パルス・周波数計測の用途・事例
モータの回転数や水・油の流量など、パルス計測はさまざまな場面で利用されています。そして回転数や流量からスピード(流速)や時間を算出したり、ベルトコンベアの回転誤差を演算したり、液体の流出量を監視したり、パルス計測は研究開発や生産現場に必要不可欠なものです。ここでは研究開発系用途と生産現場系用途に分け、電気機器や電子デバイス、金属・鉄鋼業界などのパルス計測事例をご紹介します。
研究開発系用途
電気機器業界コピー機・ローラーの回転数計測
動作検証のためにローラーの回転数を計測します。マルチ入力データロガーNRシリーズとパルス計測ユニットを組み合わせることで手軽に回転数を計測することが可能です。また温度計測ユニットや加速度計測ユニットを接続すれば、放熱性や各部の動作不良の検査も同時に実施でき効率的です。計測データはネットワーク経由でパソコンに転送することができ、計測しながら検証を進められるので作業の無駄を大幅に削減できます。
電子デバイス業界ファンの回転試験
各種冷却に使用するファンの回転数を記録します。ファンの耐久試験は長時間にわたってデータを記録する必要がありますが、マルチ入力データロガーNRシリーズは大容量CFメモリカードに対応し、収集作業を継続したままカード交換もできるのでメモリの容量不足を気にせずにデータ収集が実施できます。さらに電源の瞬低や停電といった予期せぬ電源トラブルが発生してもマイクロUPS回路により、データ保存処理完了までの電源を確保。パソコンに接続して使用する場合は、同時にパソコン側のハードディスクにもバックアップを作成できるので、データやファイルの破損対策も万全で、安全にデータを収集・保存できます。
電気機器業界歯車の回転試験
歯車の回転数を計測します。マルチ入力データロガーNRシリーズにはF/Vコンバータ内蔵のパルス計測ユニットがあるので、センサを接続するだけで簡単に回転数を計測することができます。さまざまな条件で歯車の評価ができ、設定もかんたんなので試験の効率化につながります。
生産現場系用途
金属・鉄鋼業界冷却水の流量計測
生産現場では冷却や研磨、切削に使用する水や油などの液体を使用します。そのような液体の流量を知りたい場合は、一般的に配管に流量計を設置し、パルス信号から流量を計測します。マルチ入力データロガーNRシリーズはパルス計測にも対応しているので、流量計のパルス信号から瞬間流量や積算流量を計測・収集でき、生産現場におけるトラブルを素早く発見することに役立ちます。
金属・鉄鋼業界コンベアの回転数計測
ベルトコンベアはモータなどで駆動していますが、安定した生産のためにはモータの定期的な点検が必要不可欠です。メンテナンスを疎かにするとベアリングの焼き付きなどが発生し、修理のために生産ラインを停止する必要もあります。そこで定期的にモータから振動や異音などが発生していないか、定期的に検査する必要があります。マルチ入力データロガーNRシリーズは小型で携帯性に優れているので、現場で回転数や振動の検査にも最適です。コンパクトなので持ち運びしやすく、回転数や振動などを同時に検査できるので作業効率アップにも貢献します。
パルス計測はマルチ入力データロガー+高精度計測ユニット
クラス最小・最軽量のボディに多彩な評価・解析機能を盛り込んだマルチ入力データロガー「NRシリーズ」にパルス計測ユニット「NR-FV04」を組み合わせることで、さまざまな周波数・回転数の計測を実現します。
NR-FV04は世界最小サイズの4chF/V変換ユニットで、パルス信号を検出し、1周期ごとの周波数(回転数)を演算。専用ソフトで設定・解析もかんたんなので、幅広いシーンで活躍します。さらにパルス計測のほか、計測ユニットを増設することでアナログ信号や温度、加速度など、1台で7役の機能を凝縮。さまざまな計測が同時に行え、検査・作業の効率化に貢献します。