よんにじゅうみりあんぺあしゅつりょく]
- 分類
- 電気回路
- 内容
- 4-20の意味は、電流出力の範囲が4mAから20mAの範囲で出力されるという意味です。
計装用(プラント用機器)の標準アナログ出力として広く使用されており、電圧変換をしてレコーダへの取り込みも簡単にできます。ノイズに強く、長距離伝送ができることが特徴です。また、断線時には0mAになるのでフェイルセーフ性が優れています。 - 対象機種
-
- NRシリーズ
- TR-V シリーズ
4線式測温抵抗体[よんせんしきそくおんていこうたい]
- 分類
- センサ
- 内容
- 測温抵抗体の一種で、測温抵抗体の中でもっとも高精度な測定ができます。抵抗の両端から2本ずつ、合計4本のリード線が出ています。
AC[えーしー]
- 分類
- 電気信号の状態の名称
- 内容
- AC(Alternating Current, 交流)とは、時間とともに周期的に振幅が変化し、方向が変わる電気信号のことで、交流の略です。電源の場合、直流(DC)は、配線が長くなると電圧降下し、長距離の送電には向いていませんが、交流は変圧器により自由に電圧を昇降することができるため、長距離でも効率良く送電することができます。
- 参考
- DC
- 対象機種
- NR-HV04
ACリレー[えーしーりれー]
- 分類
- 電気部品
- 内容
- 主に、一次側のコイル電圧にAC(交流)を使用するタイプのリレーのことです。
二次側の接点でACを開閉できるリレーを指す場合もあります。 - 参考
- DCリレー
A相[えーそう]
- 分類
- 電気信号の状態の名称
- 内容
- エンコーダからのパルス出力の一種です。 ⇒「エンコーダ」を参照してください。
B相[びーそう]
- 分類
- 電気信号の状態の名称
- 内容
- エンコーダからのパルス出力の一種です。 ⇒「エンコーダ」を参照してください。
CAN[きゃん]
- 分類
- 通信規格
- 内容
- 車両用に開発されたLANによく似た通信方式で、ドイツのボッシュ社が開発しました。CAN はController Area Network の略です。車載のマイコン(ECU)をCANでつなぎ通信すると、CANにはECUからデジタル値(回転数など)とON/OFF情報が流れます。自動車には多数の電子制御機器が搭載されており、以下のような制御が行われています。
-
- エンジンの点火タイミング制御
- ギアボックス制御
- スロットルバルブ制御
- ABS(Anti-lock Braking System)
- ASC(Acceleration Skid Control)
- 従来、これらのシステムは単独で使用されていました。しかし、さらに高度な性能を追求した結果、これらを統合し、システム間でデータ通信を行うことができる仕組みが必要になったことでCANが開発されました。
- 対象機種
- NR-C512
DC[でーしー]
- 分類
- 電気信号の状態の名称
- 内容
- DC(Direct Current、直流)は、時間によって大きさが変化しても流れる方向(正負)が変化しない電流のことです。
DC24Vの場合は+24Vのところで一直線になります。 - 参考
- AC
- 対象機種
-
- NRシリーズ
- TR-V シリーズ
DCリレー[でーしーりれー]
- 分類
- 電気部品
- 内容
- 一次側のコイル電圧にDC(直流)を使用するタイプのリレーのことです。
- 参考
- ACリレー
LCR[えるしーあーる]
- 分類
- 電気回路
- 内容
- 「L」はコイルのインダクタンス、「C」はコンデンサのキャパシタンス、「R」は抵抗のレジスタンスをまとめて表す言葉のことで、「LCR メーター」は、L、C、R が測定できる専用の電子計測器のことです。
N24[えぬにじゅうよん]
- 分類
- 電気回路
- 内容
- DC24V 電源のマイナス側(0V)のことです。逆に、P24 はDC24V 電源のプラス側(+24V)のことです。
NPNオープンコレクタ出力[えぬぴーえぬおーぷんこれくたしゅつりょく]
- 分類
- 電気回路
- 内容
- 電子部品のトランジスタを使用したON/OFF 出力回路のことです。メカニカルな接点を使用しないので高速、小型、長寿命が特徴です。制御機器の無接点出力として主に国内で汎用的に使用されています。キーエンス商品では主に判定出力などの制御出力として装備しています。
出力がONすると負荷から出力端子(コレクタ)を経由してCOM端子(エミッタ)へ電気が流れます。外部電源と外部負荷によって電圧ロジック信号に変換されます。外部電源には通常5V、12V、24Vが使用されます。計測される電圧は以下のとおりです。 -
- トランジスタON:約0V(残留電圧になります)
- トランジスタOFF:外部電源電圧(外部電源が12Vなら12Vになります)
P24[ぴーにじゅうよん]
- 分類
- 電気回路
- 内容
- P24はDC24V電源のプラス側(+24V)のことです。逆に、N24はDC24V電源のマイナス側(0V)のことです。
PNPオープンコレクタ出力[ぴーえぬぴーおーぷんこれくたしゅつりょく]
- 分類
- 電気回路
- 内容
- 電子部品のトランジスタを使用したON/OFF 出力回路のことです。メカニカルな接点を使用しないので高速、小型、長寿命が特徴です。制御機器の無接点出力として主に海外で汎用的に使用されています。
出力がON するとCOM 端子(エミッタ)から出力端子(コレクタ)を経由して負荷に電気が流れます。外部電源と外部負荷によって電圧パルス信号に変換されます。外部電源には通常5V、12V、24V が使用されます。計測される電圧は以下のとおりです。 -
- トランジスタOFF:外部電源電圧〈外部電源が12V なら(12V- 残留電圧)になります〉
- トランジスタON:0V
RTD[あーるてぃーでぃー]
- 分類
- センサ
- 内容
- Resistance Temperature Detector の略称で、測温抵抗体のことです。
⇒「測温抵抗体」を参照してください。
SSR[えすえすあーる]
- 分類
- 電気部品
- 内容
- Solid State Relay(ソリッドステートリレー)の略称です。
⇒「ソリッドステートリレー」を参照してください。
TTL[てぃーてぃーえる]
- 分類
- 電気回路
- 内容
- ロジック回路の一種で、0V でLO、5V でHI になる信号のことです。電子回路で信号のやり取りに使われていました。
TTL出力とTTL入力があり、出力と入力をペアに接続して信号を伝達します。
「Transistor Transistor Logic」の略称です。
Z相[ぜっとそう]
- 分類
- 電気信号の状態の名称
- 内容
- エンコーダからのパルス出力の一種です。 ⇒「エンコーダ」を参照してください。
あ
圧電素子型加速度ピックアップ[あつでんそしがたかそくどぴっくあっぷ]
- 分類
- センサ
- 内容
- 加速度ピックアップの測定方式の一種です。圧電素子型とひずみゲージ式があります。
⇒「加速度ピックアップ」を参照してください。 - 対象機種
- NR-CA04
位相差[いそうさ]
- 分類
- 電気信号の状態の名称
- 内容
- 2つの波形の位相の差のことです。エンコーダなどの場合、A相とB相の期がずれていることを「位相がずれる」といい、そのずれ量のことを「位相差」と言います。
インバータ[いんばーた]
- 分類
- 電気部品
- 内容
- 直流電力から交流電力を電気的に生成する(逆変換する)電源回路をもっており、商用電源のACに比べ、パルス幅、周波数などを機器に合わせて最適化できるため効率良く動かすことができます。
エンコーダ[えんこーだ]
- 分類
- センサ
- 内容
- メカの位置を検出するデジタル方式のセンサーのことです。
- 【エンコーダの種類】
- 対象メカによる分類
- ロータリーエンコーダ:回転移動を検出するエンコーダ
- リニアエンコーダ:直線移動を検出するエンコーダ
- 検出方法による分類
- インクリメンタル型:相対位置を検出します。そのため電源を切ると位置を忘れます。構造・信号処理がシンプル。
一般的にエンコーダと言えばインクリメンタル型を指します。 - アブソリュート型:絶対位置を検出します。そのため電源が切れても位置を忘れません。構造・信号処理が複雑です。
- インクリメンタル型:相対位置を検出します。そのため電源を切ると位置を忘れます。構造・信号処理がシンプル。
- 【検出できる内容】
- ロータリーエンコーダ
- 現在の角度:原点からのパルス数をカウントして角度に換算します。
- 移動角度:2点間を移動する時のパルス数をカウントして角度に換算します。
- 回転時間:2点間を移動する時間を測定します。
- 回転数:単位時間当たりの回転回数を測定します。
- 回転速度:単位時間当たりの移動角度を測定します。
- リニアエンコーダ
- 位置:原点からのパルス数をカウントして位置に換算します。
- 移動量:2点間を移動する時のパルス数をカウントして移動量に換算します。
- 移動時間:2点間を移動する時間を測定します。
- 移動速度:単位時間当たりの移動距離を測定します。
- 【インクリメンタル型の出力信号】A相/B相を位相差で計測すると相対的な移動量と移動方向を確認できます。
-
- A相:1回転で決まったパルス数が出る出力のことです。
- B相:A相と1/4周期ずれたパルスが出力されます。
- Z相:原点位置で1 パルスだけ出力されます。
- 参考
- ロータリーエンコーダ
オープンコレクタ出力[おーぷんこれくたしゅつりょく]
- 分類
- 電気回路
- 内容
- トランジスタからはE(エミッタ)、C(コレクタ)、B(ベース)の3本の線が出ています。このうちのコレクタ線がどこにもつながっていない(オープン)状態のことを示します。このオープンコレクタを負荷に接続し、出力として用いたものを「オープンコレクタ出力」といいます。オープンコレクタ出力には、「NPNオープンコレクタ出力」と「PNP オープンコ
レクタ出力」の2種類があります。
⇒「NPN オープンコレクタ出力」、 ⇒「PNP オープンコレクタ出力」を参照してください。
温度[おんど]
- 分類
- 単位
- 内容
- 物体の温かさや冷たさを表す尺度のことです。単位は「°C」を用います。温度を測定できるセンサは以下のような種類があります。
-
- 熱電対
- 測温抵抗体(RTD)
- サーミスタ
- 赤外放射温度計
- 対象機種
-
- NR-TH08
- TR-TH08
か
回転数[かいてんすう]
- 分類
- 単位
- 内容
- エンジンやモーター、設備やOA機器などに使用されている回転軸の回転状態を確認します。単位時間あたりの回転数で表現するので回転速度とも言われます。単位は、国際単位系(SI)ではS-1を使用しますが、1分間あたりの回転数を表す「rpm(revolutions per minute)」や、1秒あたりの「rps」、1時間あたりの「rph」なども使われます。
- 演算例:
- 1回転で10パルスを出力するエンコーダを使用
- 1秒間に100パルスをカウント
1分当りの回転数は、10回転×60秒=600rpmとなります
加速度[かそくど]
- 分類
- 単位
- 内容
- 単位時間当たりの速度の変化率を表す物理量のことです。単位は「G(じー)」や「m/s2(めーとるまいびょうまいびょう)」、地震で使用する「Ga(lがる)」などがあります。
1G=9.8m/s2=980Galの関係になります。
加速度は速度が変化するときに発生します。建物の中でイスに座っているときも、一定速度で飛行している飛行機に座っているときも加速度は「0」です。 - 対象機種
- NR-CA04
加速度ピックアップ[かそくどぴっくあっぷ]
- 分類
- センサ
- 内容
- 対象物の振動から加速度を検出し、電気信号に変換するセンサのことです。対象物に固定した状態で使用します。
圧電素子型とひずみゲージ式があります。 - 対象機種
- NR-CA04
ゲージ率[げーじりつ]
- 分類
- センサ
- 内容
- ひずみゲージの感度を表す定数のことで、ひずみ量変化に対するひずみゲージの抵抗値変化の理論値からのずれ(スパンずれ)を表します。理論値では2.0ですが、実際のひずみゲージの値は一般的に2前後を示します。
- 対象機種
- NR-ST04
交流[こうりゅう]
- 分類
- 電気信号の状態の名称
- 内容
- ⇒「AC」を参照してください。
- 対象機種
- NRシリーズ
コンデンサ[こんでんさ]
- 分類
- 電子部品
- 内容
-
電荷を蓄えたり放出したりする部品のことです。電圧が低くなると放電します。以下のように様々な電子部品に使用されています。
- 電荷を蓄える性質を利用したもの →スーパーキャパシタ
- ノイズ除去に用いる →パスコン
- 電荷が蓄えられるとそれ以上電流が流れない性質を利用してDC成分をカット →カップリングコンデンサ
- 電圧の方向が変わったときに、電荷を蓄え終わるまで流れることでAC成分を通す性質を利用したもの →コンデンサアース
- 電圧が低くなると放電する性質を利用して電源を安定化するもの →平滑コンデンサ
さ
サーボモーター[さーぼもーたー]
- 分類
- 電気部品
- 内容
- 数値制御できるモーターのことです。AC サーボモーターやDC サーボモーターなどに分類され、産業用ロボットや自動機などに使用されます。サーボとは、指示された命令通りに動くように構成された制御機構のことです。高速・高精度な動作を実現するため、モーターに内蔵されたエンコーダの出力で自身の位置を常に確認し、指令とのずれが出ないようにフィードバックしていることが特徴です。
差動入力[さどうにゅうりょく]
- 分類
- 電気回路
- 内容
-
計測器の入力回路の形式のことです。特徴は以下のとおりです。
- 長所:信号源と計測器のグランド間の電位差や、ノイズの影響を受けにくい
- 短所:測定チャンネル数がシングルエンド時の半分になる
- 参考
- シングルエンド入力
- 対象機種
- NR-HA08
三相交流[さんそうこうりゅう]
- 分類
- 電気信号の状態の名称
- 内容
- 3系統の交流のことで、それぞれを1/3周期(120°〈2π/3[rad]〉)ずつ波形をずらしたものです。このように波形がずれていることを「位相がずれる」と言います。次々と電圧のピークが来ることによって、モータなどを回した時に回転速度や力にむらが少ないので、大きな機械や装置は三相交流で動かします。また、電気は通常三相交流で送られていて(電柱の電線も3本1組)、家庭ではそのうちの2本を使用しています。三相は一般に3本の線で送られています。それぞれをR/S/Tと言い、配線のR-S間、S-T間、T-R間に一つの相ずつ流れています。
シングルエンド入力[しんぐるえんどにゅうりょく]
- 分類
- 電気回路
- 内容
-
計測器の入力回路の形式のことです。特徴は以下のとおりです。
- 長所:差動入力に比べチャンネル数を多くしやすい
- 短所: 信号源と計測器のグランド間の電位差や、ノイズの影響を比較的受けやすい
- 参考
- 差動入力
- 対象機種
- NR-HA08
ステッピングモーター[すてっぴんぐもーたー]
- 分類
- 電気部品
- 内容
- パルス信号に同期してモーターを回転させ、回転角に比例した運動量を制御できるモーターのことです。
1パルスに対するステップ量(回転角度)が決まっているため、正確な位置決めが可能です。
赤外放射温度計[せきがいほうしゃおんどけい]
- 分類
- センサ
- 内容
- 非接触の温度計のことで、対象物から放射される赤外線の量を測定して温度に換算しています。
積算電力(量)[せきさんでんりょく(りょう)]
- 分類
- 単位
- 内容
- ⇒「電力量」を参照してください。
測温抵抗体[そくおんていこうたい]
- 分類
- センサ
- 内容
-
金属の電気抵抗率が温度に比例して変わることを利用した温度センサのことです。温度に対する抵抗変化が一定で、変化率が大きいことから、一般的には白金(Pt)が用いられます。それ以外に使用される金属としてはニッケル、銅などがあります。測定方法は金属抵抗に一定の電流(一般には1mA)を流し測定器で電圧を測定し、オームの法則E=IRから抵抗値に換算し、温度を導き出します。よく使用されるのは配線抵抗の影響を受けない3線式です。熱電対とは異なり、測定温度が直接出力されます。
- 白金測温抵抗体ではPt100とJPt100が主流です。どちらも白金測温抵抗体の規格です。100は抵抗値が100Ωであることを示しています。JPt100はJIS C1604-1981、Pt100はJIS C1604-1989で規定されています。この違いは元々JISで規定されていたPt100の特性が国際的な規格(IEC規格)と異なっていたためです。1989年版でIEC規格に合わせられ、それ以前のものがJPt100、IEC規格に合わせたものがPt100となっています。
- 市販されている白金測温抵抗体には、Pt100以外のタイプもあります。Pt1000は抵抗が1000Ωの白金測温抵抗体です。
- 抵抗素子からのリード線の配線によって3 種類のタイプがあります。
- 2 線式:リード線の抵抗値がそのまま誤差になるので、あまり測定精度が良くありません。
- 3 線式:最も一般的。リード線の抵抗値をキャンセルすることで高精度に測定できます。
- 4 線式:3 線式よりも高精度に測定できます。
- 1mA以外の測温抵抗体もあります。また、使用する場合は自己発熱により若干誤差が出る可能性があります。
- 対象機種
-
- NR-TH08
- TR-TH08
ソリッドステートリレー[そりっどすてーとりれー]
た
ダイオード[だいおーど]
- 分類
- 電子部品
- 内容
- 電流を一定方向ににしか流さない電子部品(半導体)で、電流の方向を制御するときに使用します。
タコメーター[たこめーたー]
- 分類
- センサ
- 内容
- タコメーター(tachometer)は回転速度計のことで、エンジン、モーターなど、機械の回転軸の単位時間当たりの回転数を確認する計器です。軸に取り付けられた「エンコーダ」の出力を演算しています。自動車のタコメーターは1分間あたりのエンジンの回転数(rpm)を表します。
⇒「回転数」を参照してください。 - 参考
- エンコーダ
単相交流[たんそうこうりゅう]
直流[ちょくりゅう]
- 分類
- 電気信号の状態の名称
- 内容
- ⇒「DC」を参照してください。
抵抗[ていこう]
- 分類
- 単位
- 内容
-
(1)電気の単位
電気の流れにくさを表す単位で、単位の記号はΩ(おーむ)です。
オームの法則:E=IR より、抵抗の両端に1.5V の電池をつないだときに流れる電流は、抵抗が1 Ωの場合は、I=1.5/1=1.5A
抵抗が1k Ωの場合は、I=1.5/1k=0.0015A=1.5mA となります。このように、抵抗が大きいほど流れる電流は小さくなります。
- 分類
- 電子部品
- 内容
(2)電子部品
電気の流れる量(電流)を制限するための部品で、記号はR(あーる)です。
低電圧[ていでんあつ]
- 分類
- 電気信号の状態の名称
- 内容
- 電圧が低い状態のことを指します。具体的な電圧値の規定はありません。
CEマーキングではAC50~1000V、DC75~1500Vの範囲が低電圧です。
デューティ比[でゅーてぃひ]
- 分類
- 電気信号の状態の名称
- 内容
- デューティ比とは、周期的な現象においてその現象が継続される期間の割合のことです。
例えば、ON時間が1μsでON/OFF1周期が4μsの場合、デューティ比は「0.25」または「25%」です。
ON時間とOFF時間が全く同じ場合、デューティ比は「0.5」または「50%」です。
電圧[でんあつ]
- 分類
- 単位
- 内容
- 電気を流そうとする力を「電気を起こす力」=「起電力」と言います。「起電力」をもつものが電池や電源です。この“起電力”を電気を押し出す力と考えて「電圧」と言います。記号は「E」、単位は「V(ボルト)」です。電圧は計測器の最も基本的かつ直接測定できる唯一の計測対象です。全ての計測対象は変換器(内蔵、外部機器含む)によって電圧信号に変換した後、A/D変換器でデジタル数値データに変換されます。
電圧の大きさを利用したレコーダ用の出力がアナログ電圧出力です。±10V、1-5Vなどがあります。 - 対象機種
-
- NRシリーズ
- TR-V シリーズ
電流[でんりゅう]
- 分類
- 単位
- 内容
- 電気の流れる量を表す単位です。記号は「I」、単位は「A(アンペア)」です。電流は電圧の押し出す力で押し出されて流れます。
オームの法則:E=IR より抵抗の両端に1.5V の電池をつないだときに流れる電流はI=E/R
抵抗が1 Ωの場合は、I=1.5/1=1.5A
抵抗が1k Ωの場合は、I=1.5/1k=0.0015A=1.5mA となります。
このとき、抵抗が大きいほど流れる電流は小さくなります。
電流の大きさを利用したレコーダ用の出力が、4 -20mA 出力です。 - 対象機種
-
- NRシリーズ
- TR-V シリーズ
電力[でんりょく]
- 分類
- 単位
- 内容
-
電力は電気が仕事をする大きさのことです。単位は「W(ワット)」で表します。
電力(W)=電圧(E)×電流(I)で計算できます。電圧が高く、電流が大きいほど大きな仕事ができます。
オームの法則:E=I×Rの関係式を使うと、以下のとおり表されます。W = E × I =(I × R)× I = I2 × R
- 【皮相電力と有効電力】
- 電力には見かけ上の電力(皮相電力)と実際に使用できる電力(有効電力)の2 種類があります。見かけ上の電力(皮相電力)は常に一定ですが、位相がずれる(=力率が悪化する)ことで実際に使用できる電力(有効電力)は減り、位相のずれが少ない(=力率が良い)ほど実際に使用できる電力(有効電力)が増えます。つまり、皮相電力と有効電力のかい離が大きいほど、その機器は効率が悪く改善をする必要があるということが証明されます。よく、交流機器の電力仕様を表現するのに「VA」という単位が使われますが、これは皮相電力の意味で、有効電力(=「W」)と区別し、単位で違いが分かるようになっています。
電力量[でんりょくりょう]
- 分類
- 単位
- 内容
-
単位時間当たりに使用した電力の合計のことで、単位は、「Wh(ワット・アワー)」です。
電力量の大きさは、電力と時間の積(かけ算)で計算します。電力量(Wh)=電力(W)×時間(h)
例えば、1500Wのホットプレートを1時間使うと1500Wh、2時間使うと3000Whになります。
突入電流[とつにゅうでんりゅう]
- 分類
- 電気信号の状態の名称
- 内容
-
電源投入直後の短時間に流れる定格以上の大きな電流のことです。突入電流が大きいと、
- 用意した電源で機器が起動しない
- ヒューズが切れたり、ブレーカが落ちる
- ノイズ源になる
などの問題が出る場合があります。
- 電気機器は内部電源に使用している平滑コンデンサを一気に充電するために電源投入直後に定格以上の電流が流れます。例えば、白熱ランプは点灯するとき(冷めているとき)には抵抗が低いために、定格の10~20倍の電流が流れます。このときに流れる大きな電流を突入電流といいます。
トランスデューサ[とらんすでゅーさ]
- 分類
- 電気部品
- 内容
- 変換器のことです。機械信号を電気信号に変換したり、光信号を電気信号に変換するなど非常に幅が広く使用される言葉です。具体的には「圧力トランスデューサ」「電力トランスデューサ」「超音波トランスデューサ」などがあります。
な
熱電対[ねつでんつい]
- 分類
- センサ
- 内容
-
最も一般的に使用されている温度センサです。様々な種類があります。一般的なのは、K、J、E、T、R、S、B、N、W 熱電対で、これらは使用温度や雰囲気に応じて使い分けます。
熱電対はゼーベック効果という、電気と熱の関係を利用しています。ゼーベック効果とは「2つの異なる金属をつなげて、両方の接点に温度差を与えると、金属の間に電圧が発生し、電流が流れる」というものです。この回路に電流を起こさせる電力は熱起電力(Thermoelectromotive force)と呼ばれ、その極性と大きさは2 種類の導体の材質と両端の温度差のみによって定まることが確認されています。
これにより、熱電対は2種類の金属の接合部(測温接点)の温度T1と計測器側接点(基準接点)の温度T0の温度差Tに対応する電圧を発生します。計測器はこの電圧を測定します。実際に温度レコーダでは、熱電対の計測時には、端子付近の温度も測定します。これを基準接点補償温度といいます。
例えば、測定部が100°Cで端子温度が25°Cであると、熱電対は75°C相当の電圧しか発生しません。この状態で100°Cと表示するために、端子温度(基準接点補償温度)を加算します。熱電対の電圧信号は、温度に対して直線的な比例関係ではなく、曲線を描く関係になります。そのため、電圧値をダイレクトに測定しても、温度換算はできません。何V が何°Cに相当するか、という「熱起電力」が熱電対の種類に応じてJIS で規定されています。温度レコーダは、その変換テーブルを内蔵し、電圧値から温度を求める動作をしています。
熱電対の起電圧は非常に小さな値、と言えます。例えばK熱電対の場合、1mVが約30°Cに相当します。1°Cで約30μV、という非常に小さな電圧です。- (参考)K熱電対の熱起電力(JIS-C1602規定)
0°C・・・0V
100°C・・・4.096mV
1000°C・・・41.276mV -
温度計測では、次の3項目の合計が総合精度になります。
- 測定確度
- 基準接点補償確度
- 熱電対そのものが持つ精度
- 対象機種
-
- NR-TH08
- TR-TH081
ノイズ[のいず]
- 分類
- 電気信号の状態の名称
- 内容
-
機器の動作や計測に不要な信号のことです。必要な信号は「シグナル(Signal)」といい、シグナルを妨害する信号がノイズ(Noise)です。ノイズに対するシグナルの大きさを表す数値に「S/N比(えすえぬひ)」があります。
-
- 突発的なノイズ
モータなどの動力源やインバータ機器、接点の開閉、落雷などで発生するノイズが突発的なノイズです。
ノイズのエネルギーが大きいのでノイズを受けた機器が誤動作するなどの問題が生じます。 - 定常的なノイズ
常に一定レベルの大きさで発生しているノイズです。「変位計や計測器の分解能= ノイズの大きさ」の関係があります。
- 突発的なノイズ
-
- コモンモードノイズ
対策は電源ラインにノイズカットトランス、ノイズフィルターをつけます。 - ノーマルモードノイズ
他の機器が電源のプラスもしくはマイナスだけにノイズを乗せてしまっています。
対策は電源ライン上にコンデンサと抵抗でできたノイズ吸収素子をつけます。
- コモンモードノイズ
は
パルス[ぱるす]
- 分類
- 電気信号の状態の名称
- 内容
- 振幅が最大値と最小値のどちらかの値をとるように周期的に変化する波形のことです。ON/OFF を繰り返す信号を指すこともあります。
- 対象機種
- TR-C48
ひずみ[ひずみ]
- 分類
- 単位
- 内容
-
- ひずみ量とは、物体に加重が与えられた時の1 メートルあたりの変形量(伸び量・縮み量) のことです。
例えば、2m 長さの丸棒を引っ張り、40 ミクロン伸びた場合のひずみ量は、
40 ミクロン÷ 2 メートル=20 μ ST(マイクロストレイン、マイクロひずみ) となります。
ひずみは伸び(縮み)を比率で表したものなので単位はありません。つまり“無名数”扱いです。しかし、この数値はひずみであるということを知らせるために、「**** ひずみ」、「****ST(strain の略)」、「****ε(ひずみは一般にギリシャ文字のεで表すため)」をつけます。また、ひずみは小さな値を示すので、μ(マイクロ1× 10 ^-6)つけてマイクロひずみ(μST、με)と表されます。 -
- 動ひずみ
サンプリング周期が1Hz 以上で、早い変化のひずみのことです。自動車エンジンや車両フレームなどは動ひずみになります。 - 静ひずみ
サンプリング周期1Hz 未満のゆっくりとした変化のひずみのことです。ダムやビルの耐久性などは静ひずみになります。
- 動ひずみ
- 参考
- ひずみゲージ
- 対象機種
- NR-ST04
ひずみゲージ[ひずみげーじ]
- 分類
- センサ
- 内容
-
ひずみゲージは、金属が伸び縮みすると抵抗値が変化するという原理を応用してひずみ量を測定するセンサです。元の抵抗値をR(Ω)、抵抗の変化量を⊿ R(Ω)、ひずみ量をεとした場合、関係式は以下のとおりです。
⊿ R/R= 比例定数K ×ε
このときの比例定数K を「ゲージ率」といい、ひずみゲージに用いる金属(合金)によって決まります。また無負荷のときのひずみゲージの抵抗値は120 Ωが一般的です。
- 対象機種
- NR-ST04
ひずみゲージ式加速度ピックアップ[ひずみげーじしきかそくどぴっくあっぷ]
- 分類
- センサ
- 内容
- ⇒「加速度ピックアップ」を参照してください。
- 対象機種
- NR-ST04
ひずみゲージ式トランスデューサ[ひずみげーじしきとらんすでゅーさ]
- 分類
- センサ
- 内容
-
ひずみゲージを検出素子に用いた重量や力、加速度など様々な物理量を電気信号へ変換するセンサです。以下の種類があります。
- 重量を測定:ロードセル
- 加速度を測定:加速度変換器
- トルクを変換:トルク変換器
- 変位を変換:変位変換器
内部の構造体に4つひずみゲージが貼り付けられており、そのひずみ量からそれぞれの物理量を求めます(ブリッジ回路が内蔵されています)。例えばロードセルの場合、ロードセルに重量物を載せると内部の弾性体にひずみが生じます。このとき発生したひずみ量を測定し、電圧信号に変換して出力します。
- 対象機種
- NR-ST04
フォトカプラ[ふぉとかぷら]
- 分類
- 電子部品
- 内容
- 内部回路と出力回路を絶縁して外部回路からのノイズを内部に伝わりにくくします。電気が流れると光を出すフォトダイオードと、光を受けるとスイッチON するフォトトランジスタの組み合わせでできています。光でON/OFF を伝えるので電気的なノイズを遮断することが可能です。
ブリッジボックス[ぶりっじぼっくす]
- 分類
- センサ
- 内容
- ひずみ量は、微小な抵抗値を測定して求めています。ひずみ量測定では、微小な抵抗の変化を大きな電圧変化として取り出すため、ホイートストンブリッジ回路を使用します。ブリッジボックスはこのホイートストンブリッジ回路を搭載した端子台のことで、さまざまなひずみゲージの配線に対応できるようになっています。ひずみ測定では略して「ブリッジ」や、ボックスの形をしているものを「ブリッジボックス」と呼びます。
- 対象機種
- NR-ST04
や
有効電力[ゆうこうでんりょく]
- 分類
- 単位
- 内容
-
電力の一種で、電流と電圧の位相がずれたときに実際に使用できる電力を有効電力と言います。AC の場合、電流と電圧の位相が一致した場合もっともパワーがでます。位相がずれると、電圧のピークが電流のピークとずれているためにパワーが小さくなります。ずれたために使えなかったパワーを無効電力と言います。
有効電力+無効電力=皮相電力
皮相電力は電圧と電流を乗算することで求めることができます。装置についているコンデンサやコイルによって位相がずれるため、どの程度ずれているかを測定したり、ずれをもどす装置をつけたりします。
ら
リップル[りっぷる]
- 分類
- 電気信号の状態の名称
- 内容
- 電圧のふれ量のことです。例えば電源電圧の定格に「DC24V リップル± 10%」と記載がある場合、24V の± 10%なので電圧が21.6 ~ 26.4V(24V ± 2.4V)にふれて出力される可能性があることを表しています。
リレー[りれー]
- 分類
- 電気部品
- 内容
- ON/OFF 信号を伝達する(リレーする)ための電気部品のことです。1 次側(コイル側)の電磁石のコイルに電流を流して電気信号を機械的な動きに変換し、2 次側(接点側)の接点(スイッチ)をON/OFF します。
- 参考
- AC リレー/DC リレー/ソリッドステートリレー
ロータリーエンコーダ[ろーたりーえんこーだ]
- 分類
- センサ
- 内容
- モーターや回転シャフトなど回転する部品の回転状態を確認するためのセンサのことで、エンコーダの一種です。軸が一定量回転するごとにパルスを出力します。1 回転でいくつのパルスを出力するかを分解能と呼び、[パルス数/ 回転]という単位で表します。安価なものは10 ~ 20 パルス、高価なものは5000 パルス程度まで出力するものがあります。軸が回転するたびにパルスが出るので、軸が何度動いたか、何回転廻ったかといった情報は、パルスの数を数えることによって得ることができます。しかし、ただ単にパルスが出るだけではどちらの向きに回転したのか判断がつきませんので、2 相のパルス(A相、B相)を出力して位相をずらすことで向きが判断できるようになっています。
- 参考
- エンコーダ
ロジック[ろじっく]
- 分類
- 電気信号の状態の名称
- 内容
- ロジック(LOGIC)とは、「論理」という意味で、0 または1 を示す信号です。転じて、ON/OFF の信号を意味するようにもなってきました。コンピュータ(CPU)の中では、全ての動作・計算は2 進数で扱われています。2 進数とは、数字が「0」または「1」しかない計算方法のことです。我々が通常取り扱う「0 ~ 9」の組み合わせによって形成される数字は10進数と呼ばれます。
コンピュータは「0」または「1」のみで計算しますが、実際の回路内では、
電圧の低い状態を「0」、電圧が高い状態を「1」として扱います。通常、
電圧が低い状態→ 0V
電圧が高い状態→ 5V が一般的です。
そのため、一般的にはロジック信号と言うと、0 または5V のON/OFF 電圧信号を意味します。 - 対象機種
- TR-C48