倉庫・配送センターでの物流改善事例概要

物流を支える重要な拠点が倉庫・配送センターです。倉庫・配送センターはさまざまな機能を持っていますが、その中でもとくに重要なものが「保管」と「荷役」です。

保管とは、文字通り出荷まで商品を保管・管理する機能です。また、荷役とは商品の入荷や出荷に関わる機能で、商品のピッキング(集品)や配送先ごとの仕分けといった作業も含まれます。倉庫・配送センターは、各機能を連携し、生産者から消費者・客先へスムーズなモノの流れを実現しています。

物流現場の流れ

生産者から消費者・客先へ滞りなく商品を届けるため、倉庫や配送センターでは入荷から出荷までの工程や在庫状況を厳密に管理する必要があります。この入荷から出荷までには7つの工程があり、その多くを人間の手や目に頼っています。その結果としてポカミスが起こり、誤出荷や在庫のズレなどのトラブルが発生します。物流現場の問題を解決するには、まず倉庫・配送センター内での流れを理解することが大切です。

入荷から出荷までの基本的な流れ
入荷から出荷までに基本的な流れ

物流の現場におけるミスや非効率の原因は「人」

倉庫・物流センターで多いトラブルが入出荷時の検品ミスです。とくにハンディターミナルなどのデバイスを導入していない従来の現場では、入出荷リストと商品の照合を目視で行うため、見落としや記入漏れなどが発生しやすいという問題を抱えていました。これらのミスや非効率の原因は、人の手や目に頼った作業にあります。

物流の現場では、在庫管理が非常に重要で、検品作業に不備があると記録上の在庫と実在庫の間にズレが生じ、商品を動かす際に照合をし直したり、作業が止まってしまったりとムダが発生します。さらに検品ミスによって誤出荷が発生すれば、顧客の信頼を失うきっかけになってしまいます。

ミス撲滅と効率化は、人の目から機械の目がキーワード

物流の現場で、見た目が似ている製品Aと製品Bを見間違えたり、長い桁数を持つ品番の1桁を見落としたりといったミスは、人の脳の誤認識による典型的なヒューマンエラーです。検品などを目視などで行っている限り、こうしたミスやトラブルは解消しません。ヒューマンエラーの解消にもっとも有効な方法が、目視確認の作業の機械化や自動化です。そして、物流の現場で人為的なミスの回避と同時に業務の効率化を目的に活用されているのが、機械の目となるハンディターミナルやコードリーダといった機器、RFID(Radio Frequency Identification)といったシステムです。
これらのうちRFIDは、リーダライタで製品に取り付けた専用タグ(ICタグ/RFタグ)と通信し、読み書きできる技術です。障害物を越えて長距離通信が可能なため、棚や箱にリーダライタをかざすだけで、複数の専用タグの一括読み取りが完了します。製品を1つずつ取り出してコードを読み取る必要がないため、作業を大幅に効率化できます。

ハンディターミナルとコードリーダ導入による現場改善

目視や記憶といった人の認知機能の正確さには限界があります。機器やシステムであれば、人間が苦手とする正確な記憶や細かな差異の識別、膨大な情報から目的のものだけを速やかに認識・記録できます。入荷検品だけでなく、物流工程における在庫管理全般において、ミスの回避に有効な手段がハンディターミナルやコードリーダの導入です。従来の目視確認と記録の作業を大幅に簡素化できるハンディターミナルや、コンベアラインを流れるモノのコードを自動的に読み取るコードリーダを活用することで、これまで課題だった人為的なミスの解消と同時に、大幅な効率化が実現できます。

こちらのブロックでは、現場物流改善事例として、「入荷検品」「棚入れ」「ピッキング」「出荷検品」「棚卸し」「倉庫・配送センターの自動化」に分けてハンディターミナルを活用した解決事例を解説します。また、付随して「製造現場での物流改善事例」「運輸での物流改善事例」もあわせて紹介します。物流現場の改善や効率化でお悩みの方に参考にしていただけると幸いです。

倉庫・配送センターでの物流改善事例
製造工場での物流改善事例
運輸での物流改善事例

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